建築分野におけるCGアニメーションとは?建築CGパースとの違いや種類、住宅・不動産などへの用途を徹底解説! | 広告用3DCG制作・建築CGパース・BIM・AI活用ならスペースラボ

建築分野におけるCGアニメーションとは?建築CGパースとの違いや種類、住宅・不動産などへの用途を徹底解説!

2024.03.15

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建築CGとは

「建築CGパース」とは、CG(computer graphics:コンピュータ・グラフィックス)を用いて制作した「建築パース(建築物の完成予定図)」です。CGの使用によって写真のようなリアルさを追求でき、鮮やかな色彩、形や色合いを細かく表現した質の高い画像となります。

なお、パースは「Perspective Drawing(透視図)」の略であり、「建築パース」とは平面的な図面(設計図、間取り図)を元に建築物の完成状態を立体的に表現したもの。立体的可視化により、空間を具体的にイメージでき、建築・施工工程に伴う問題点も把握できます。

これまで、手書きの「建築パース」が主流でしたが、近年は「建築CGパース」が一般的になりました。「建築CGパース」は専用ソフトウェアを用いて制作され、設計・デザインに変更が生じた場合、容易に対応できます。

アングル(視点)の変更、デザイン・インテリアの変更など容易に編集でき、平面的な図面では判断しにくい全体像・完成像、作業動線や部屋と部屋のつながりなどの空間的な確認、詳細なデザイン(ディテール)や空間規模を把握しやすいです。手書きのパースと比べ、より具体的に建築物の完成像、空間イメージ、生活イメージがもてます。

建築CGアニメーションとは

「建築CGアニメーション」とは、専用ソフトウェアを用いて制作された建築CGオブジェクトに対して、動画(アニメーション)を撮影したもの。一方、「建築CGパース」は、専用ソフトウェアによる建築CGオブジェクトに対する静止画像となります。つまり、パースは静止画像、アニメーションは動画です。

「建築CGアニメーション」では、カメラワーク(カメラの動き・動かし方)にて視点・アングルを変え、建物外観・内観をプレゼンテーションします。建築物および建築空間が主役であり、人間・その他物体の動きは多くありません。

また、CGにて制作することで複雑な建築物や地形を再現でき、人間・その他物体によるリアルな演出も可能です。高速処理技術にて作業時間は大幅に削減し、パース制作作業は効率化されます。ストーリー性、サウンド(BGM、効果音)を使用することで、訴求効果はより高まります。

 

建築CGアニメーションの種類

「建築CGアニメーション」は、カメラの動き・動かし方によって大きく3種類、「ウォークスルー」「フライスルー」「フレームレート」に分類されます。

静止画像である「建築パース」と比べ、動画の「建築CGアニメーション」では、空間の連続性を再現でき、建築および建築空間をイメージしやすくなります。

 

【建築CGアニメーションの種類】

■ウォークスルー
建築および建築空間内を歩きながら撮影したような動画
(撮影方法)
・人の目線で撮影される
・動線(空間内を動くときに人が自然に通ると思われる経路)に基づき、カメラを動かす
(特徴)
・空間内の人の動きを把握できる
・ビジュアル的・視覚的に分かりやすい
・ショールーム内を自分で歩き回っているかのような疑似体験ができる
・疑似体験を通じて建物を立体的に認知できる
・建築および建築空間イメージがもちやすい

■フライスルー
建築および建築空間を鳥の目線で眺めたような動画
(撮影方法)
・建築および建築空間を見下ろすアングルで撮影される
・時間の経過に伴いカメラを動かし、アングルを変化させる
(特徴)
・時間の経過に伴って視点が変わる
・建築および建築空間、周囲環境との関係性を表現できる
・見下ろすアングルによって全体像を把握しやすい

■フレームレート
複数画像を連続的に切り替えて制作した動画
(撮影方法)
・単位時間あたりの静止画像数(コマ数)を決めて撮影する
・動画1秒間に複数の静止画像を切り替えて撮影する
(特徴)
・アニメーションのように静止画像の連続的な切り替えによって動きを生む
・単位時間あたりのコマ数が多いほど滑らかで自然な動画になる
・1秒間に切り替える静止画像数によって動きの速度を調整できる
・動画全体のデータ量、使用する静止画像数に応じて制作できる

 

建築におけるアニメーションの用途 - 建築BIMへの活用 -

「建築パース」は、立体的な可視化により、建築および建築空間を具体的にイメージさせることが目的であるため、具体的かつ忠実にイメージを具現化することが求められます。

建築主/クライアント、設計者、施工者の間におけるイメージの共有を助け、建築設計・デザインの検討、プレゼンテーション(顧客に対する設計プレゼンテーション/初期プレゼンテーション)の提案、販促マテリアル(不動産広告の完成予想図など)に使用されます。

