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絵本の世界観に自分の部屋を作ってみた

2021.11.18

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▼この記事を書いた人
自己紹介_みかんぶどう

こんにちは。スぺラボ5年目クリエイターのみかんぶどうです。
私には大好きな絵本があります。「アライバル」という絵本です。

Arrival 表紙

全ページ緻密な鉛筆画のみで構成された、文字通りの「絵の本」です。
文字による説明は一切なく、コマ撮りのような細かい描写で無声映画を見ている感覚になります。

この絵本の世界観が大好きで、作者の展覧会を見るためだけに日帰りで福岡から京都に行ったことも……。 

「アライバル」は、さまざまな理由で住む街を追われた人々が新しい土地に順応していく物語です。
主人公のおじさんが最後に「到着」する街は現実世界にありそうでない不思議さを持っています。 
もし私がこんな街に住んでいたらどんな生活をするのでしょう……。 想像が膨らみます。
CGで作ってみようと思います!


目次▼
 1.特徴を考える
 2.部屋の形を作る
 3.特徴に合わせて作りこむ
 4.完成!


 

1.特徴を考える

「アライバル」に登場する建物や部屋の特徴は大きく3点あります。

・部屋の中に配管が剥き出しになっている
・壁に不思議な模様が描かれている
・窓から不思議な景色が見える

特に窓から景色は譲れません。現実で家を選ぶ際にもかなり重視している点です。

どんな部屋になるのでしょうか?楽しみです!

2.部屋の形を作る

まず、ベースとなる部屋を作ります。
せっかくなので現実では珍しい、おもしろい形の部屋にしてみます。

部屋の形

中からと上から見た様子。おぉ…上から見ると凄いことになりました。

建築物は、たとえ模型だろうと複雑な形状をリアルタイムで考えながら作ることはむずかしいですが、3DCGなら考えながら組み立てることができます。模型と違って糊が乾く前に形が崩れてしまうこともありません……!(学生の頃これに苦労しました。一瞬でくっついて欲しい。)

舞台となる空間はできたものの、部屋が大きすぎても小さすぎても困ります。
そこで、スケール確認用に私と同じ身長の人物模型を入れてみましょう。

人物模型

人形に合わせてスケール感を調整し、壁に穴を開け窓を設置します。
壁や天井に合わせ不定多角形の不思議な窓にしてみました。

3.特徴に合わせて作りこむ

配管

部屋の奥に管を配置してみると雰囲気が出てきました。

「アライバル」作中では、新居を探索中の主人公が配管から吹き出した何かに驚いているシーンがあります。
いったい何が出てきたのか気になります。

景色をゆっくり眺めるために窓辺にイスを置くことは欠かせません。

椅子

実家で使っているイスに似たものを選びました。座面が広く、あぐらもかけるので居心地が良くて好きなイスです。2つ並べれば横になることもできます。

主な形状は出来てきたので、各モデルに素材を貼り付け始めます。

簡易

「アライバル」の絵をよく見てみるとこの世界の家の素材はツルツルしているというよりはザラザラしているように見えたので、床・壁・天井は表面が砂っぽくザラザラしたものにしました。

次に外の景色を作ります。
大きな物体が建物の隙間から覗くような景色にします。

景色

歯車、楽器、天球儀、砂時計……。この世界観に合いそうなものを選びました。

天球儀の足元に見える白い点は先ほどの人物模型です。何もかも大きい!

景色02

現実世界にはなかなか無さそうな景色になりました。

室内の壁や窓の周囲をよく見ると、細かい模様が入っているのがわかると思います。
こちらもアライバルに合わせて描いてみました。

模様

模様データはこんな感じ。

左中央の模様が目玉焼きに見えてきました...…。

4.仕上げて完成!

形状の作成と素材の貼り付けが終わったらレンダリングを掛け、作品の雰囲気を意識しながらPhotoshopで補正をして仕上げます。

完成

作中通して使われているセピア色を前面に出した補正です。

完成です!テーブルやクッション、読みかけの本なども置いて生活感を出しました。

大きな窓から景色も見えていいですね!この街が実在するならば、遠方に見える歯車はゆっくり動いているのかな。
この窓辺に座って街に時間が流れるようすをゆっくり眺めていたいです。

頭の中のイメージを形に起こしていくのは思っていた数倍難しく、大変でした。
その代わり完成した時の喜びは大きかったです!

end

それでは、また!

 

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