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ビジネスにも活用!VRデバイスの選び方

2021.04.15

VRとは

「VR」とは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略であり、「Virtual(バーチャル:実体を伴わない、仮想的、疑似的)」と「Reality(リアリティ:現実)」を組み合わせた造語。

日本語では「仮想現実」「人工現実感」と訳されます。「人間の感覚に対して刺激を与え、人工的に作られた仮想空間を現実世界であるように体感させる技術」と定義されます。

特定非営利活動法人(NPO法人)日本バーチャルリアリティ学会は、「VR」を「表面的(見た目、形)には原物・実物、現実そのものではないが、本質的あるいは機能・効果として原物・実物、現実であるもの」と説明します。

しかしながら、元々は、フランス人芸術家アントナン・アルトー(1896-1948)が造語した芸術用語でした。その後、「バーチャルリアリティの父」と呼ばれるコンピュータ科学者ジャロン・ラニアーが「仮想現実」を意味する言葉として援用したといわれます。

ビジネスの現場におけるVR活用

VRは、人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を刺激して、人工的に作られた仮想空間上の体験を現実世界で実際に経験したことのように感じさせます。感覚刺激によって仮想空間への没入感および臨場感を高め、限りなく現実に近い体験を提供します。

近年、ゲーム、映画、スポーツをはじめとしたエンターテインメント業界から建築業界、不動産業界、ブライダル業界、医療業界に至るまで、多種多様な業界にてVRが活用されています。 例えば、不動産業界では、賃貸・分譲物件の内見・内覧にVRを活用しています。VRの活用により、空間的および時間的な制約が解消され、いつでも・どこでも物件を見ることができるようになりました。

時間や交通費を掛けて現地に行く必要はなく、VRを通じて、自宅に居ながら好きな時間に物件を見ることができます。VR内見・内覧では、一度に複数物件の見学も可能。

あわせて、建築業界では、新築・リフォーム物件における住宅プレゼンにおいて、VRでの体験型を提供しています。現在、住宅プレゼン手法は、3次元CGパース(CGを用いて制作した建築物および建築空間の完成予定図)によるプレゼンが主流ですが、今後、VRに移行していくといわれます。

従来のプレゼンとは異なり、VRでは、存在しない新築・リフォーム物件の全体像・完成像をVR映像として作り出すことで、建築物および建築空間内を自由に動き回りながら見学している疑似体験を提供します。

スマートフォン、パソコンを介して、あたかも自分の足で歩き、実際に自分の目で物件を見ている体感が得られます。

また、ブライダル業界では、結婚式場選び、ウェディングプランの検討などにVR映像を活用しています。VRの活用により、国内・国外の遠隔地にある式場の下見が可能になり、実際に足を運ばなくても式場の雰囲気(時間帯ごとの雰囲気、窓から見える景気など)、細部のデザイン・装飾が確認できます。

このように、ビジネスの現場におけるVR活用のメリットは、なんといっても疑似体験。実際はその空間に居ませんが、あたかもそこに居て体験・経験できます。VR空間では、医療現場における手術シミュレーションなど限りなく現実に近い、効果的かつ実践的な体験ができ、専門知識・ノウハウが共有できます。

 

VRヘッドマウントディスプレイの種類

VRでは、VRヘッドマウントディスプレイが必須です。頭部にVR専用ゴーグルやヘッドセットを装着することで、視野全体に立体映像が広がります。

映像が少し歪んで出力される特殊レンズを介して、左右の目に少し異なるVR映像を見せ、脳が左右の目から得た視覚情報を合成して立体的に認識します。VR映像はゴーグルやヘッドセットの動きに連動するため、高い没入感、臨場感が味わえます。

また、VRヘッドマウントディスプレイの種類は、「一体型(スタンドアロン型)」「PC接続型」「スマートフォン接続型」とあります。


【一体型(スタンドアロン型)】

・単独で動作可能
・価格相場2~6万円程度(自宅用)
・動きのない、映像視聴中心のコンテンツ向き

ゴーグル、ヘッドセット単体で動作するため、PC、ゲーム機、スマートフォンとの接続は必要ありません。接続用ケーブル、外部センサーなど外部機器との接続、セットアップも不要。頭部の動きを検知するセンサーが搭載されているため、スマートフォン接続型より自由度の高いVRコンテンツが楽しめます。

VRに特化したPC接続型と比較すると、環境構築コストは抑えられますが、やや処理能力は劣り、映像の質は少し下がります。それでも、VR空間への没入感・臨場感は十分です。


【PC接続型(据え置き型)】

・PCやゲーム機と接続
・価格相場5~8万円(自宅用)
・VR空間内を動き、より没入感・臨場感の高いコンテンツ向き

PC・ゲーム機と接続して使用するため、外部機器(接続用ケーブル、外部センサー)が必要です。セットアップ・設定の負担は大きく、一体型と比べて環境構築コストは高くなります。一方、PC接続型はVRに特化したデバイスであるため、処理能力に優れ、最も高品質かつ高解像度(高画質)のVR体験を味わえます。

また、PC・ゲーム機側でデバイス操作・制御が可能。トラッキング機能(VRゴーグルの位置を検知するセンサー)が搭載され、頭部の左右上下、傾きを含め、あらゆる向きにおける身体の動きを検知し、VR映像に反映します。直感的な動きが正確に再現され、自由な動きで楽しめます。


【スマートフォン接続型(モバイル型)】

・スマートフォンと接続
・価格相場は低価格帯
・360度動画コンテンツ向き

最も手頃な価格帯が特徴。スマートフォンを紙製(段ボール)あるいはプラスチック製デバイスに横からスライドさせて入れたり、カバーを開けて上から入れたりして使用します。

一体型、PC接続型と比べ、性能面では劣りますが、360度映像の視聴、VRライブ配信などの手軽な動画コンテンツは楽しめます。ただし、本格的なVRコンテンツは体験できません。

 

VRデバイスの選び方

VRヘッドマウントディスプレイを選ぶうえで、視聴・体験できるコンテンツはもちろん、動作環境・環境構築コスト、価格帯、装着性(フィット感、装着方法)、視野角、トラッキング、解像度・画質などの性能・機能も重要な決め手となります。

例えば、「一体型」は動きの少ない映像視聴中心の動画コンテンツ向き。「PC接続型」では動きの多い、より没入感・臨場感の高い体験向き。

また、視野角、トラッキング機能は、VR映像への没入感・臨場感に大きく影響するため、VRヘッドマウントディスプレイを選ぶ際には考慮しましょう。

視野角とは頭や首を動かさずに見える視界の範囲であり、人間の場合、水平約200度、垂直約125度といわれます。人間の視野角に近いほどVR空間への没入感・臨場感は高まります。

一方、トラッキング機能では頭部の位置、あらゆる身体の動きを検知し、VR映像に反映します。これにより、直感的な動きが正確に再現され、自由な動きで楽しめます。

つまり、視野角が広く、高性能なトラッキング機能が搭載されたVRヘッドマウントディスプレイを装着してCGによる仮想現実を見ることにより、360度の3D空間に入り込んで限りなくリアルに近い体験が得られます。

 

まとめ

このように、VRヘッドマウントディスプレイは3種類「一体型」「PC接続型」「スマートフォン接続型」に分類されます。性能・機能、使用用途などニーズに応じて選びましょう。

また、ビジネスにVRを活用することで空間的および時間的な制約が解消され、作業・業務時間の短縮、コスト削減など働き方改革、業務効率および生産性の向上が実現されます。さらに、商品・サービスにおける機会損失を減らせ、効果的なマーケティングツールとなるでしょう。

(画像はPixabayより)

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