同じように見える「スマートグラス」と「AR/MRグラス」その違いは? | 広告用3DCG制作・建築CGパース・BIM・AI活用ならスペースラボ

同じように見える「スマートグラス」と「AR/MRグラス」その違いは?

2021.03.23

見た目は同じだが機能は異なる

最近では「スマートグラス」「AR/MRグラス」を利用する機会や耳にすることが増えてきています。両者はいずれもメガネのような形をしているため、用途は同じように感じられますが、実際にはそれぞれのグラスの機能は異なります。

今回は「スマートグラス」と「AR/MRグラス」の違いを説明したうえで、各グラスの用途や活用方法までをご紹介します。

スマートグラスとは?

スマートグラスとは、メガネのような形をしている端末機器で、メガネのレンズの部分がディスプレイとなっています。

スマートグラスの特徴的な点は、メガネのレンズにあたる部分にさまざまな情報が表示される点です。

スマートグラスは、形のうえではメガネと同じであるものの、機能の面からみると、頭部に装着するディスプレイである「ヘッドマウントディスプレイ」と同様となります。

 

AR/MRグラスとは?

AR/MRグラスとは、ARグラスとMRグラスの総称です。いずれのグラスもスマートグラスと同様にメガネのような形をしており、レンズの部分がディスプレイとなっています。

ARグラス、MRグラスについてくわしく理解するために、ARとMRについて説明します。

 

ARとは?

ARとは「拡張現実」のことです。具体的に説明すると、ディスプレイ越しには現実に存在するものが見えているほかに、仮想的な存在も一緒に映し出されます。

ARについてわかりやすい例をあげると、スマートフォンでプレイできるゲームの「ポケモンGO」があります。ポケモンGOをプレイするためにスマートフォン越しに画面を見ると、実際の風景が映し出されるほかに、仮想的な存在としてポケモンのキャラクターも登場します。

このように、現実と一緒に仮想的な存在が映し出されるのがARの特徴です。

 

MRとは?

MRとは「複合現実」のことです。この場合、複合しているものは、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)となります。

ARの場合、実際の背景に映し出されている仮想的な存在は、あくまでも画面に映っているだけにとどまります。しかし、MRの場合は仮想的な存在を真上から見たり、真横から見たりできるほか、実際に触れてみることも可能となっています。

MRにおいてそれが可能となるのは、カメラとセンサーの機能を活用することによって、仮想的な存在がどの位置にいるのかを割り出せるため、仮想的な存在を立体的に捉えられるからです。 MRの技術を活用することによって、仮想的な存在がまるでリアルに存在しているかのような状態として映し出されます。

 

ARグラスとは?

ARグラスとは、現実の空間を認知する機能を持つ端末機器のことです。ARグラスのディスプレイ越しには、現実に存在する背景が見えますが、そのほかに仮想的な存在も一緒に映し出されます。

なお、ARグラスはあくまでもARとしての機能にとどまるため、仮想的な存在はあくまでもディスプレイ越しに映るだけとなります。 MRグラスのように、後ろに回って後ろ姿を見たり、映し出されている仮想的な存在を操作して動かしたりすることはできません。

 

MRグラスとは?

MRグラスとは、ARグラスと同様に現実の空間を認知できる端末機器ですが、特徴的な点はMRならではの機能を有している点です。

その機能により、画面上に映し出されている仮想的な存在をあらゆる角度から眺められるほか、指で操作して動かすこともできます。

MRグラスで映し出されたものは形がはっきりとしているため、ARグラスで映し出されたものと比べるとよりリアリティが感じられます。

 

スマートグラスとAR/MRグラスの違いは?

