建築CGパースは戸建てや商業施設、ビルを表現?土木パースとの違いとは? | 広告用3DCG制作・建築CGパース・BIM・AI活用ならスペースラボ

建築CGパースは戸建てや商業施設、ビルを表現?土木パースとの違いとは?

2024.03.27

建築と土木の違いとは

工事には建築と土木の2種類があります。一般的には、家屋やビルを建てるのが建築工事、道路を作るのが土木工事と認識している人が多いのではないでしょうか。

建築工事とは建築物を建てる工事であり、建築基準法で定義されています。対して土木工事は、建設する施設の種類や場所によって適用する法律や監督官庁が異なります。

学術研究においても建築工学・土木工学という研究分野が確立していて、建築学会・土木学会という学術団体があります。

建築とは?

建築基準法によると、建築とは「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されています。建築物は、屋根と柱あるいは壁があり、人が利用するために一定の基準を満たしたものを指します。

建築物には建屋本体だけでなく、門扉、塀などの付帯設備も含まれます。住宅はもちろんですが、学校や公共施設、工場さらには汚物処理場なども建築物に含まれます。一方、鉄道の跨線橋やプラットフォームの上屋などは建築物に含まれません。

 

土木とは?

建築物以外の人が利用するために作る工作物、または構造物の建設が土木工事です。具体的には、ダムや橋梁、道路や鉄道などの建設が土木工事に該当します。

山林や埋め立て地などを整地して住宅用地を整備する宅地造成は、建築物を建てないので土木工事に分類されます。造成された宅地に住宅を建てるのが建築工事です。

多くの工事でおこなわれる地面に杭を打ち込む基礎工事は、高速道路や橋梁を作る場合は土木工事、マンションやオフィスビルを建てる場合は建築工事に分類されます。土木工事には、ダムの建設のように地域の環境や景観に大きな影響を及ぼすような大規模なものもあります。

 

建築パースの用途と特徴

建築パースは建築物の完成形を立体モデルで表現して、建築物のデザインをわかりやすく伝えるために作成します。

計画段階で作成する建築パースは、建築計画の提案やデザインコンペのためにアピールポイントをわかりやすく表現することが大切です。設計段階では、設計の検証やエンドクライアントの承認を得るために精度の高い建築パースを作成します。

できあがった建築パースは販売促進活動や入居するテナント募集の広告宣伝にも使用します。物件によっては、近隣住民や自治体への説明に建築パースが役立ちます。

建築物は外観と同様に内部の間取りやデザインも重要なため、必要に応じて外観だけでなく内観パースや鳥瞰パースも作成します。

 

土木パースの用途と特徴

土木パースは施設の外観や地域の景観への影響をわかりやすく伝えるために、完成形を立体モデルで表現します。

土木パースは開発計画やデザインコンペの提案に使うだけでなく、設計の検証や工事を行う前に近隣住民へ説明する際にも使用します。

工作物の構造や工法を正確に示すとともに、工事にともなう周辺環境や景観への影響をわかりやすく表現することが大切です。土木工事で作る施設や工作物は規模が大きいため、周囲の地形を合成したパースを作成します。

 

建築パースと土木パースのデザインの違い

建築パースは建築物の完成像を立体モデルで作成し、造形の魅力をわかりやすく表します。見る人にリアリティを与えるために、外壁や窓、玄関などの質感を実物に近づけて表現することも大切です。

街並みとの調和やサイズ感を表現するために、周辺の景色や人物を配置する場合もありますが、建築物の存在感を引き立てることに重点が置かれています。

土木パースは主に大規模な構造物を表現したものですが、地形上の位置や、周囲の景観がどのように変化するかをわかりやすく示すことが重視されます。

 

建築パースは建築物が対象

建築パースを作成する対象は、一般的な戸建て住宅のほか、集合住宅やオフィスビル、商業施設などです。さらに学校や遊戯施設、スポーツスタジアムなども対象になります。

戸建て住宅や集合住宅では建築物のデザインの魅力を強調するとともに、居住するうえでの利便性や安全性に訴求することも重要です。オフィスビルや商業施設の建築パースは、エンドクライアントだけでなく施設の利用者にも建物の魅力をアピールする必要があります。

完成した建築パースは、入居するテナントを募集するための広告宣伝資料としても使用されます。オフィスや店舗が入る施設だけでなく、駐車場やエントランス、進入路や歩道などの付帯設備も詳細に表現すると、顧客が安心して入居しやすくなります。

学校や娯楽施設、スポーツスタジアムなどの建築パースの場合は、構造が複雑でデザインも特徴的なため、施設の魅力を丁寧に表現することが重要です。

外観のデザインだけでなく、内部のレイアウトや設備なども一目でわかるように内観パースや鳥瞰パースも作成します。

特に、娯楽施設のエンドクライアントにとっては内壁や天井、窓などの構内のイメージが重要なため、詳細な内観パースの作成が求められます。

 

土木パースは建築物以外の工作物が対象

建築物以外の工作物を作る工事はすべて土木工事に該当するため、土木パースの対象となる施設はさまざまです。

例えば、鉄道駅の土木パースには線路やプラットフォーム、跨線橋、駅舎などがあります。主要駅では駅舎と商業施設が直結しているため、土木パースと建築パースの両方を合体する必要があります。

立体交差する道路や鉄道の場合は、高架橋の構造や直下の道路との位置関係をわかりやすく表すことが重要です。インターチェンジやパーキングエリアの場合は道路の構造が複雑になるため、さまざまな視点からの土木パースの作成が必要になります。

橋梁工事では橋梁全体のデザインが重要になるとともに、橋梁の構造や工法を示すパースを作成します。 土木パースの役割は各施設の構造を見せるだけでなく、地域の景観や環境への影響を示すことも大切です。近隣の住環境へ与える影響については、日照の変化や夜間照明の影響範囲を示すために光源を適切に設定したパースを作成します。

また、施設にアクセスするための道路や安全柵などの付帯設備を正確に表現したパースも必要です。景観への影響をわかりやすく表現するときは、工事前の現地写真に施設のCG画像を合成したパースを作るとよいでしょう。

 

まとめ

土木工事にはダムや橋梁、鉄道駅などの建設があり、建築工事には商業施設やオフィスビル、戸建て住宅などの建築があります。どちらの工事も計画、計画段階から完成までにさまざまな目的でパースを作成します。

建築物の場合は外観だけでなく、内観パースや鳥瞰パースを作成し、内部の間取りや室内のデザインをわかりやすく表現することが大切です。土木パースは構造を表現するとともに、地域の景観や環境に与える影響を提示することが求められます。

工事をスムーズに進めるためには、エンドクライアントだけでなく周辺住民や自治体への説明が不可欠です。関係者の理解と協力が得られるような魅力的なパースを作成しましょう。


(画像はpixabayより)

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