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【Blender】超初心者向け!ハロウィン風オブジェの作り方

2022.10.28

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こんにちは、Blender初心者ライターの米田梅子です。

初心者なりに培ったBlenderスキルを発信するこの企画。
今回は”Blenderはじめたてほやほや”な初心者さん向けに、「ハロウィン風モチーフ」の作り方をご紹介します。

かんたんに作れる上にかわいいので「Blenderを使ってとにかく何か作ってみたい」「ハロウィンやホラーをテーマに作品を作りたい」そんな方にオススメ。

使用したBlenderのバージョンは「3.1」。レンダーエンジン設定は「Cycles」です。

なお、この記事はスぺラボクリエイターが監修しました。
※ご紹介する制作方法は、建築/プロダクトに則ったものではありません。ミニチュア感覚でお楽しみください。


▼目次
【1】かぼちゃの作り方【難易度:★☆☆】
【2】竹ほうきの作り方【難易度:★☆☆】
【3】石碑の作り方【難易度:★★☆】
【4】枯れ木の作り方【難易度:★★☆】
【5】ろうそくの作り方【難易度:★★★】
【6】オブジェクトに色を塗る
(1)マテリアル設定の前準備
(2)複数のオブジェクトに同じ色をまとめて塗る方法
(3)オブジェクトを光らせる方法
【7】まとめ


カボチャの作り方【難易度:★☆☆】

Blender制作するカボチャ完成見本


「UV球」「円柱」2つのメッシュを組み合わせて、おもちゃのようなカボチャを作ります。オブジェクトの拡大・縮小のみで作れるお手軽モチーフ。
ひとつだけだと他の野菜や果物にも見えるかもしれませんが、他のモチーフと組み合わせると、案外それらしく見えます。

(1)カボチャの「実」部分の作成

カボチャの実の部分を作るため、球を出します。
キーボードで【Shift+A】を押し、表示されたメニューのなかから【メッシュ】→【UV球】を選択。

blender作業画面のスクショ。UV球の出し方

【Shift+A】→【メッシュ】→【UV球】

すると、四角形の面からなる球「UV球」が現れます。

blender作業画面のスクショ。UV球のポリゴンを減らしている


UV球が現れたら、画面左下に表示されるメニュー内の数値を変えます。この数字を変えると、ポリゴン数が増減します。
【セグメント】の数値を【7】、【リング】の数値を【8】としました。

今回はデフォルメ感を強調するためにどのモチーフもポリゴン数を減らして作っていますが、制作に必要な作業というわけではありません。記事を参考に作られる方はお好みでどうぞ。

blenderスクショ画面。縦軸につぶれたUV球


UV球をクリックして選択した状態にして【S+Z】(※)と入力。

カボチャを思い浮かべながらマウスを動かします。いい形になったら左クリックで確定です。これで「かぼちゃの実」の部分ができました。


※)【S+Z】……オブジェクトを縦軸方向に拡大縮小する操作。「S」が縮小、「Z」が変形する軸を示しており、「Z」以外の軸は「X」「Y」で示すことができます。
「S」とだけを入力すると、選んだオブジェクト全体が拡大縮小します。

(2)カボチャの「へた」の作成

「カボチャのへた」は円柱で表現します。
【Shift+A】→【メッシュ】→【円柱】を選択し、円柱を出します。
円柱を出したら、「カボチャの実」同様に頂点数を減らします。

blender作業画面のスクショ。円柱のポリゴンを減らしている

画面左下のタブメニューから【頂点】の数値を【7】に変更

blenderスクショ画面。縦軸につぶれたUV球の中央に円柱が刺さっている。

円柱だけ選択した状態で【S】を入力。縮小しました

ある程度のサイズまで小さくしたら、【G+Z】(※)で移動、球体のてっぺんに差し込むように合体します。


※)【G+Z】……オブジェクトを縦軸方向に移動する操作。「G」が移動、「Z」が変形する軸を示しています。「G」とだけを入力すると、移動軸を選ばず自由に移動させることができます。

