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住宅・商業施設の完成イメージをよりリアルに!建築CGパース制作に必要なレンダリングとは?

2024.03.28

レンダリングとはどんなもの?

レンダリングとは、特定のルールで記述されたデータを処理して、コンピュータ上に作成した建築物の立体モデルを画像に変換することです。

画像に変換するだけでなく、表面の質感や模様、設定した光源によってもたらされる陰影をつける処理もおこないます。

立体モデルから画像を作るためには、光源から対象物や視点にいたる光線の軌跡をトレースする膨大な演算処理が必要です。そのため、CPUよりも画像処理専用のGPUの能力が重要になります。

建築パースにおけるレンダリングの役割

建築パースを作成する際は、設計データから3Dモデリングをおこない、コンピュータ上に設計物の立体像を作成します。

モデリングの段階では設計物を組み上げるだけなので、実際の見え方には程遠い状態です。コンピュータ上の立体図形にレンダリング処理をおこなうことによって、実際の建築物の外観や内観に近づけることができます。

 

リアルな質感や空気感を表現する一連の処理

建築物の屋根や壁、窓などを実物の見え方に近づけるためには、部材の質感や、建築場所の環境を再現する処理が必要です。レンダリングでは次のような処理をおこないます。

■マテリアルやテクスチャの設定
最初に立体図形の各部にテクスチャを設定します。壁面であればコンクリートや木材、レンガなどの材料と色を指定することで、実物の質感を表現できます。 塗装であれば塗色と材質を設定し、窓にはガラスの表面処理を施すことで光の透過率や反射率などが変化します。

■光源の設定
対象物を照らす光源を設定します。光源には自然光か照明器具を選択し、位置や角度などを指定します。自然光の場合は設定によって朝や夕方などの時間を表現することが可能です。

■付属的なアイテムの追加
植栽や柵、人物や自動車などの景観を形作るアイテムパーツを追加します。実際の景観に合わせたアイテムを加えることで、パースのリアリティが向上します。店舗や商業施設の場合は、企業ロゴなどのデカルを配置するのもよいでしょう。

■レンダリング処理 処理方法や視点を設定して、レンダリング処理をおこないます。結果を見ながら設定や視点を変え、イメージどおりの画像に仕上がるように調整を繰り返します。

 

ポストプロダクションで画像を自然に仕上げる

レンダリング処理で作成した画像には、細部に違和感を覚えることがよくあります。最終的に自然な画像に仕上げるためには、フォトレタッチソフトウェアを使用した細かな修正が必要です。こうした最終的な修正処理をポストプロダクションと呼びます。

 

レンダリングに使うソフトウェア

設計データから立体モデルを作成するために必要なのが3D CGソフトウェアです。モデリングには、Mayaや3ds Max、Cinema4Dなどの3Dアニメーション統合ツールを使用します。

これらのツールは独自のレンダリングエンジンを搭載していますが、レンダリング処理をおこなうときはサードパーティのレンダリング専用ソフトウェアを使用するのが一般的です。

専用ソフトウェアは画像出力のクオリティが高く、同じレンダリングソフトウェアを使用することで画像の品質が安定します。

ここからは、専用のレンダリングソフトウェアをご紹介します。

 

V-Ray

「V-Ray」は、ブルガリアを本拠とするカオスグループが開発したレンダリング専用ソフトウェアです。Mayaや4D Cinemaなどの主な3D CGソフトウェアに対応しており、それぞれのソフトにプラグインとして組み込んで使用します。

異なる環境で作成された立体モデルであっても、V-Rayを使えば同じ品質の画像を出力することが可能です。

 

LUMION

「LUMION」はオランダに本拠を置くAct-3D社の製品で、建築に特化したレンダリングソフトウェアです。単に3Dモデルのレンダリングをおこなうだけでなく、添景の付加やエフェクトなども包含したオールインワンソフトウェアです。

 

twinmotion

メジャーなゲームエンジンである「Unreal Engine」の開発元である、Epic Gamesが提供するレンダリングソフトウェアが「twinmotion」です。 Unreal Engineをベースとしており、レンダリング結果を確認しながらインタラクティブに静止画やアニメーションを制作することができます。

 

Flamingo

「Flamingo」はMcNeel社が提供するプラグインタイプのレンダリングソフトウェアです。3DモデリングソフトウェアのRhinocerosに対応しており、高品質でフォトリアリスティックなイメージを作成するのに適しています。

 

OctaneRender

「OctaneRender」は米国ロサンゼルスを本拠とするOTOYが提供するGPUレンダリングソフトウェアです。3D CGソフトウェアのCinema4Dに対応しており、Cinema4Dのメニューから起動して使用します。 画像を生成する演算処理が正確で、GPUを使用するため処理速度が速いのが特長です。

 

Corona Renderer

「Corona Renderer」はチェコに本拠を置くChaos Czechが開発したレンダリングソフトウェアで、3ds MaxやCinema4Dに対応しています。

Corona RendererはCPUでレンダリング処理をおこないますが、GPUレンダラーに匹敵する高速処理が可能です。CPUレンダラーの特長である精密な処理をおこなうため、フォトリアリスティックな画像生成に適しています。

 

レンダリングが必要になる場面

建築工事では構想段階からさまざまなタイミングで、完成予想図を提示する必要があります。完成予想図は建築の専門家だけでなく一般の人も見るものなので、建築物の完成イメージを正確に伝えられるように作成することが大切です。 設計者が設計の妥当性や設計内容を確認するときにも建築パースを使用して、問題点や周辺環境との整合性の確認をおこないます。

 

壁や屋根などに使う建材の質感

設計図面では壁や屋根などの素材や仕上げを記号や文字で記入しますが、建築の専門家でなければ完成時の質感や色味をイメージできません。

そこでレンダリング処理をおこなって素材の質感を視覚化すると、施設や建築物の完成イメージを容易に確認できるようになります。

 

ガラスの反射や屈折

レンダリングソフトウェアを使用すると、太陽光の反射や屈折、室内照明の透過などを正確にシミュレーションすることが可能です。

こうしたシミュレーションは、窓ガラスの反射や屈折による周辺地域への影響や隣接する家屋とのトラブルの可能性を見つけるのに役立ちます。

ほかには、夜間に建物の中がどのように見えるかを確認することも可能です。結果を分析して、外から覗けないようにするためにはどのような造作をすべきか検討することができます。

 

朝もやや夕焼けの空気感

建築物や施設の景観は時間によって変わります。太陽の位置によって影の長さや位置も変化します。

レンダリングソフトウェアは光源の位置や角度を自在に設定できるので、朝や夕方の影の状態や、朝もやや夕焼けによる景観の変化をシミュレーションすることができます。

 

まとめ

レンダリングとは、建築物の設計データから完成予想図をCGで作成する処理のことです。

レンダリングソフトウェアを使うと、建築物の素材や色を実物そっくりに表現した画像を作成できます。さらに、時間による景観の変化を反映した映像の作成も可能です。

レンダリングソフトウェアはさまざまな製品が開発されているので、導入を検討する際はそれぞれの特徴や強みをチェックして、イメージどおりの建築パースが作成できる製品を選びましょう。

(画像はPixabayより)

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