【セミナーアーカイブ】第9回 最新AI活用の法務と実務 今押さえたい「一歩先」のAI導入・運用支援
【セミナーアーカイブ】第9回 最新AI活用の法務と実務 今押さえたい「一歩先」のAI導入・運用支援
2026.09.15
第1部では竹下弁護士がSoraのサービス終了を切り口に著作権の論点を振り返り、日本・EU・中国・米国・韓国のAI関連法の違いを解説します。第2部では柴原が画像生成AIの「生成から編集へ」という変化、Gemini(Nano Banana)の強さ、仕組みの基礎、企業の活用事例、ロバートAIのデモを紹介します。
登壇者
コーリング法律事務所 代表弁護士 竹下千尋
第1部「最新のAIと法律に関するニュース解説」を担当。企業法務に詳しく、特にAIに関する法整備や社内の規程整備など、ビジネスに関わる法律を専門としています。
スペースラボ株式会社 代表取締役 柴原誉幸
第2部の講演を担当。建築CGパース制作を中心に、広告CG、VR・メタバース、画像生成AIの導入支援まで手がけています。
この回の要点
- Sora終了の背景には収益性の問題があり、学習と生成物の著作権リスクも噂されていた
- 日本のAI法は努力義務のみで罰則がなく、産業育成を優先する政府の姿勢が表れている
- EUと中国は規制が厳しく、カリフォルニア州と韓国は中間。海外展開時は事前調査が必須
- 画像生成AIは実験段階を終え、編集機能と一貫性の向上で実務レベルに到達した
- 現在の画像生成はGemini(Nano Banana Pro)が一強で、日本語表示と編集に強い
- プロンプトは会話のように、部下に教えるつもりで具体的に指示すると精度が上がる
- 企業では撮影削減・量産・ABテストが勝ちパターンとなり、制作コスト70%削減の例もある
アーカイブ動画
目次
※各見出しの時間をクリックすると、YouTubeの該当箇所から再生できます。
講演の全文(文字起こし)
※本記事はセミナー当日の音声をもとに作成した文字起こしです。読みやすさのため、言い回しを一部整えています。ツール名・料金・法制度の内容は開催当時のものです。
はじめに 0:00
本日もオンラインセミナー「ゼロから始める画像生成AI入門」を開催したいと思います。今回のテーマは「最新AIを活用した法務と実務 一歩先のAI導入・運営支援」です。
本日のカリキュラムは、17時から17時半まで第一部として、最新AIと法律に関するニュースをコーリング法律事務所の竹下弁護士からお話しいただきます。5分休憩の後、17時35分から18時半まで、画像生成の基礎知識と、ここ2ヶ月の最新トレンドについて私からお話しさせていただきます。
私はスペースラボ株式会社の代表の柴原と申します。もう9回目になるこのセミナーですが、本日もよろしくお願いいたします。
第1部:最新のAIと法律に関するニュース解説 1:30
自己紹介と今回のテーマ 1:30
(竹下弁護士)先ほどご紹介にあずかりました弁護士の竹下と申します。弁護士10年目で、一貫して企業法務に携わってきております。以前は、AIにとても注力している中国企業の日本法人に在籍していた経験があります。そこでも、今回お話しするAIに関するさまざまな製品や法律が出てくるのを扱っておりました。独立して4年ほどになりますが、その後もずっと企業法務をさせていただいております。
(竹下弁護士)特に最近は、AIを使ったビジネスをされている企業さんや、AIを自社サービスに組み込んでいる事業者さんとの相談も増えてきています。その関係でお付き合いさせていただいているスペースラボの皆さんからご依頼を受けて、このセミナーをさせていただいております。
(竹下弁護士)今年3回目になりますが、前回、前々回はどちらかというと著作権法や生成AIに関する規制の話をしてきました。例えば、学習の場面で著作権法との関係でどういった規制があるのか、日本だけでなくアメリカやドイツでどういう規制がなされているのか。また生成物について、そもそも著作権の対象になるのか、他の著作権者の権利を侵害するような場合のサービスプロバイダーの責任などについてお話をしてきました。
