拡張現実「AR」とは?VRとの違いや活用事例をチェック! | 東京都の建築パース CGパース制作会社 スペースラボ
拡張現実「AR」とは?VRとの違いや活用事例をチェック!
2021.06.04
XRとは?
「XR」とは、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの仮想空間技術の総称です。
仮想空間技術を利用すると、現実と仮想空間を融合した映像をスマートフォンやヘッドマウントディスプレイなどのIT機器に映し出すことができます。 XRの1種であるARは、IT機器で撮影した現実の風景に仮想の存在を重ねて表示する技術です。今回のコラムでは、ARとVRの違いや、ARの活用事例を解説します。
ARとは?
ARとは「Augmented Reality(拡張現実)」の略称で、現実の世界に仮想の存在を映し出す技術のことです。
ARの特徴は、土台となる現実の世界に仮想の存在をおまけのように追加できることです。
ARはスマートフォンのカメラを通して見るだけでなく、「ARグラス」を使って、グラス越しに見た風景の中に仮想の存在を表示することができます。
AR技術が身近に使われている実例の一つが、スマートフォンゲームの「ポケモンGO」です。ポケモンGOでは、スマートフォンのカメラで撮影した現実の風景の中にポケモンのキャラクターたちが登場して、バトルやイベントを楽しむことができます。
ARとVRの違いは?
ARとVRの違いは、現実と仮想空間の関係が逆さまになることです。
ARは現実の世界に仮想空間をおまけのように付け加えるのに対し、VRは仮想の世界が主体になります。
VRはコンピュータを使って現実には存在しない仮想空間を創造して、現実のように体感できる技術です。コンピュータ上に作り出した仮想空間をヘッドマウントディスプレイで眺めたり、触覚デバイスを使って3Dモデルを触ったりすることができます。
すでに一部の企業ではVR技術を活用した旅行体験サービスを始めており、新しいビジネスモデルとして普及が進められています。
参加者はヘッドマウントディスプレイを通して国内や海外の観光地の景色を眺望できるので、自宅にいながら旅行しているような気分を味わうことができます。
ARはどのように活用されている?
現実の世界に仮想的な存在が映し出されるARは、その利便性からさまざまな場面で活用されています。本項では、ARが活用されている事例を紹介していきます。
住宅情報誌とAR
不動産業界では、住宅情報誌にAR技術を活用しています。 誌面に表示されている物件の間取りにスマートフォンのARアプリをかざすと、物件内部の様子を画像や動画で表示することができます。
従来の住宅情報誌では物件の中を覗けないため、内部の様子を詳しく知りたいときは実際に内覧を行う必要がありました。しかしAR技術の導入により、不動産情報誌を開くだけで自宅にいながら物件の内覧ができるようになりました。
建築模型をARで設置
建築の分野では、建築模型会社 BENA (ベナ)がAR技術を活用して自社開発したアプリ「建築模型AR」がリリースされています。
建築模型ARは、建築物の模型を設計する際に完成物がどれくらいのサイズになるのか確認することができるアプリです。
まずは建築模型ARの使い方について説明します。最初に、「ビル・集合住宅・戸建て・工場・ジオラマ」の5種類の建物の中から表示したい模型を選択します。
次に建物の高さや横幅、縮尺を入力して「View in AR」のボタンをタップすると、スマートフォンの画面に建物の立体モデルが映し出されます。
現実の風景に重ねて立体モデルを表示するので、縮尺100分の1で設計した高層ビルの模型を人間や室内の家具などと並べて大きさを確認することができます。
設計段階で模型の設置に必要なスペースや天井の高さをチェックできるため、「苦労して制作した模型が大きすぎて展示できない」といったトラブルを防ぐのに役立つアプリです。
建設現場の危機管理にARを活用
建設現場においては安全第一が原則ですが、労働災害を防ぐためにARアプリが活用されています。
「建機AR」は大手ゼネコンの戸田建設が開発したアプリです。このアプリを利用すると、タブレット端末で撮影した建設工事現場に3Dモデルの建設機械が表示されます。
実物と同じサイズの建設機械を仮想空間に設置することで、作業に必要なスペースを確認できるほか、危険な箇所を発見しやすくなります。
建設現場では、作業スペースが限られた状況で大型の建設機械による作業を行うケースがよくあります。
建物が密集していると建設機械の進入路も制限されるため、事故やトラブルを防ぎながら工事を進めるには、綿密な計画と熟練した技術や経験が必要です。
そのような建設現場で建機ARを活用すると、建設機械の進入路や作業スペースを事前に確認できるので、作業中の安全を確保するのに役立ちます。
ARアプリで観光を存分に満喫
株式会社エム・ソフトが開発した「かんぷら」は、観光地の魅力を存分に楽しむことができる観光ARアプリです。
かんぷらをインストールしたスマートフォンを観光地でかざすと、観光スポット情報が表示される「エアタグ」や、GPS機能によって現在地から観光地までのルートを検索する「ルート案内」が利用できます。
さらに、観光地のポスターやパンフレットにスマートフォンをかざすと、周辺の土地に関する情報を収録した動画や画像、3DCG、音声データなどのデジタルコンテンツを利用することが可能です。
ビーコンによる情報配信にも対応しており、ビーコンの範囲内に入ったアプリ利用者にはイベントやセール情報などのプッシュ通知が送信されます。
かんぷらを利用すると、観光地に関係する有益な情報をたくさん収集できるため、初めて訪れた土地でも旅行を十分に満喫することができるでしょう。
まとめ
現実の風景に仮想の存在を表示するAR技術が発展したことで、物理的な制約によって今までは不可能だった商用サービスが実現できるようになりました。
AR技術はゲームに使われるだけでなく、建設現場で作業を行う前のシミュレーションや見知らぬ土地での道案内などのあらゆる場面で活用されています。
ARは今後もさまざまなシーンで活用されることが期待されています。ビジネスの可能性を広げるために、AR技術を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
(画像はPixabayより)
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