カボチャの完成です。

竹ほうきの作り方【難易度:★☆☆】

Blender制作するカボチャ完成見本


竹ほうきは3つのオブジェクト、「円錐」「円柱」「トーラス(ドーナツ状の円形)」を組み合わせて作ります。
主な作業は、これらの拡大縮小・回転と、上下移動による位置調整です。
作業自体は単純ですが要素・作業が多いため、「かぼちゃ」と比べてやや難易度が高いかもしれません。

(1)ほうきの「穂」部分を作成する

かぼちゃで使ったUV球や円柱と同じ要領で、円錐を作成します。
【Shift+A】→【メッシュ】→【円錐】を選択。

blender作業画面のスクショ。円錐の出し方
blender作業画面のスクショ。円錐の頂点数を減らす


左下のタブの【頂点】の数を【12】にして、出てきた円錐のポリゴン数を減らしました。

作成した円錐を選択した状態で【Shift+D】、そのまま【右クリック】して、オブジェクトをコピーします。(※)


※)【Shift+D】のみの操作であれば、場所の指定無しでオブジェクトがコピーされ、続けて右クリックをすると、コピー元のオブジェクトと同じ位置にコピーされます。
重なって表示されるので見た目には分かりませんが、選択した状態で【G】を押すと下から同じ形のオブジェクトが現れます。

blenderの作業画面のスクリーンショット。円錐が縦にふたつ並んでいるのを、真横からのアングルで表示している

コピーした円錐を、円錐の真上へ移動した

ひとつだけ選択した状態で【G+Z】で真上へ移動させましょう。
このとき作業アングルを真横からの表示にしておくと、移動操作がしやすいです。

続いて上部に配置した円錐をひっくり返します。
オブジェクトを選択し、【R+X(もしくはY)+180(数値入力)】(※)と入力。


※)【R+X(もしくはY)+180(数値入力)】……X(もしくはY)軸方向に180度回転することを示しています。
「R」が回転、「R(もしくはY)」が回転軸、「180」は角度数値です。数値は入力せず、マウス操作で角度を調節することもできます。

上下に並んだふたつの円錐のうち、上ひとつを180度回転させた作業画面

真横から見たアングルで表示した際に、この状態になっていればOK


下部のオブジェクトを選択し、【S+Z】で縦長にします。

上下オブジェクトを重ねると大阪の「通天閣」のようなシルエット


竹ほうきの穂の形をイメージしながら、【S】や【S+Z】を使い拡大調整します。

こんな感じになりました

(2)ほうきの「柄」部分の作成

ほうきの柄の作成に移ります。
【Shift+A】→【メッシュ】→【円柱】で円柱を出します。

blender作業画面のスクショ。円錐の頂点数を減らす

穂と同じく、円柱の頂点数も【12】に。
【S】と【S+Z】で棒状にし、【G+Z】で位置を調節して、穂先から突き出るような形にします。

ほうきらしいビジュアルになってきました。

(3)結束部分を追加

ほうき作りの最後は、結束部分。
【Shift+A】→【メッシュ】→【トーラス】でトーラス(ドーナツ状の円形)を出します。

左下メニューの【大セグメント数】【小セグメント数】を【12】にします。
このトーラスを選択し円錐と円錐が重なっているポイントへ【G+Z】で移動、【S】で縮小して、重なった部分を覆います。

【S+Z】で幅を広く調整。

幅広にすることで強く結束している雰囲気がでます

竹ほうきの完成です。

石碑の作り方【難易度:★★☆】

Blender制作する石碑完成見本

ハロウィンモチーフを作るにあたって、作品のファンタジー・ホラー度を高めるならコレ。
シンプルですが存在感もあります。

一歩進んだBlenderの使い方に挑戦。オブジェクトの「非破壊の変形」(※)が行える機能、「モディファイアープロパティ」の「ベベル」を使って、面を増やし、少し凝った形にしてみましょう。