(竹下弁護士)今日は著作権法の問題ばかり扱っていてもあれだと思ったので、まずSoraのサービス終了に関するところを振り返りとして少しお話しします。これも著作権との関係になってしまいますが。もう1つは、今、各国でAI関連法が制定されていて、日本でも制定されているんですね。あまり注目されていないというか、皆さん気にしていないんじゃないかと思いますが、各国がどういう状況にあって、我々が今後どういうことに気をつけなければいけないのか、先を見据えてどういう対応を取るとよいのかを考えてみたいと思っています。
Soraのサービス終了とその背景 4:15
(竹下弁護士)ここ2日ぐらいで、ネットニュースやテレビのニュースにも出ているかもしれませんが、OpenAIがSoraのサービスを終了することを正式に発表しました。終了の理由として発表の中にあったのは収益性の問題で、コーディングツールや企業向けのマネタイズしやすい分野に集中しますという、選択と集中の問題であると一部で言われています。年内の上場を大きく考えていて、そのための戦略的な対応ではないかと言われています。
(竹下弁護士)一方で、皆さんもニュースで見られているかと思いますが、去年12月にディズニーとの提携を発表したばかりだったんですね。ニュースではこの提携は立ち消えになったと聞いています。数百億程度の出資がなされるのではないかという噂だったのが、一回これはなしになったという話です。
(竹下弁護士)先ほどネットニュースでも見ていただきましたが、「じゃあ私が」という形で、イーロン・マスクさんが自社の動画生成AIサービスに注力しようかという話も出ていました。当然ながら1つのサービスがこういう風に終わると、Soraが持っていた利権を他のサービスがどう取っていくかという話になってくると思います。
(竹下弁護士)ただ、分かったことの1つは、やはりビジネス向けにマネタイズしにくかったのかなということです。サブスクで提供する中でも、もっと事業の中に組み込みやすいものの方がマネタイズしやすい。Soraのアプリは私のスマホの中にも入っていますが、一般の人からすると、お金を落とすようなサービスとはなかなか言えなかったのかと思います。今後もAIのアプリやサービスは、ビジネスに関連するマネタイズしやすい分野がどんどん発展していくのではないかという気がします。
(竹下弁護士)一方で、これが終了の原因になったかどうかはあまり書かれていませんし、邪推してもしょうがないのですが、著作権との関係で一部噂されていたり、今後訴訟が提起されるのではないかと言われていたりもしました。1つは学習の場面で、著作権者の利益を害することになっているのではないかという問題。もう1つは、生成されたアウトプットが特定のキャラクターに酷似している場合のサービス事業者の責任です。この2点が噂されていました。この点は、前回、前々回の資料を使って簡単に説明だけしようと思います。
学習の場面での著作権の問題 7:11
(竹下弁護士)まず学習の場面です。前回お話しした内容の繰り返しになりますが、AIに学習用のデータとして著作物を食わせる、つまり学習させる行為は、基本的には形式的には複製権侵害が生じています。複製権侵害というのは、著作物を有形的に再生することです。再生というのは紙だけではなく、デジタルデータとして物に固定することも含まれると言われています。
(竹下弁護士)普通は学習されたものは、確率としては残ったとしてもデータとしては残らないと言われていますが、一時キャッシュとして残るだけでも、形式的には著作権の複製権侵害を構成するんですね。ただ日本の著作権法は、それを複製権侵害には当たらないようにしましょうと判断しました。
(竹下弁護士)なぜかというと、日本が今後AIのビジネスや産業を育てていかなければいけない中で、こういった学習ができなくなると、インターネット上に落ちているデータをクローリングできなくなり、産業が育たなくなってしまうのではないかと懸念したためです。著作権者の権利を害するようなものでなければ、学習は自由にしましょうという条文にしました。これがいわゆる著作権法30条の4というところですね。基本的には利用することができますよ、ただし著作権者の利益を不当に害する場合はダメですよという条文になっています。
(竹下弁護士)なので基本的には、著作権者の利益を不当に害することになる場合以外は、学習はしていいはずなんですね。ただ、例えば有料で配布されているコンテンツや、一般の人には見られないようにブロックされているコンテンツ、会員にならないと見えないコンテンツ。そういったものをクローリングしてデータとして食わせた後で、アウトプットとしてそれが出てきたとすると、課金しなくてもその情報に接することができてしまうので、著作権者の利益を不当に害することになるのではないかと言われています。
