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CGクリエイターオススメ!CGがスゴい映画5選
2021.04.30
こんにちは。スぺラボ本社1年目CGクリエイターのぐっちーです。
近年、私たちの身の回りの様々な場面で「CG技術」が扱われるようなってきました。
例えばコマーシャルやアプリ、アニメにゲーム、なかでも、映画界におけるCG技術は目覚ましい進化を遂げています。
この記事では、映画館の会員歴3年の映画好きな私が、CGクリエイター目線で「スゴい」と感じたCG映画を5つご紹介します。
①Disney'sクリスマスキャロル 2009年/アメリカ
イギリスの名作小説、「クリスマスキャロル」をアニメ化したファンタジー映画です。
◆あらすじ
とあるクリスマスイブの夜。己の金銭欲を満たすためだけに生きている町一番の嫌われ者の老人の前に、亡くなった元共同経営者の霊が現われた。
元共同経営者の霊は、「これから3人の霊がとりつくだろう」と老人に話す。やがて姿を現わした3人の霊に、老人は自分の過去・現在・未来を見て回る時間の旅に連れ出されるが……。
◆見どころ
リアルなCG表現
この映画は「パフォーマンスキャプチャー」というCG技術が用いられています。
パフォーマンスキャプチャーとは、俳優の体の動きや、表情の変化をコンピューターに取り込む手法です。演者のスーツにマーカーと呼ばれる点を取り付けることで動きを記録します。
パフォーマンスキャプチャーを用いることで、「CGキャラクター」に俳優の演技を加え、まるで生きているかのようなアニメーション映像を作りだしています。
家具などの細かい箇所の表現にも、非常に現実的なCGが見受けられます。
建築CGにたずさわっている身としては、このような質感を出せられるようになりたいと感じるクオリティでした。
細かい作り込みに説得力があるので、ファンタジーなストーリーでもしっかり臨場感を感じられる作品になっています。
リアリスティックな3DCGをぜひ一度鑑賞してみてください。
なお、3D版は2D版と比べて、より没入感が高まる上、リアルなCGをより肌で感じることができるのでおススメです。
②アバター 2009年/アメリカ
初の3D公開映画として大きく取り上げられたSFアクション映画です。
◆あらすじ
近未来、資源開発会社「RDA」は、地球のエネルギー問題の解決のカギとなる希少鉱物を求めて、惑星「パンドラ」に進出した。しかし、パンドラの先住民族との交渉が上手く進まず、鉱物の掘削に取り掛かれない。
どうにか交渉を成功させようと、RDA社は地球人と先住民族それぞれのDNAを掛け合わせた人造生命体「アバター」を作ったが……。
◆見どころ
実写撮影とCG合成の融合
パンドラの動物は、馬のような生物、翼竜のような生物など様々。どれもGGとは思えない精巧な作り込みが光ります。
驚くのはCGで作られた生物と実写の溶け込み方です。
主人公ジェイクが、「アバター」を通してパンドラに生息する生き物に触れるシーンがあります。
生物に乗って移動したり、パンドラの世界を飛び回ったり。どのシーンも、とても自然なのです。
その秘密は、「バーチャルカメラシステム」という、CGと実際の撮影現場をリアルタイムに合成しながら、映像を撮る技術が用いられている点にありました。
これにより、実際にCG映像と相対して演技をすることができているのです。
私が仕事で制作している建築パースも、施主のイメージを膨らませる役目を担うことがあります。CGは表現手法としてだけではなく、イメージの具現化の補助としても大いに活躍します。
先ほど紹介した「Disney'sクリスマスキャロル」同様、パフォーマンスキャプチャーが使用されているので、見比べるのも面白いと思います。
CGと実写の融合とも呼べる、生き生きとした自然な映像をぜひ一度ご覧ください。
③リメンバー・ミー 2017年/アメリカ
ピクサーアニメーションスタジオ制作のファンタジーアドベンチャー映画です。
◆あらすじ
先祖代々音楽を禁じられている家系に生まれた主人公ミゲル。しかし、彼はミュージシャンになるという大きな夢を抱いていた。ある日、カラフルで美しい「死者の国」に迷い込んでしまう。元の世界に戻る為には、日の出までに先祖の承認が必要なのだが……。
◆見どころ
光と色のCG表現
主人公の少年・ミゲルの冒険の舞台となる“死者の国”は、陽気でカラフル。きらきらとした美しい街並みが広がっています。
この街並みを始めて観た瞬間、目を奪われました。多くの人が未知である死後の世界という神秘的な舞台をCGで上手く魅せていると感じました。
