【Twinmotion】モデリングなし!?簡単クリスマス風CGパースを作成する方法! | 広告用3DCG制作・建築CGパース・BIM・AI活用ならスペースラボ

【Twinmotion】モデリングなし!?簡単クリスマス風CGパースを作成する方法!

2021.12.23

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▼この原稿を書いた人

自己紹介_くまお

 

こんにちは。名古屋支店4年目クリエイターのくまおです。

世間はすっかりクリスマスムードですね!イルミネーションで彩られた街並みがとても好きで、見ているだけでワクワクします。

しかし、CGパーサーになってから「クリスマスの時期」「繁忙期」で慌ただしい毎日。クリスマス気分をゆっくり味わう時間もなく……。

せめてCG上ではイルミネーションキラキラの街並みを眺めたい!
何とかしてクリスマス風CGパースをササっと描きたい!

そんなワガママクリエイターの要望に答えてくれるのが、3Dビジュアライゼーションソフト「Twinmotion」です。
建築動画や静止画を少ない工程で作れるすぐれもの!

Twinmotionをメインに使用し、モデリングせずにクリスマス風CGパースを作成していきます。

あわせて、私のように忙しい人のために、「時短ポイント」も紹介していきますので、良かったら参考にしてみてください。

 

制作イメージは「住宅街や路地裏のイルミネーション」。
人通りがおおくにぎわっているイルミネーションスポットよりも、ひっそりと輝く街並みのほうが好きなんですよね。

洋画に出てくるような、レンガや石造りの建物が連なるオシャレな街並みを作り、クリスマス風にアレンジします。


▼目次
1.ベースのオブジェクト配置
2.景観の調整
3.冬の雰囲気づくり
4.街をイルミネーションで飾り付ける
5.新機能「Skydome」
6.レンダリングとブラッシュアップ
7.最後に
8.おまけ


 

1.ベースのオブジェクト配置

まずは雰囲気をつかむため、建物をざっくり配置していきます。
モデリングはしません。

「モデリングせずに建物を配置とはどういうこと?」と思った方もいるかもしれませんが、そもそもTwinmotionにはモデリング機能がないのです。

そのため、今回ベースの建物は既存のアセット(素材)をします。
アセットを使えばモデリングなしで建物の配置が可能。制作時間の大幅な短縮ができます。

アセット探しに役立つのが、「MEGASCANS」です。
MEGASCANSは3Dアセットを有料で提供しているオンラインライブラリ。
オブジェクトからマテリアルまで、さまざまなアセットが、なんと無料でダウンロードできます。

MEGASCANSで扱っている建物や造作のイメージ

MEGASCANSで扱っている建物や造作のイメージ

たとえば、こんな歴史的建造物や

MEGASCANSで扱っているマテリアルやデカール、植栽イメージ

MEGASCANSで扱っているマテリアルやデカール、植栽イメージ

リアルなマテリアルはもちろん、デカールや植栽まで

高品質アセットが全部無料!使い放題!むずかしい設定一切なし!
Twinmotion上のアセットライブラリ経由でダウンロードできます!

MEGASCANS様々です。

提供されているモデルをサクッと組み合わせたのが下の画像です。ヨーロッパ風の街並みを作ってみました。路地裏・狭めの広場のイメージです。

アセットに取り込むには

アセットに取り込む方法は、一覧から気に入ったアセット右上のアイコンをクリック。 あとは編集画面にドラッグ&ドロップするだけ。

アセットを使用して建物を配置する時は、あらかじめアングルをざっくり決めておくのがポイントです。
オブジェクトの配置がしやすくなるうえに、見える範囲だけ置けばいいので時短にもつながります。


時短ポイント①まずはアングルを決めてから。


 