(竹下弁護士)その場合以外にも、例えばドラゴンボールでもサザエさんでも何でもいいですが、日本で有名なキャラクターを学習した上で、生成AIのサービスを使うと新たなスピンオフのアニメができてしまうとか、本編とは関係ないストーリーができてしまう。そうなると、そちらのユーザーが増えて原作を見なくなってしまうことがあり得ると思うんですね。この場合も判断によっては、著作権者の利益を害する場合と判断されることもあると思います。
(竹下弁護士)これはまだ裁判が行われておらず判決もないので、どういった場合がこれに当たるのかは未知なところではあります。そういった関係で今回も、例えばSoraが日本の著名なキャラクターが出てくるような動画を作ってしまったらどうなるのかということが問題にされていました。これが学習の場面での問題ですね。
生成物が既存キャラクターに似ている場合の責任 10:42
(竹下弁護士)もう1つは、アウトプットとして出された生成物が、ある特定のキャラクターやコンテンツにすごく類似している場合、これは誰が責任を持つのかという問題があります。例えば、ユーザーAがサービスBを使ってコンテンツC'を作りました。これがDさんの持っているコンテンツCに非常に類似していました。この場合、著作権者DはユーザーAを訴えることができるのか、それともAIサービスBを訴えることができるのか、という問題があります。
(竹下弁護士)日本の文化庁から出されている見解を簡単にまとめると、決定的ではないですが、原則としては物理的な行為主体であるAI利用者、ユーザーが責任を負いますよと。ただしサービスの開発者や提供事業者が責任を負う場合もあると考えられますよ、としか言っていないんですね。具体的にどういった場合にAI利用者ではなくサービス提供者の方が責任を負うのかについては、まだ言及も判断もされていないと思います。
(竹下弁護士)ただ、一般人として考えれば分かると思いますが、1ユーザーを訴えるより、企業をちゃんと訴えて企業にやめてもらわないと、どんどん同じものが出てくるわけじゃないですか。しかも賠償を得るという側面から見ても、個人を訴えて得られる金額は高が知れていて、一方でちゃんと資本金を持っていて社会的な信用もあるサービス事業者の方がお金は取れるのではないかという考え方もあります。なので弁護士の意見としても、サービス事業者を訴えられたらそれが1番いいですよね、と思うんですよね。
中国の判決とサービス提供者の責任 12:41
(竹下弁護士)Soraもこういった問題を持っていたわけですが、今まで紹介した中で言うと、中国の事例があります。日本ではまだ裁判はありませんが、中国で出された判決が、同じような事案でAIサービスのプロバイダーに損害賠償責任を認めたというケースがありました。
(竹下弁護士)これで注目されたのは、主体としてサービスプロバイダーが責任を負うんですよと言ったことに加えて、具体的にこういう措置を取っていなければいけなかったんです、ということまで言った点です。それは何かというと、キーワードフィルタリングなどの技術的な措置です。この事案はウルトラマンだったのですが、ウルトラマンと実質的に類似する画像を生成できないような措置をしなさい、という言葉で命じました。
(竹下弁護士)これは結構画期的というか、日本の法律家の立場として、今の日本の法律を見ている中でここまで踏み込んだ判決をするのは考えられなかったので、ある意味で驚いた事案でありました。日本で裁判になった場合にどこまで同じような判決が出るかはまだ分かりませんし、今後見ていかなければいけません。ただもしかしたら、原則として利用者だと言っていた文化庁も見解を改めて、サービスの提供者ももっと積極的に責任を負いなさいという風になっていく可能性はあると思います。ここは非常に注目のところですね。
(竹下弁護士)今回はSoraとの関係で問題になっていたところの復習になりますが、画像AIや映像生成に限らず、こういった法律的な側面は今後発展していくと思うので、注力してウォッチして、また新しい情報が出たら皆さんにお伝えできればと思っています。