※)非破壊の変形……メッシュ構造そのものを編集しない変形方法。いつでもすぐに元の状態に戻すことができる。

(1)石碑・下段の作成

三段重ねの石碑の作り方です。一番下の段の作成から着手します。
立方体を作成します。【Ctrl+A】→【メッシュ】→【立方体】

【Ctrl+A】→【メッシュ】→【立方体】

長方形を縦方向に縮小し、平たく変形させましょう。
立方体を選択した状態で【S+Z】。マウス操作で調整、定まったら左クリックで確定。

平ぺったい直方体になりました

続いて横方向も縮小します。
【S+Y】→マウス操作で形が定まったら左クリックで確定です。

石碑の下段ができました

(2)石碑・中段の作成

 

石碑の中段は、下段のコピーを使って作ります。
一段目を選択した状態で【Shift+D】+【右クリック】でコピーします。

同じ位置にに重なったオブジェクト。
レイヤーパネルから任意のオブジェクトを選択することもできるので、重なって選択し辛い場合は試してみて

オブジェクトを選択したら、【S】で一回り、二回り縮小します。
小さくしたオブジェクトを【G+Z】→【マウス操作】で、もう一方のオブジェクトに重ね、位置が定まったら【左クリック】。

二段目が完成しました。お好みで比率を調整してもいいでしょう。

角度を変えて見るとこんなかんじ。まだ微調整はしなくてOK

(3)石碑・上段の作成

上段を作ります。今度は中段をコピーします。操作は先ほどと同じ【Shift+D】+【右クリック】。
コピーしたメッシュを、【S+Z】で今度は縦長に拡大します。

コピーで生成した3つめのオブジェクトが上段になります

縦に長く伸ばしたら、【S】で一回り小さく調整する。

 

最後に上段のオブジェクトに面を加えます。
上の段を選択した状態で、【モディファイアプロパティ】をクリック。

【モディファイアーを追加】から【ベベル】を選択。

【量】の数値を変更すると、面ができました。ここでは【0.4】にしています。
縮小・拡大を使ってオブジェクトを整えます。中段、下段にもベベルをかけるのもいいかもしれません。

いい感じにできたら、【適用】をクリックします。
適用すると、「ベベル」によって行っていた「非破壊の編集」がメッシュに直接適用され、非破壊ではなくなります。このあとも調整の予定がある場合は、コピーをとっておくか先送りにしておきましょう。

石碑ができました。

枯れ木の作り方【難易度:★★☆】

さみしい・不気味な空間作りに活躍する枯れ木は「円錐」を複数組み合わせるだけでできます。
作業自体はシンプルですが、作業時のアングルに気を付けないと、位置調整がむずかしくなるので注意。

(1)枯れ木の幹

幹から作ります。【Ctrl+A】→【メッシュ】→【円錐】で円錐を生成しましょう。

【Ctrl+A】→【メッシュ】→【円錐】

頂点の数は【12】にしました

選択した状態で【S+Z】で縦長にします。

これが幹です

(2)枯れ木の枝

幹をコピーして枝にするのですが、半端なアングルだと取付位置の調整にコツが必要になります。
調整がしやすい真正面からのアングルに変えておきましょう。

【Shift+D】で幹をコピー、【S】で縮小。てきとうな場所で左クリックします。

【S+Z】で長さを調整し、【R】をクリックして角度を変えたら、
【S】で小さくして【G】で移動。幹と重なるように配置します。

アングルを変えて、真横から確認。幹に突き刺さっていればOKです。
先ほどの手順を繰り返して、枝をさらに増やします。

別アングルから見た図

枯れ木の完成です。

ろうそくの作り方【難易度:★★★】

最後は「炎が灯ったろうそく」の作り方です。
ここまでのモチーフはメッシュそのものの形を活かして作ってきましたが、ここでは少しだけポリゴンを変形して形作ってみましょう。

(1)炎の作成

先に炎を作りましょう。
UV球を作成します。【Ctrl+A】→【メッシュ】→【UV球】

【Ctrl+A】→【メッシュ】→【UV球】

【セグメント】と【リング】の数値を【12】にします

UV球を選択した状態で、作業モードを【オブジェクトモード】から【編集モード】に変更。これで選択していたUV球の細かな変形が可能になります。

【オブジェクトモード】→【編集モード】

選択モードを【頂点選択】にして、UV球のてっぺんのみを選択します。

「◎ボタン」をクリックして【プロポーショナル編集】(※)をオンにします。
右横の一覧から「シャープ」を選びましょう。


※)プロポーショナル編集……選択した要素(メッシュの頂点・辺・面など)への変形結果が、その近くの他の要素にも影響するようにする方法。多数の要素を一度に動かすことができる。