また、近年、あらゆる業界・業種におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)、ITの利活用が促進されています。建築分野も例外ではなく、「BIM(Building Information Modeling)」が普及しつつあります。

BIMは、コンピュータの仮想空間上にてバーチャルな建物モデルを制作する設計アプローチです。建物のライフスタイル(竣工から運用を経て解体されるまでの管理)におけるデータを構築管理できるといいます。

初期段階にて、CGアニメーションを用いて建物の建築・施工を仮想的に行うことにより、設計・施工ミス、作業工数の削減につながります。設計変更やパース変更も即座に行うことができます。

そのため、今後日本では建築設計にBIM活用が主流となることが期待されています。

 

内装設計におけるBIM活用の可能性

建築設計のBIM活用が進むと、建築設計をベースとする内装設計においてもBIMデータの活用が求められることが予測されます。

理由としては、建築設計におけるBIMの活用は広範で、設計段階だけでなくビルの管理にも活用されることが期待されており、空調、電気、水道などの設備周りの管理にも活用されると考えると、入れ替わりの激しいテナントの内装設計側においてもデータ提出が要求されることが予測されるからです。

 

内装工事にBIMを導入する効果とメリット

内装工事においては、クライアントから施工現場までデータを一元管理することによって、関係者間での齟齬の発生を竣工まで防ぎ、効率化と施工ミス減に繋げます。
具体的には、例えば次のような課題を解決します。

従事者の多様性への対応

3Dで表現された図面であれば施工現場のどのスタッフでも視覚的に理解することが容易くできるようになり、誤認の軽減に繋がっていきます。現場での施工ミスが減ることにより、作業効率が上がりミスによる工数面や費用面でのコストの削減が見込めます。

設計段階ではシュミレーションが難しいものへの対応

例えばスリットの幅や什器の高さ、レイアウト、目隠しの高さ、看板位置、テーブルの高さなどは図面上では精査がつきにくく、実際の現場で検証しなくてはならないことが多いため、施工したものの再度やり直しが発生することがあります。
BIMの活用により、
クライアントはバーチャル上でリアルに近い検証シュミレーションから意思決定することによって、施工後の調整・手間などを軽減することが可能となります。

積算のDX化

現在、積算する際は図面等を元に、専門セクションがアナログ作業で積算することが多いようです。
BIMの導入により、
設計と同時に使用部材の数などが積算され、専門部署がなくともおおよその積算をすることが可能となります。

 

ビル管理・内装監理にBIMを導入するメリット

ビル管理や内装監理においても、BIMを導入することで既存の問題点を解決できます。

例えば、ビル管理室、内装監理室ではテナントごとに異なる表記方法の図面を元に各テナントの設計管理及び運用を行ってきました。特に設備周りではアナログ作業による管理がされており、電気、配管などを目視によってその都度検証する作業は、手間がかかる上に工数が嵩むことによる確認ミスのリスクも課題となっていました。

BIMを活用することによって設備のデータベースを一元化することができれば、ビル管理側の管理工数と設備の管理が正確になり、運用がスムーズとなって全体工数が減ることが想定できます。

 

まとめ

「建築パース」は、「ビジュアライゼーション(visualization)」です。ビジュアライゼーションとは、直接見ることができない事象・現象、関係性などイメージすることを意味します。ビジュアライゼーションにより、見る側の想像力・イマジネーションは高まり、本来は見えない深い部分まで可視化できるとも。

例えば、住宅の建築主、マンション・アパートの入居予定者、公共施設・商業施設の建設予定地の近隣住民など、建築関連の専門知識をもたない人であっても、「建築パース」を通じて建築物の全体像・完成像、建物外観・内観空間を容易かつ具体的にイメージできるでしょう。
それゆえ、よりリアルで訴求効果の高いパースが求められ、「建築CGパース」「建築CGアニメーション」が重宝されるのです。

また、コンピュータの仮想空間上にてバーチャルな建物モデルを制作する設計アプローチであるBIMは、建物のライフスタイル(竣工から運用を経て解体されるまでの管理)におけるデータを構築管理できます。

初期段階にて、CGアニメーションを用いて建物の建築・施工を仮想的に行うことにより、設計・施工ミス、作業工数の削減につながります。

建築だけでなく内装やビル管理においてもBIMが活用されることが予想され、近い将来、建築設計から管理までのフロー全般においてBIM活用が主流となることが期待されています。

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