スマートグラスとAR/MRグラスについて理解することができたら、両者の違いについてあらためて確認してみましょう。

 

スマートグラス:現実空間に情報を重ねて表示

スマートグラスには、現実の空間が見えるほかに、実際に見えるものに関する情報も一緒に表示されます。

スマートグラスの場合、レンズ越しに見えるのは現実の空間が主体であり、レンズに表示される情報はあくまでも補足的なものとなっています。つまり、スマートグラスはレンズ越しに見えるものに関する情報が必要な場合に利用されます。

 

AR/MRグラス:周辺の環境を認識する機能がある

AR/MRグラスの特徴的な点は、周辺の環境を認識する機能を持っている点です。その機能により、レンズ越しには実際の風景だけではなく、仮想的な存在が映し出されます。

スマートグラスはレンズ越しに情報が表示されるものであるため、現実の空間が主体であったのに対し、AR/MRグラスで主体となるのはグラス越しに見える仮想的な存在です。 言い換えれば、AR/MRグラスの用途は、グラスを通じてARまたはMRを見ることにあります。この点が、スマートグラスとAR/MRグラスとの大きな違いとなります。

 

スマートグラス・AR/MRグラスの用途、活用方法

スマートグラス、AR/MRグラスでできることとはどのようなものなのでしょうか。それぞれのグラスの用途や活用方法について紹介します。

 

スマートグラスの活用事例

建築現場では、離れた場所にいる指示者から指示を受けられる
スマートグラスを利用すると、グラスを通じて見ている画像を他の場所にあるパソコンに転送することができます。

逆に、他の場所にあるパソコンの図面やマニュアルなどの情報をスマートグラスに映し出すことも可能です。 そのため、スマートグラスを活用することによって、単に言葉だけで指示を受けられるだけでなく、レンズ上に表示された図面やマニュアルを確認しながら作業を進められます。

これにより、業務が効率化されるだけでなく、作業の正確性も実現します。

スマートグラスをカーナビの代わりに利用
スマートグラスの活用事例として、カーナビの代わりとして利用する方法があります。

車を運転するときにスマートグラスを着用すると、グラス越しに交差点までの距離や次の交差点で曲がる方向が矢印で示されます。

通常、カーナビを利用する場合は、車内に設置されているカーナビを見て確認する必要がありますが、スマートグラスをカーナビとして利用できれば、目の前に行き先の矢印が直接表示されます。

そのため、カーナビを利用しつつ、常に前を向いたまま車を運転することが可能となります。

 

AR/MRグラス

作業現場の危険箇所をARグラスが通知
ARグラスは、作業現場での事故を防ぐための手段として活用されています。

ARグラスを着用して作業現場の中を歩いているとき、危険な箇所があると通知するほか、ARグラスのディスプレイにはどのような部分が危険なのかが表示されます。

例えば、通路に見えにくい段差がある場合、ARグラスを着用してその場所まで歩いていくと、ARグラスのディスプレイには段差の部分に赤い線が表示されるほか、「危険!ここに段差があります」と文字でも注意をうながします。 ARの技術を活用することで、危険な箇所を文字で示すだけでなく、危険な箇所を色で強調してわかりやすく表示できます。

 

車の点検・整備をMRグラスで
MRグラスを利用することで、車の点検・整備が円滑に行われます。 具体的には、MRグラスを見ているだけで作業手順がデジタルで表示される仕組みとなっています。グラス越しには、どの部品を動かせば良いかが表示されるほか、作業を進める方法についてもくわしく表示されます。

MRの特徴は、画面上に表示されている仮想的な存在をあらゆる角度から眺められる点です。

その特徴を活かすことにより、作業方法が分かりにくい場合であっても、MRによって表示された作業の方法をあらゆる角度から確認できるため、作業を正確に行えるようになります。

 

まとめ

スマートグラスはディスプレイの部分に情報が表示される点が特徴です。

AR/MRグラスは、ヘッドマウントディスプレイの代わりにグラスを利用してARやMRを見ることが目的となっています。

それぞれのグラスの特徴を知ると、スマートグラスとAR/MRグラスの用途は異なることが理解できるのではないでしょうか。

スマートグラスやAR/MRグラスは利用されるようになってからの年数が浅いこともあり、今後はさらに進化したグラスの登場と一般的な利用の拡大も期待されます。

スマートグラスやAR/MRグラスの今後に期待しましょう。

(画像はUnsplashより)

 

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