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設計するなら知っておきたい!2D CADと3D CADの違いは?

2020.12.14

コンピュータで設計作業が行える「CAD」は、2Dと3Dの2種類があります。2D CADはXY軸を用いた2次元の設計図面が作成でき、3D CADは立体モデルを使った3次元設計が行えます。

2種類のCADの特徴を理解して、クオリティの高い設計図を作成しましょう。

CADとは?

CADとは、コンピュータ上で設計作業を行うツールのことです。名前の由来は「Computer-Aided Design」の頭文字をつなげた略称で、「コンピュータ支援設計」という意味の言葉です。

 

CADの歴史

CADの歴史は、1963年に「Sketchpad」と呼ばれる2次元のCADソフトウェアが開発されたことから始まります。Sketchpadはペンを使うだけで画面上に作図ができるうえ、従来の設計ソフトでは必須だったプログラミングを不要にしたことで設計業界に革新をもたらしました。

1971年には自動で製図可能な「ADAM」というソフトが登場し、2D CADは徐々に高度な機能を備えたものへと発展していきます。

1977年には、初の3D CADソフトとなる「CATIA」が開発されました。CADソフトが3次元化されることによって設計図を立体的にとらえられるようになりました。

しかしながら、当時のCADソフトは大型のコンピュータを使用する必要があったため、導入できる企業は限られていました。

1980年代に入るとコンピュータの性能が向上し、メモリの容量が増えただけでなく小型化も実現します。1990年代にはコンピュータが普及して価格が下がったため、CADソフトを導入する企業が増えていきました。

2000年代以降は中小企業においてもCADソフトが普及し、現在では設計作業に欠かせないものとなっています。

 

2D CADとは?

2D CADとは、コンピュータを用いて2次元の設計図を作成するソフトウェアのことです。

2D CADで作成される設計図には、物体を前方から見た正面図、真上から天井部や間取りを見下ろした平面図、真横からとらえた側面図があります。

現在は3D CADの普及が進んでいるため、2次元の設計図は不要と考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、製造現場の環境によってはノートパソコンやタブレットを持ち込めないことがあるため、常に3D CADのデータを確認できるわけではありません。

紙の図面ならどこでも持ち運びができるため、パソコンが使えない現場では2D CADで作成された設計図が役に立ちます。

 

3D CADとは?

3D CADとは、コンピュータの画面内を3次元空間に見立てて立体モデルを構築するソフトウェアのことです。

3D CADは3次元設計が行えるだけでなく、設計段階でミスが発生していないか検証することができます。従来は図面上で検証作業を行っていましたが、設計物の全体像がわかりにくいため、ミスを見つけるのが容易ではありませんでした。

3D CADは設計物の全体像が一目でわかるため、平面図よりも簡単に設計ミスを発見できます。

さらに、3D CADはプレゼンにも活用することができます。3D CADによる設計が普及する前は、構想段階の製品をプレゼンするために図面や模型を用意する必要がありました。しかし、3D CADは完成イメージを視覚化できるため、構想段階の製品であっても全体像をわかりやすく示すことができます。

 

2D CADと3D CADの違いは?

2D CADと3D CADの大きな違いは視点が異なることです。2D CADは設計物の外観を表すのに何枚も図面を使うのに対し、3D CADで作成した立体モデルには一目でわかりやすいという長所があります。

さらに、3D CADは体積や表面積、重量なども計算できるので、設計内容に関する詳しい情報も得られます。

 

2D CADと3D CADのメリット・デメリット

2D CADと3D CADのメリットとデメリットを理解することで、それぞれの強みを生かした設計作業が行えます。

 

2D CADのメリット・デメリット

2D CADのメリットは、単純な形状の制作物であれば設計が容易に行えることです。手書きと同じように直感的な作図ができるほか、図面の再利用も手軽に行えます。

また、製造現場でパソコンやタブレットが使用できない場合は、2D CADで作成した設計図を印刷すれば持ち運ぶのに便利です。3D CADに比べて導入コストを安く抑えられる点もメリットといえるでしょう。

2D CADのデメリットは、複雑な形状の製品を設計するときは多くの図面が必要になる点です。製品の形が複雑になるほど完成像がイメージしにくくなるうえ、作成する図面の数が増えて管理に手間がかかってしまいます。

 

3D CADのメリット・デメリット

3D CADのメリットは、制作物の形状を簡単に確認できることです。また、体積や表面積、質量なども計算できるため、より精密な設計が可能になります。

制作物が立体モデルで表示されるため、設計ミスによって部品同士がぶつかってしまう部品干渉の状態を回避しやすいのもメリットです。

3D CADのデメリットは、データ量が多いためスペックの高いコンピュータを使わなければならない点です。スペックの低いコンピュータで3D CADを使用すると、処理速度が遅くなりスムーズに設計作業を進めることができません。

また、2D CADとは操作方法が異なるため、3D CADに慣れるまでは要領がつかめず手戻りが増えてしまうことがあります。他社と協業する場合は、先方が使用している3D CADのバージョンの確認も必要です。

3D CADのバージョンが異なると、協業相手とやり取りした設計物のデータが正常に作動しないことがあります。

 

まとめ

2D CADは図面の作成に特化しており、3D CADは設計物の検証や完成像の確認に適しています。

完成像が一目でわかる3D CADは便利ですが、製造現場によってはパソコンやタブレットが持ち込めない場合があるため、図面を紙に印刷して持ち運べる2D CADも根強い需要があります。

状況に応じて適切なCADを使用して、わかりやすい設計図の作成に努めましょう。

(画像はpixabayより)

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