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【商業施設からプロダクトまで】CGパースで描けるデザインとは?用途別に異なるCGパースの違い

2024.03.27

CGパースとはどのようなもの?

「CGパース」は「コンピュータ・グラフィック・パースペクティブ」の略であり、コンピュータを使って描いた透視図という意味です。

パースペクティブは一般的に視点あるいは見方と訳されますが、建築用語では中心投影法と呼ばれる遠近感を表現する透視図法のことを指します。さらにこの透視図法で作成された透視図そのものもパースと呼びます。

この投影図法に従って、コンピュータで作成した透視図のことをCGパースと呼んでいます。建築の分野では設計検討の段階で、エンドクライアントなどに建築物の完成した姿を説明するために建築パースが用いられています。

かつてパースは手描きで作成されていましたが、設計がCADに移行するのにともない、建築パースもコンピュータで作成するCGパースが主流になってきました。

実際には3Dモデリングソフトウェアによって建築物などの設計データから3Dモデルを作成します。この3Dモデルを使い視点と光源を設定して、壁面などのレンダリング処理をおこなって完成します。

工業製品では多くの場合設計には3D-CADを使用していて、建築設計にも3D-CADの普及が進んでいます。設計に3D-CADを使用している場合は容易に3Dモデルが作成できるので、CGパースの作成は容易になります。

CGパースで描けるデザインの例

CGパースでは透視図を描く対象物の3Dモデリングができれば、視点と光源を設定することで自由な視点で夜間や昼間などさまざまな時刻の透視図を作成することができます。

戸建て住宅や店舗、マンションや商業施設などの建築物をはじめ、高速道路などの公共施設あるいはさまざまな工業製品についても作成することができます。CGによる作図が普及する以前は、建築でも土木でもあるいは工業製品でも手描きで完成予想図を作成していました。

手描きパースの作成には、専門技術と作画のために多くの時間が必要であり、気軽にさまざまな視点でのパースを作成することはできませんでした。CGによる作図が普及することによって、さまざまな視点や光源によるCGパースを正確かつ容易に作成することが可能になりました。

 

建築CGパース

建築パースは、戸建て住宅や大規模な集合住宅、商業施設など、ほとんどの建築物で計画段階あるいは設計段階で作成されます。その目的はエンドクライアントへのプレゼンや販促ツールとして、あるいはデザインコンペのためや設計検証などさまざまです。

建築図面は平面図や立面図として作成されますが、設計段階では3D-CADシステムを使用するケースが多くなっていて、CGパースの作成を容易におこなうことができます。建築物を対象としたCGパースではその目的や用途によって、次のようにさまざまなパースが作成されます。

 

外観CGパース

建築物の外観を描いたCGパースであり、建築物の完成外観を直感的に把握することができます。建築物の完成形を把握するだけでなく、建築物が景観に与える影響や近隣への日当たりなどの影響をシミュレーションするためにも使用されます。

もちろん集合住宅や建売住宅の販促用、あるいは商業施設のテナント募集のための広告宣伝用としても作成されます。建築物の居住イメージにより近づけるために、門扉や街灯などエクステリアも加えて作成される場合もあります。

 

内観CGパース

内観パースはインテリアパースともいい、建築物の各部屋や内装の様子を表現したCGパースです。建築物内部の様子を直感的に把握することができ、天井や床、壁などの内装の仕上げを検討するためにも使用されます。

魅力的な内装で魅力的なライフスタイルを訴求した、住宅の広告宣伝資料としても活用されます。建築物の内装を検討するだけでなく、カーテンや家具、照明器具などの配置を検討するインテリアデザインを視覚化するためにも活用されます。

 

鳥瞰パース

建築物を上部から俯瞰したような視点で作成するCGパースで、建築物の間取り全体を見通すことができます。建築物全体の間取りを把握するのに適しています。

商店や商業施設、オフィスでは、テーブルや椅子、カウンターなどの配置を検討するのにも適しています。建物の内部を全体に見通すことができるので、人の動線を把握することが容易になります。

 

土木パース

土木パースは橋梁や道路、鉄道駅などの公共工事あるいは住宅地開発などの土木工事の、完成形もしくは工事にともなう周辺施設や周辺工事を描くCGパースです。土木建設工事を受注するためのデザインコンペや、地域行政や地域住民への説明のために活用されます。

土木工事では施設の完成形だけでなく工事中に周辺地域に与える影響をも考慮し、地域の理解を得ることが重要です。地域の景観の変化や施設周辺への影響を検討したり説明したりするためには、状況を直感的に把握できるCGパースの作成が必須です。

工事の計画段階で工事の完成形ばかりでなく、工事中の資材搬入経路や工事車両進入道路などを含めた工事途中のCGパースが求められることもあります。工事前後の景観の変化をわかりやすくするために写真とCGを合成して作成する場合もあります。

規模の大きい住宅地開発では、宅地販売のためにもCGパースが重要な役割を担います。大規模な開発では開発は長期間を要するので、宅地販売の段階で開発完了時の地域の状況をエンドクライアント示して将来像を訴求します。

 

プロダクトパース

プロダクトパースとは、いわゆる工業製品を3Dモデリングして完成形をCGで作成するパースです。椅子や机などの家具や自動車、あるいは家電製品などさまざまな工業製品についてCGパースが作成されます。

完成した製品は実物を写真撮影することも容易ですが、製品完成前にマーケティング活動や宣伝広告をおこなうためにはCGパースが必要です。工業製品は製品毎に購買層は異なりますが、購買層に製品のデザインを直感的に理解し、使用状態や機能を容易に連想するためにCGパースを使用します。

多くの工業製品では設計に3D-CADシステムを使用しているので、3Dモデリングは比較的容易です。

設計の検証やデザイン検討にも立体図を活用し、この場合にはパーツ毎の組み合わせや可動状態を表現することも求められます。製品の広告宣伝用途としては、可動部分の動きや使用状態を表現するアニメーションを作成することもあります。

 

まとめ

CGパースはコンピュータグラフィックスを利用した透視図であり、建築や土木あるいは工業製品など多くの場面で活用されています。CGパースが普及する以前にはこういった透視図は手描きで作成することがほとんどでしたが、CGパースの普及によってより正確な透視図を容易に作成できるようになりました。

建築パースは戸建て住宅や集合住宅、商店やオフィスビルなどほとんどすべての建築物で作成され、デザインコンペやエンドクライアントへのプレゼン、広告宣伝などさまざまな用途で利用されます。

土木パースでは土木工事に必要性と周辺地域の環境や景観への影響を評価することが重要であり、そのためにも活用されます。

多くの工業製品は設計段階から3D-CADシステムを使用しており、設計検証にも立体図が活用されていてプレゼンや広告宣伝用のCGパースの作成は比較的容易です。一方工業製品ではそのデザインや機能を訴求するために製品の動作状態を訴求するようなパースの作成が求められるケースもあります。

いずれのパースでもCGパースでは視点や光源を設定することで、さまざまな視点や照明状態でのパースを容易に作成できます。  

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