2.景観の調整

次に、さきほど配置した建物の調整をします。
建物オブジェクトは、デフォルトでは窓ガラスがついていません。

景観の調整

窓に寄ったアングル。このままだと、ガラスに光が反射するような演出ができません。

よく見ると、窓ガラスだけでなく建物の裏側の壁、内側の天井もありません。
組み合わせの段階で作ったのは表から見える外観だけだからです。

顔ハメ看板のように向こう側の景色が見えてしまっているので、窓ガラスと壁を設置します。

ライブラリ>オブジェクト>プリミティブ

ライブラリ>オブジェクト>プリミティブ

シンプルな形のオブジェクトが揃うライブラリ「プリミティブ」から、窓枠の形に近いオブジェクトを選んで縮尺を調整し、窓ガラスを作りました。

同様にプリミティブ内のオブジェクトを使用し、建物の裏側に壁と天井もざっくり作成。
街並み制作の段階で「見える範囲だけ置けばいい」と述べましたが、今回はこの裏側の壁と天井が、このあとのライトアップで活きます。

ハリボテ

この街を別角度から見るとこんな感じ。ザ・ハリボテです。

CG静止画を作成する場合は、最初に決めておいたアングルから見えなければ、あとは雑でも構いません。
手を抜けるところはどんどん抜いていきましょう!

景観の調整

窓に寄ったアングル。このままだと、ガラスに光が反射するような演出ができません。

すべての建物に壁・天井 ・窓ガラスを作成

すべての建物に壁・天井 ・窓ガラスを作成しました。

窓にガラスを取り付けたことで、リアリティが増しましたね。
あわせて、周りの建物となじむように道路も変更しました。これでベースとなる街並みは完成です。


時短ポイント②見えないところはとことん手抜きに。


 

3.冬の雰囲気づくり

ここから作った街をクリスマス風に調整していきます。
クリスマスと言ったら、「アレ」が欲しいですね。

そう、クリスマスツリーです!

クリスマスツリー配置

ライブラリ>地形・植栽>樹木>Japanese cedarを配置。

デデーン!
Twinmotionの植栽アセットから、いい感じのもみの木を見つけました!
大きなクリスマスツリーは存在感があってワクワクしますよね。

ただ今回はあくまで「イルミネーションに彩られた街並み」がテーマなので、存在感がありつつも画のメインにならないよう、大きすぎないツリーを複数植えてみました。

次に、アングルの設定で「季節」と「時間帯」を変更します。
イルミネーションが映える、しっとりとした冬の夜の雰囲気を先に作っておきます。

季節・時間の設定

季節を「冬」。月は「12月」。そして時間帯を「21:00」にしました。

道路や屋根に雪が積もりましたね。
ホワイトクリスマスみたいでいい感じです!

人の気配を演出するために、家の中にはライトを仕込みました。
建物に近づけば話し声が聞こえてきそうです。

ライト設定

ライブラリ>ライト>omnidirectional light を配置。

窓の縁に陰影が出てリアリティが増しました。近寄ってみるとわかりやすいですね。
細かいところですが、クオリティアップにつながります。

4.街をイルミネーションで飾り付ける

いよいよ大詰めになってきました。イルミネーションで街を彩りましょう。

オーナメントやイルミネーションの素材はMEGASCANSにはありませんでした。
他サイトで探しても良かったのですが、探すよりも作った方が早そうだったので、今回はCinema4Dで自作します。

イルミネーションイメージ

電球をイメージしながら作成したデータ。球体を並べて作りました。

クリスマスの風景写真を参考にしたり、想像を膨らませて、ツリー用と建物用に5種類のイルミネーション素材を作成しました。
これらを電飾を施したい軒先や、もみの木に配置します。

Twinmotionにインポート

Twinmotionにインポートしたのがこちら。

素材のスケールは「なんとなく」で作ってあるため、Twinmotion上で縮尺を変更しながら配置していきます。

飾りつけるオブジェクトのサイズに合わせて、ひっそりした輝きを意識しつつ、地味になりすぎないよう、ツリーや建物一つ一つに電飾の配置の仕方を変える。
この試行錯誤が一番楽しいです。

オーナメントも同様にインポートした3Dモデルを配置し、飾り付けが済んだらついにライトアップです。飾り付けた電飾素材に「ネオンマテリアル」を貼ってライトアップ!

ネオンマテリアル

奥行きを出すために、ネオンマテリアルを5色使っています。

さみしかった街並みが華やかに!電飾一つ一つがキラキラかがやいて、いい雰囲気になりました。
作業を進めるほど街が明るく煌びやかになっていくため、とてもワクワクして手が止まりませんでした……!