アングルを真正面にしたら、【G+Z】で上に持ち上げるようにして変形します。
このとき表示される丸いラインが、プロポーショナル編集の影響を受ける範囲です。マウスのホイールで影響を受ける範囲を調節しながら炎の形を作ります。

炎の形ができました

炎の形ができたら、作業モードを【編集モード】を【オブジェクトモード】に戻します。

(2)ろうそく本体の作成

円柱を作成します。【Ctrl+A】→【メッシュ】→【円柱】

【Ctrl+A】→【メッシュ】→【円柱】

現れた円柱メッシュの【頂点】数値を【12】に変更します。

【S+Z】で縦に引き延ばしたものを、【Shift+D】でコピーします。

コピーしたオブジェクトは縮小【S】を組み合わせて使い、「ろうそくの芯」にします。

先ほど作成した炎を芯の上に突き刺したら、ろうそくの完成です。

オブジェクトに色を塗る

以上ですべてのモチーフが完成しました。
自由に組み合わせ、ひとつのオブジェにしたら、「マテリアルプロパティ」を活用して、オブジェクトに色や質感をつける作業に入ります。

これに色をつけます。炎にも光を灯しましょう

(1)マテリアル設定の前の準備/基本的な色のつけ方

マテリアル設定による着色・質感表現の前に、2つのかんたんな設定をしておきます。

ビューモードを【レンダープレビュー】に、レンダーエンジンは【Cycles】に変更しましょう。これでリアルタイムでのマテリアル変更の確認が可能になります。

マテリアルの設定はマテリアルプロパティから行います。

マテリアル設定をしたいオブジェクトを選んだ状態で、【プロパティエディタ】内、【マテリアルプロパティ】から【新規】を選択します。
【ベースカラー】を変更すると、オブジェクトに色がつきます。

(2)複数のオブジェクトに同じ色を塗る方法

前段落で紹介した方法では、一度にひとつしか色をつけられません。
ひとまとめに色を塗る(マテリアル設定を行う)には、以下の操作を行います。

まずは前述の方法でオブジェクトにカラーを割り当てます。
色をつけたオブジェクトはいったん選択を解除。同じ色に塗りたいオブジェクトを【左クリック】で選択します。
複数選択したいときは、クリックの際に【Shift】を押しておきます。

同じ色を塗りたいオブジェクトすべてを選択し終えたら、
最後に、塗りたい色を割り当てたオブジェクトを選択します。この順番が大切です。

 

「色をつけたいオブジェクト」と「色をつけたオブジェクト」を選択した状態で、【オブジェクト】→【データのリンク/転送】→【マテリアルをリンク】をクリック。
これで一度に複数のオブジェクトに色をつけることができます。

手順をしっかり見たい方はgifアニメでどうぞ

(3)オブジェクトを光らせる方法

マテリアルプロパティの設定で、オブジェクトを光らせることができます。「炎が灯ったろうそく」を光らせてみましょう。
必要な作業は【サーフェス】を【放射】に変更するだけ。
【強さ】の数値が大きいほど光の強さが変わります。好みの大きさに変えましょう。

「サーフェス」と「強さ」のあいだの【カラー】、これは光の色です。ここで決めた色が炎の色に反映されます。

なお、このマテリアルプロパティを使った表現方法では、周囲への光の拡散(ブルーム)の表現はできません。別途ノードによる設定が必要になります。

完成/まとめ

すべてのオブジェクトにマテリアル設定を施し、レンダリングしたものがこちら。

※ライティングについては記載していませんが、演出のために逆光にしています

シンプルなモチーフの集合ですが、不気味でかわいいハロウィンオブジェができました。
マテリアル設定や、空間づくりを工夫をすれば、よりおもしろい作品ができそうです。
今年のハロウィンはBlenderに挑戦してみませんか?

 

▼この記事を書いた人
自己紹介_米田梅子

 

▼米田梅子が書いた記事

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