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360度動画とは?VRとの違いは何?

2021.02.09

全方位を見渡せる360度動画とは

コンピュータやスマートフォンの映像も高精細な映像が当たり前となり、通信速度の向上によって高度な映像体験を楽しむことができるようになりました。ゲームの世界ではプレイヤーが向きを変えることによって周りの様子を全て眺めることができるものも誕生しています。

多くの飲食店や商業施設のサイトでは、自由に内部を眺めることができるような映像を提供しています。不動産事業者のサイトでは賃貸物件や販売物件の内部を、全方位にわたって視聴できるような映像を掲載しています。

旅行業界ではコロナウィルスの感染拡大による渡航制限に対応するために、オンライントラベルサービスを提供しています。なかにはあらゆる方向を自由に視聴できる、観光スポットの映像を楽しむことができるサービスもあります。

このような全方位を視聴できるような動画映像を、「360度動画」といいます。YouTubeなどの動画サービスでも、数多くの360度動画を提供しています。現在では比較的安価に入手できる全方位カメラを利用することで、誰でも容易に360度動画の作成を行うことができます。

360度動画とVRとは何が違う?

全方位の映像を自由に視聴できるような映像としては、VRもゲームをはじめとしてさまざまな場面で利用することができます。

VRは専用のゴーグルを装着した視聴者が見ている方向を検知して、対応する視点の映像を表示します。VRでも視聴者は、360度動画と同様にあらゆる方向の映像を視聴することができます。しかしVRと360度動画には明らかな違いがあります。

 

VRはCGであり360度動画は実写映像

VRはVirtual Realityの略で、日本語では仮想現実と訳します。その名前が示すようにVRが提供する映像はコンピュータグラフィックスで生成した映像であり、実際の映像ではありません。

映像はコンピュータ上に立体的に生成され、常に視聴者の視点での映像を表示します。例えば視聴者の位置や高さが変わると視点が変わり、表示する映像もその視点からの映像に変化します。 一方360度動画では、全方位カメラを使用して撮影された実写映像が表示されます。視聴者の操作によって、映像の任意の方向を視聴することができます。

映像はカメラの視点から撮影した映像なので、映像データにない視点での映像を視聴することはできません。例えば観光スポットの360度動画を視聴していて特定のポイントをもっとよく見たいとしても、拡大することはできますが近寄ることはできません。

 

VRは立体映像視聴のためヘッドセットが必須

360度動画は一般には全方位カメラを使用して撮影した動画であり、PCモニターやタブレット、スマートフォンで視聴することができます。PCやスマートフォンなどの操作によって視聴する方向をインタラクティブに変更することができますが、立体的な映像ではありません。

一部立体カメラを使用して撮影した映像では、VRヘッドセットを装着することで立体映像を視聴することが可能です。その場合でもあくまで映像は、撮影された視点での映像になります。

一方VRは右眼用と左眼用の画像をそれぞれの眼で視聴することで、立体的な映像を視聴することができます。立体映像を視聴するためには、VRヘッドセットの装着が必要です。

ヘッドセットに内蔵されたセンサによって視聴者の位置や動き、視聴する角度を検知して、対応した映像をヘッドセットに表示します。

この機能によって視聴者は、まるで表示されている映像の中に入っているかのような没入感を味わうことができます。ヘッドセットはVR映像の視聴のために作られた専用のものや、スマートフォンを装着して使用する簡易的なものなどさまざまなものがあります。

 

360度動画とVRそれぞれのメリットとデメリット

360度動画やVRはさまざまなコンテンツが制作されていて、特に商品や施設などの広告に活用されています。広告、宣伝のためのメディアとして360度動画とVRのいずれかを選択するときには、双方のメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

 

実写映像を全方位にわたって視聴できる360度動画

360度動画では実写映像を使用することができるので、視聴者はより実際的なイメージを持つことができます。映像の視聴には特殊な映像機器を必要とせず、例えばイベントにおいて大画面で複数の視聴者が同時に映像を視聴することが可能です。

全方位カメラで撮影した映像はあくまで撮影した位置での映像なので、見て欲しいポイントを訴求することができます。移動しながら撮影した映像によってより迫力ある映像を提供することができます。

VRでは専用ヘッドセットの装着が必要なので、ヘッドセットを装着していない人と映像体験を共有することはできません。視聴する映像はCG合成された映像なので、実写と同様な現実感を得ることは困難です。時には映像の不自然さから不快を感じる場合もあります。

 

360度動画が表示するのは撮影者の視点だけ

360度動画で提供されるのは全方位カメラでの実写映像なので、あくまで撮影したポイントでの映像になります。

例えば不動産の広告で視聴者が気になるポイントがあったとしても、そこに近づいた映像が撮影されていなければ細部を見ることができません。映像を拡大するなどの操作はできますが、撮影位置と異なる視点での映像を視聴することはできません。

 

立体映像がその場にいるような没入感をもたらすVR

一般的な映像機器を使用する360度動画に対して、VRでは専用のヘッドセットを装着して視聴します。右眼用と左眼用に視差のある映像をそれぞれに表示することで、立体映像を提供します。 さらに見回したり移動することで、全方位を見渡したり視点を変えて映像を見たりすることができます。実際にはコンピュータによる合成映像であっても、まるでその場にいるかのような没入感を得ることができます。

 

VRは高度なCG処理が必要で制作コストが高い

360度動画は比較的安価に入手できる全方位カメラを使用することで、比較的簡単に作成することができます。一方VR映像は映像化する場面の対象物を3Dモデリングして、リアルタイムレンダリングによって映像を作成します。 魅力的な高精細な映像を作成するには、専門技術を持ったエンジニアが時間をかけてモデルを作成しなければなりません。

ストレスのない映像体験を提供するためには高性能なPCが必要であり、必然的に制作コストが高くなります。

 

まとめ

スマートフォンの性能向上や回線速度の向上にともなって、より高精細で高度な映像を楽しむことが可能になってきました。ゲームばかりでなく飲食店や宿泊施設のサイトでも、店舗や客室内部の様子を簡単な操作で上下左右自由に見回すことができます。

不動産事業者のサイトでは賃貸物件や販売物件の内部を、全方位自在に見ることができます。このような全方位の映像を360度動画といいます。全方位の映像体験としてはVRもありますが、こちらはヘッドセットを装着して立体映像を視聴することができます。

VRはCG映像を使用して、視聴者の動作にあわせて表示する立体映像をリアルタイムに更新します。視聴者は表示されている世界に、実際にいるような没入感を味わいます。 360度動画は比較的安価に入手できる全方位カメラを使用することで、容易に映像コンテンツを作成することができます。VRではCGモデリングとリアルタイムレンダリング技術によって、技術者が時間をかけて映像を作成する必要があります。

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