これで完成と言いたいところですが、イルミネーションがあまり目立っていません。
美しさをより際立たせるために、建物や道路といった全体の明るさも調整していきましょう。

5.新機能「Skydome」で環境光を調整する

空の光や色味(環境光)をオブジェクトに当てることができるHDRI(High Dynamic Range Images)を使って明暗のバランスを調整します。

Twinmotion 2022.1 Preview 1」でのアップデートにより、「skydome」という機能が追加。HDRIの反映が従来と比べてかんたんにできるようになりました。

これがなにげにすごいので、使い方をくわしく説明させてください……!

(制作の続きを早く見たい方は、この段落の最後まで読み飛ばしてください!)

skydome

メディア>静止画から変更したい静止画に合わせて、「more」を選択

skydome説明

さらに ライト>Skyadomeをonにし、「詳細」へ進むと左側にHDRI画像一覧が表示され、制作中のデータへの反映が可能となります。
※HDRI画像をダウンロードするにはEpic Gamesにサインインする必要があります。

ライト設定

ライト設定2

夜の雰囲気に合わせてHDRIとライトの設定を調整。

めちゃくちゃかんたんに
メリハリのついた趣ある街並みにすることができました。

なにこれすごい……。

ライトやカメラの設定を個別に細かく調整して、同じような雰囲気を出すことはできます。
でもこの方法を使えば、たった数ステップでできちゃうのです。


時短ポイント③:Skydomeをonにして、HDRIを使う。


6.レンダリングとブラッシュアップ

完成までもう少し。小物を追加し、色調を調整しましょう。

色調を調整

静止画>カメラ>視覚効果>色調から色味を調整します。今回タイプを「copper」にしました。

街灯やベンチなどを配置したら、「クリスマスで賑わう街並み」になりました。
人物素材を入れていませんが、街に住む人の生活を感じます。

いよいよレンダリングです。
なお、レンダリングには「Twinmotion 2022.1 Preview 1」から導入された新しい機能「パストレーサー」を使用します。

パストレーサーは、サンプル数や光の反射数などを従来よりも細かく計算します。
つまり、よりリアルで美しいパース画像の生成ができるのです。

エキスポート

エクスポートしたのがこちら。

クリスマス風CGパース完成です!

イメージ通り、イルミネーションがひっそり輝く街並みができました。

雪が降り積もり、街は静まりかえっています。
しかし、やさしく輝くイルミネーションと、家の中の明かりから、人々がクリスマスの夜を楽しんでいるのがわかる……そんな演出ができました。

イルミネーションは気持ちをクリスマス気分にしてくれますね。
こんな街並みなら一晩でもいられそうです。凍えそうですが。

パストレーサーレンダリングのおかげで、全体の明るさが調整され、電飾の光がなじんでいます。建物の陰影もはっきりとしてリアルです。
街の奥に配置したイルミネーションもしっかり光ってくれていますね。

7.最後に

Twinmotion 2022.1 Preview 1の機能を駆使し、イメージ通りのクリスマス風CGパースを作成することができました。

試行錯誤しながらだったので完成まで半日ほどかかりましたが、コツをつかめば2、3時間描けちゃうかもしれません!

今回の時短ポイントは3つ
 ①まずはアングルを決めてから。
 ②見えないところはとことん手抜きに。
 ③Skydomeをonにして、HDRIを使う。

TwinmotionでCGパースを描くときは、この3つを押さえておけば早く・きれいにできちゃいます。

Twinmotionは、Twinmotion 2022.1 Preview 1のアップデートで大幅にグレードアップしています。
今回紹介した「Skydome」「パストレーサーレンダリング」以外にも家具アセットが増えたり、操作性が快適になるよう改善されていたり。

これから使い始めたい人も、以前使っていたけど今は全然使ってない人も、進化したTwinmotionをぜひ試してみて欲しいです!

8.おまけ

Skydomeと視覚効果をいじって遊んでみました。おまけ

綺麗なクリスマス風のパースがかけたので、満足です。
さ、仕事に戻らないと……。

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