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【飲食・レストラン 建築CGパース】おしゃれなバーを制作する過程を見てみませんか?

2024.03.15

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▼この記事を書いた人

自己紹介_けんぞ

 

こんにちは!スぺラボCGディレクター、けんぞです。

建築を志す学生の皆さん、美しいパースを作るコツを知っていますか?
僕はCG制作会社に勤めるまでわかりませんでした。CGパースを作る度に漠然と「何か物足りない」といつも思ってました。

そんな悩みの解決につながった「きれいなパースを作るコツ」を、今回CG制作会社で日々建築パース制作をしている私が、実際の制作の過程をお見せしながらご紹介します。
ヒントは「心がけ」です。

今回はは飲食・レストラン建築CGパースの中からおしゃれなバーのCGパースを制作します。完成品はこちら。

完成バーパース

コンセプトはムーディー・シャビーな空間。落ち着いた雰囲気を表現しました。


▼目次
1:空間の制作
2:椅子やカウンターの設置
3:空間全体の配色
4:椅子やカウンターの配色
5:ライティング
6:レンダリング
7:補正
8:まとめ


1:空間の制作

まずはバーとなる空間、床・壁・天井などの建築の納まりを決めます。
空間が広いと、そのぶん制作の幅が広がるので、奥行や天井はできるだけ広く制作しました。

※今回はすべて自分のさじ加減で作りましたが、通常、業務ではクライアントから預かった設計図を元に寸法や間取りを固めています。

空間

空間の制作

2:イスやカウンターの設置

フロアができたので、今度は什器を設置していきます。家具や装飾物は、作者やクライアントの好みが出るポイントです。
カウンターを中心に、その周りにテーブルセット、奥にはソファテーブルを設置します。

椅子やカウンターの設置

椅子やカウンターの設置

壁面がさみしく感じたので、突き当たりの壁には絵画、右壁面にはグリーンウォールを設置。さらにカウンター上部に吊り戸棚を設置しました。

ちなみに、このレイアウトは某建築業界向け専門雑誌に掲載されているバーやカフェなどを参考に配置しています。全体が見渡せるような空間配置がポイントです。

3:空間全体の配色

インテリアが決まったら、テクスチャを使って空間全体に色を足していきます。
床・壁・天井にはダーク系の色味を選択。彩度低めのカラーは、このあと色付けする家具の存在感を強調します。

空間全体の配色

空間全体の配色

4:イス椅子やカウンターの配色

シャビ―スタイルの特徴は、ダークグレイッシュトーンの配色です。室内全体の色合いを合わせることで部屋に統一感も生まれます。
それを踏まえつつ、手前の家具はオーク系で揃え、奥に配置したソファは、インパクトが強い青いレザー素材を選択。

椅子やカウンターの配色

椅子やカウンターの配色

色を加えたことで画がぐっと引き締まりました。

5:ライティング

シャビー調の空間が映えるように、スポットライトでピンポイントに光を与えます。
空間の陰影感が出るように意識したライティングで、ムーディな雰囲気を演出します。

ライティング

ライティング

ライティングの調節はとても繊細な作業ですが、光の強さで空間の雰囲気は一気に変わります。

6:レンダリング後

データをレンダリングにかけ、待つこと2、3時間。
レンダリングの結果がこちらです。

レンダリング後

高解像度パース(画角サイズ420×230 216pixel)で制作。ポリゴン総数は250万。

レンダリング前は全体的にのっぺりとした印象でしたが、木やレザーなど、モノの質感がはっきり出ました。陰影感も出てきて、よりリアルです。
しかし、空間が全体的に明るく、陰影感が足りない気がします。

7:補正

Photoshopで補正を行い、空間に陰影感やメリハリを出すことで、よりインパクトが強いパースに仕上げます。
使用するのは、画像編集を簡単に行えるイチオシ機能、「Camera Rawフィルター」。
さらにトーンカーブや彩度、コントラストなどを駆使して最終調整をします。

全体的にぼんやりとしていたパースの明暗がくっきりとして、洗練された印象になりました。
補正がちぐはぐにならず、一枚の絵として全体的になじんでいるかどうかが補正時のポイントです。

明るいところは明るく、暗いところは暗くすることでシャープな空間を演出。
手前はコントラストを上げ、遠方のコントラストは下げるといった方法で、遠近感を表現しています。

まとめ

よいパース作品を作るには、アプリケーションスキル、建築の知識、個人のセンスなど、さまざまな要素が必要です。
しかし、そのなかで特に重要な要素は「コンセプトに沿って構築していく」という意識を持つこと、そして「雰囲気を盛り上げる演出」だと感じています。

コツは早い段階でモデリングやライティングを決めておくこと。これを心がけると、まとまりのよい作品ができあがります。
コンセプトがブレると空間の印象もチグハグになります。最初に決めたコンセプトに合った選択や対応を行うことで、調和のとれた美しいパースが生まれるのです。

 

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