幻想的な世界を作り出している要因の一つに、光の表現が挙げられます。
「リメンバー・ミー」では、なんと当時のピクサー史上最大となる約700~800万個の照明を用いて光を表現しているのです。
私はそこまで多くの照明を使ったCGを制作したことがないので、未知の領域です。データは重くならないのか、演算時間はどのくらいになるかなど気になります。
また、色の表現も素晴らしいものだと思います。作中で度々登場する花、マリーゴールドのオレンジの輝きは、鑑賞後も胸に残りました。
CGは場合に応じて、写実的、幻想的と使い分けられます。「リメンバー・ミー」の場合では、幻想的表現の方が多く見られます。マリーゴールドの花の美しさが強調された映像になっていて、CGの醍醐味を感じます。
ぜひ一度光と色の演出に注目して「リメンバー・ミー」を鑑賞してみてください。
④キングダム 2019/日本
週刊ヤングジャンプで連載中の人気漫画を実写化した、歴史フィクション映画です。
◆あらすじ
舞台は中華が統一される前、戦国時代の中華の国の一つであった「秦」。主人公の信は、秦の戦争孤児の少年。信には天下の大将軍になるという夢があり、親友の漂と剣術の鍛錬に明け暮れる日々を送っていた。そんなある日、王都の大臣が二人の鍛錬の様子を目にして、なぜか漂のみが王宮へと連れていかれることになり……。
◆見どころ
再現するCG
戦国時代の中華を舞台にした作品という事で、印象に残るのはやはり万単位の人がぶつかる戦争のシーンです。CGがなければ、すべてエキストラの人間を用意しなければいけませんが、CGがあれば万単位の人数を表現することができます。スケールの大きい映像では、CGはとても便利なものです。
しかし兵士一人一人が全員同じ服装や顔であると、CG感が強くなってしまいます。そこをどう解決しているのかと気になり調べたところ、「キングダム」では様々な工夫をされていました。
「兵士のアセット。レンダリングにはRedshiftを使用。顔の周りや鎧の汚しについてはバリエーションを用意し、それらがランダムで割り当てられるようにセットアップすることでリピート感を回避している」 (https://cgworld.jp/regular/201904-vfxanatomy-cgw249.html) |
リピート感というのは建築CGでも障害になるところです。壁や床に貼るテクスチャがリピートされてしまうと、不自然なので、境界をぼかしたりして対応します。
そうした不自然さを除くことで、見る人がリアルだと感じるCGを作ることができます。
街並みの表現についても、一つ一つの建物がとても精巧に作られています。
「キングダム」には実際にモデルとなる舞台があるので、実際の建造物と見比べながら観ることも面白いと思います。
無いものを生み出す創造のCGではなく、実在するものの歴史や臨場感を再現するためのCGをぜひ味わってみてください。
⑤X-MENシリーズ 2000- /アメリカ
マーベル・コミックのスーパーヒーローチームをベースとしたSFアクション映画です。
◆あらすじ
近未来、遺伝子の突然変異により人間が超能力を持つようになってしまった。超能力を持つ人間はミュータントと呼ばれ、周囲から理不尽な差別をうけていた。
ミュータント間でも、人間と共存を望む派閥と、人間を憎む派閥で対立が起こっていた。そんな中、人間を憎むミュータント達は人類撲滅の恐ろしい計画を立てていく……。
◆見どころ
多種多様なCG
この映画には、両拳から鋭い爪を飛び出させる人物や、目から光線を発する人物など、たくさんのミュータントが登場します。
特に印象に残ったのは変身能力のあるミュータントです。変身する際は、ざわざわと肌に浮かぶウロコをひっくり返しながら、別人に代わります。
とてもなめらかに変わるので、変身前、途中、変身後を作りCGで重ね合わせているとはわかりません。
こだわりぬかれたCG演出が、作中の超能力をより魅力的に映像化し、迫力満点の映画を作り上げています。
シリーズを通して、多種多様なミュータントの能力、そしてそれを表現するCGがたくさん登場します。お気に入りのミュータントとCGを探してみてください。
まとめ
以上、CGクリエイター目線でスゴいと感じたCG映画5つの紹介でした。
気になった作品はぜひチェックしてみてください。
既に鑑賞済みという人も、CGに着目して観てみるとまた違った面白さがあるのでこの機会にもう一度鑑賞してみてはどうでしょうか。
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