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CIMとは?BIMとの違いや活用メリットを紹介!

2021.02.01

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CIMとは?

CIMは「Construction Information Modeling/Management」の略であり、土木業務における情報共有と情報マネジメントによる業務の効率化を目指す管理手法です。

建築業界にはアメリカ発祥のBIM(Building Information Modeling)と呼ばれる類似の管理手法がありますが、CIMは国土交通省が推進する国内向けの取り組みです。 CIMでは建設予定施設の全体像を3Dモデル化して、構造や工程、コストなどの関連情報を一元的に管理します。

BIMとの共通点

CIMは、アメリカの建築業界で始まったBIMを日本国内の土木事業向けにローカライズした取り組みなので、BIMとの共通点がいくつかあります。

 

情報をモデル化する

BIMもCIMも最終的な目的は設計情報のモデル化です。従来の建築工事や土木工事では、設計図をもとに模型やパースを作成して施工計画の検討を進めていました。

BIMやCIMは、設計データをもとにコンピュータ上で建築物や施設の立体モデルを構築します。立体モデルにさまざまな情報を紐付けすることで、施工の際に必要な情報を一体的に管理します。こうした基本的な情報管理の方法については、BIMもCIMも非常に似通っています。

 

発注者と設計者で構造物のイメージを共有

建築工事も土木工事も、設計データを平面図や立面図などの2次元の図面に出力します。設計図面から完成形をイメージすることは、専門知識を持たない人にとっては困難な作業です。

3Dモデリングの技術が確立する以前は、ある程度設計が進んで模型やパースを作成してからでなければ、設計者と工事関係者の意思疎通が困難でした。

BIMやCIMでは設計段階から立体モデルを構築するので、設計者と工事関係者が常にイメージを共有しながら工程を進めることができます。

 

積算処理が容易になる

建築工事や土木工事では、設計から施工までさまざまな積算処理が必要です。設計図面には各部の寸法が入っていますが、面積や体積を算出するために膨大な計算処理をおこないます。

BIMやCIMでは立体モデルで設計情報を一元的に管理しています。計算処理や数量の積算に必要な情報もシステム内に保管しているので、正確で素早い計算が実行できます。

 

BIMとCIMとの相違点

CIMはBIMをもとにした取り組みのため、基本的な考え方は共通しており、ツールや手法も似通った点が多くあります。しかし土木業務ではBIMではカバーできない部分があり、土木業務に適応しているCIMとは相違点があります。

 

CIMは土木分野、BIMは建築分野

BIMは建築業務に適したワークフローであるのに対し、CIMは土木建設業務を対象としていることが基本的な相違です。

建築物は整地された敷地内に、建築基準法に準拠して建設されます。外部環境から受ける影響が小さいため不確定な要素が少なく、施工に必要な情報を適切に管理することで円滑に工事を進められます。

一方、土木工事は自然環境のもとで施工することが多く、地盤や水脈など現地で作業するまでわからない不確定要素が多々あります。

建築工事では関係するのは建築主、設計者、施工事業者などに限定されるので、BIMを使って情報にアクセスする関係者が限定的です。

これに対して土木工事では、設計者や施工事業者のほかに複数の土地所有者が関係者として加わります。

さらに工事の実施には道路や河川を管理する地方自治体や国、近接の工事事業者なども関与します。工事を円滑に進めるためには施工区域や車両の通行ルートなどを調整する必要があるため、CIMによって情報を一元管理することで、関係者間での情報共有が容易になります。

土木工事は地方自治体や政府が発注者となるケースが多く、正確な情報提供が欠かせません。CIMは政府主導で推進しているため、今後の公共工事では3次元モデルによる成果物の提出が必須になることが見込まれます。

 

CIMの導入によるメリット

土木工事は準備段階から関係者間でさまざまな調整作業をおこなうことが多く、複雑な手続きが必要な場合もあります。

施工を開始してから準備不足や設計上のミスが発見されて、工期の遅延や予算オーバーに悩まされることが珍しくありません。CIMの導入により、これらのリスクを軽減することが期待できます。

 

全ての情報を関係者が共有できる

CIMでは工事の初期段階から建設する施設を3Dモデル化して、関連する情報を全て一元管理します。設計の専門知識がなくても、一目見るだけで施設の完成形がわかるのが3Dモデルのメリットです。

規模の大きい土木工事には数多くの事業者が関わりますが、CIMでは工事の設計データをもとに施工手順や関連情報をまとめて管理するので、関係者間での情報共有が容易になります。

全ての関係者が工事の進捗状況や課題を共有することで、必要な準備や対策を遅滞なくおこなうことができます。情報の伝達漏れや解釈の違いをなくすことができるので、誤解による不具合や工期の遅れを防ぐのにも役立つでしょう。

 

設計の見落としを防止できる

設計者は整合性に気を付けながら設計データを作成しますが、部材の干渉のような不具合を見落とすことがあります。

CIMでは立体モデルを確認しながら設計を進められるので、いつでも設計物の検証をおこなうことが可能です。全ての関係者が完成イメージを共有できるので、設計者が気づかない施工面での課題も洗い出すことができます。

 

積算作業などの業務効率化

設計データには、建設する施設の各部の寸法や形状が詳細に記されています。実際の建設にあたっては、構造計算や施工手配のためにさまざまな部分の面積や体積、重量などの計算が必要です。

CIMでは設計データと関連情報が、3Dモデルに組み込まれてコンピュータで一元管理されています。各部分の面積や体積などの計算処理を正確におこなうだけでなく、部材の数量のような積算情報も適切に管理することが可能です。

そのため、計算ミスに起因する部材の不足や無駄の発生を防止することができます。全体の施工手順や工程も一元管理されるので、工程管理の不手際による無駄な待ち時間の発生を抑制する効果も期待できます。

土木工事では設計時や施工時にさまざまな要因で設計変更や工程変更が発生しますが、CIMを導入していれば部分的な変更を全てのデータに反映することが可能です。

変更データを全ての関係者が共有するので、伝達ミスによるトラブルを防止しすることができます。

 

上述してきたように、一元的な情報管理によって工期の遅延や部材の無駄を防ぎ、業務を効率化できるのがCIMの導入メリットです。

 

まとめ

CIMは土木業務の効率化を目指して国土交通省が推進している取り組みです。

建設施設を3Dモデル化し、ICTを全面的に活用して工事に関連する情報を一元的に管理します。CIMを導入すると、3Dモデル化と情報の一元管理によって関係者間で完成イメージを共有しながら業務を推進することが可能になります。

土木工事は建築工事に比べると工事の関係者が幅広く、自然環境の影響を受けて工程や手順に予期しない問題が発生することがよくあります。CIMの取り組みを推進することで全ての関係者が最新の情報を共有し、時間やコストの無駄を最小限に抑えることが期待できるでしょう。

(画像はPixabayより)

 

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