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建築CGパースだけじゃない!ビル・マンション・戸建て・商業施設などを可視化する、建築ビジュアライゼーションとは?

2024.03.22

建築ビジュアライゼーションとは

ビジュアライゼーションは「可視化」という意味の言葉です。

さまざまなビジネスシーンでビジュアライゼーションがおこなわれており、抽象的な概念を文字や図形で表すことで各関係者が具体的なイメージを共有できます。

ビジュアライゼーションの具体例として、設計士が建築物の設計をおこなうケースで説明します。設計士の頭の中にあるイメージは設計図面に表現されていますが、専門知識を持たない人には建築物の完成形を想像することが困難です。

各関係者が建築物のイメージを共有するためには、立体的な建築パースの作成が必要になります。できあがった建築パースによって、設計図面からはイメージしにくい建築物の完成形を可視化することができます。

建築パースは古くから手書きで作成していますが、コンピュータの活用が一般化した現在ではCGによる建築パースの作成があたりまえになっています。

さらに最新のコンピュータ技術を適用することで、VRやウォークスルー動画による可視化もできるようになりました。建築パースやVR、ウォークスルー動画などによる建築物の立体表現を建築ビジュアライゼーションと呼びます。

建築ビジュアライゼーションのメリット

建築ビジュアライゼーションによる設計図面の立体化によって、誰でも建築物の完成形を確認することが容易になりました。

図面を読む専門知識が不要なため、エンドクライアントや近隣住民を含む全ての関係者が建築物のイメージを共有できます。建築デザインの提案や、完成前の物件の販促PRには、ビジュアライゼーションによるイメージの共有が役立つでしょう。

建築物の設計段階で図面のみを使った検証をおこなうと、構造上の欠陥が見落とされる可能性があります。立体モデルを用いたビジュアライゼーションによって、構造上の矛盾や工法の問題点が顕在化して設計検証の正確性が向上します。

また、立体モデル上に光源を設定して日照や景観への影響を事前にシミュレーションできるため、建築物によって生じる問題の対策や検討に役立つでしょう。

3DCGを活用すると、実写では不可能な視点からの映像を撮影することができ、施設の魅力をアピールする広告にも活用できます。

 

建築パースはどのように作成するか

本項では、建築パースの作成手順を紹介します。

 

モデリング

設計図面をもとに建築物の形状を3Dソフトで作成します。天井や梁、柱などの形状を立体的に組み合わせ、コンピュータ上に建築物をつくりあげます。

現在は3D CADによる設計が主流で、CADデータを3DCGソフトウェアに読み込ませてモデリングを容易におこなうことができます。

 

テクスチャ作成

モデリングで作成した立体モデルの各部に質感や色を設定します。単に色をつけるだけではなく、各部の材料にあった質感を表現することが大切です。

たとえばガラスであれば、透過率や反射率、透過色、表面仕上げなどを設定します。金属も種類によって色味や反射率などが異なるので、使用する材料にあわせた光学特性を設定します。

テクスチャとは素材の質感と色のことです。全てのパーツにテクスチャを設定し、建築物に光が当たるとどのように見えるかを調整します。

 

カメラアングル設定

コンピュータ上の建築物にカメラを設定して、パースの完成イメージに合った映像が撮影できるようにカメラ位置とアングルを調整します。

デザインコンペやプレゼン、広告宣伝において建築物のデザインを魅力的に伝えるためには、アングル設定が非常に大切です。さらに鳥瞰パースを作成する場合は、モデリングやテクスチャに手を加えることもあります。

 

ライティングとレンダリング

コンピュータ上の建築物に照射する光の角度や強さの設定をおこなう作業を、ライティングと呼びます。光源の色や位置を適切に設定することで、昼間の様子だけでなく夕刻や夜間の映像が撮影できます。

また、光源から照射される光がどのようにカメラに届くかをコンピュータで計算し、画面に表示することをレンダリングと呼びます。理想的な映像を撮影するためには、アングルや光源、レンダリング設定の調整を繰り返すことが必要です。

 

手作業によるレタッチ

レンダリングで出力された画像に画像編集ソフトを使って最終的な仕上げ作業をおこないます。イメージ通りの建築パースに仕上げるためには、色彩や細かなニュアンスの調整が必要です。

風景全体に光彩を加えたり、ガラスの透明感を出したりするといった細かい修正を手作業で加えていきます。

 

建築ビジュアライゼーションの種類

本項では、建築ビジュアライゼーションの種類を解説します。建築物ができあがる前に完成形を描く建築パースは、コンピュータがない手書き設計の時代から作成されていました。

コンピュータの性能向上により、3DCGによる建築パースが一般的になり、さらに新しい技術革新がVRやウォークスルー動画などによる建築ビジュアライゼーションを可能にしました。

 

手書きやCGによる建築パース

建築図面をもとにして、建築物を立体的に表現した図が建築パースです。コンピュータが普及するまでは、設計士あるいは専門の技術者がパースを手書きで作成していました。

その後CADが誕生し、3DCG技術が発展するに従ってコンピュータを使った建築パースの作成が一般的になりました。 CGを使った建築パースのメリットは、CADの正確なシミュレートにより細部まで精密な立体モデルを作成できることです。

一方の手書きパースは、設計士のイメージスケッチをもとに建物の全体像を簡易に表現できるため、CGによる建築パースが普及した現在でも作成されることがあります。

 

臨場感と没入感が魅力のVR

CG技術の革新によって、ゲームで実用化されたVR技術を建築ビジュアライゼーションに活用する動きが盛んになっています。

最近では、ゲームエンジンに搭載されているリアルタイムレンダリング技術を利用して、VRゴーグルに表示する映像を即座に生成することが可能になりました。

VRゴーグルを装着するだけで、目の前に完成後の建築物があるような臨場感と没入感を味わうことができます。

 

特殊な機器が不要な360度動画

ゲームや映画などで使われるCG技術を活用し、建築物の内部や全体像を見わたせる360度映像を作成できます。

360度動画のメリットは、VRゴーグルのような特殊な映像機器を必要としないため、多くの視聴者が同時に映像を見られることです。

 

まとめ

専門知識がない人にとって、設計図面から建築物の完成形をイメージすることは困難です。

建築ビジュアライゼーションは、建築物の完成像を誰の目にもわかりやすく表現することができる技術です。コンピュータによるCG技術が普及した現在では、設計図面をもとに3DCGによる建築パースを容易に作成できるようになりました。

今後はさらにVRやウォークスルー動画、360度動画の普及が進み、広告宣伝や体験型の展示イベントに活用することが期待されています。

(画像はPixabayより)

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