各国で進むAI関連法の制定 14:47
(竹下弁護士)今の話にもあったように、各国の状況によって、出される判決によって結論が結構違うことがあるんですよね。これは著作権法という切り口から見た場面ですが、それとは違って、各国がAI関連法を制定しています。
(竹下弁護士)どういう流れかというと、そもそもAIを活用したサービスが全世界でどんどん増えてきていて、利用者も増えて、我々の生活にもどんどん食い込んできています。一方で、AIのサービスはどうあるべきなのか、我々の生活とどう共にあるべきなのか、どう利用すべきなのかという規制はまだまだない状況なんですよね。各国が今この規制をこぞって行っていて、その中にその国ごとのAIに関する考え方が見え隠れするので、その違いを交えながらお伝えしていきたいと思っています。
日本のAI法 15:57
(竹下弁護士)まずは日本です。これは内閣府のホームページをキャプチャしたものですが、2025年9月1日に施行されています。このAI法、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」は全面施行になっていますが、皆さん実はあまり知らないんだと思うんですよね。立法されたことも施行されたことも、大体皆さん知らない。
(竹下弁護士)なぜ知らないかというと、あまりにも影響力がなさすぎたんですね。ほとんどの条文が規定の対象にしているのが国または地方公共団体で、民間に関する条文は非常に少なく、かつ書いてあるのはあくまで努力義務で罰則が一切ないという法律なんですね。
(竹下弁護士)ではなぜこんな法律を作ったのかというと、日本としては先ほどの著作権に現れているのと考え方は同じで、日本国内でAI産業が盛んになってほしいというのが政府の期待としてあるんですね。失われた30年という言い方をしたり、海外で物価がどんどん高くなっていて日本は遅れているという話もされますが、日本の力を上げるためには自国のAI産業をもっと発展させなければいけない。そのためには規制をあまり作るべきではないというのが今の日本政府の考え方で、それがこの法律に現れています。
(竹下弁護士)具体的に条文を見る前に、これもホームページからの抜粋ですが、1番見ていただければ分かるのが、日本のAI開発・活用は遅れていると明記してあるんですね。政府もそういう認識を持っていて、海外ではもっと積極的に使われているのに日本だけ遅れているのではないかという感覚がどうもあるようです。私の直感で言うと、結構ケースバイケースかなと思っていて、特にAIを利用したもので言うと自動運転の分野ですね。日本ではまだ実験でずっとやっていますが、アメリカのラスベガスなどでは実際に実用されていて、中国もバンバン走っている状況なので、そういう意味では遅れていると言えるのかなと。
(竹下弁護士)個人事業者やサラリーマンレベルで考えると、そこまで大きな違いがあるのかは微妙なところだと思います。ただ確かに、自国初のサービスとしてAI産業がどれぐらいあるかという意味では非常に少ないなという気もします。なので、あまり規制をせずに、言ってみればほとんど抜け殻のような法律を作って、これからAIをどんどん作っていく土壌を作らなければいけない。もしくはAIを作る土壌ができてきた時に邪魔にならないようにしなければいけない、という意図が見え隠れする条文になっています。
(竹下弁護士)具体的に3つだけご紹介します。毎度法律なので見づらいとは思いますが、大体が第6条の2と書いてあるところのように、「国または地方公共団体は」という条文から始まるんですね。そうではない条文はこれぐらいしかなくて、1番上の第6条を読むと、大学その他の人工知能関連技術の研究開発を行う機関、研究開発機関は、何々をするよう努めるとともに協力するよう努める、と。
(竹下弁護士)「努める」というのは法的な義務はありませんよ、もしこれをしなかったとしても訴えられて罰則等を与えられるものではありませんよ、という条文の意味です。つまり法的な義務がなく、あくまで努力義務にとどまるものですというのがこの条文なんですね。
(竹下弁護士)残りの7条や8条もそうです。7条は、人工知能関連技術を活用した製品・サービスの開発または提供しようとする者、つまり開発だけではなくサービス提供者もこの7条ですよと書いてありますが、新しい産業の創出に努めなさい、国が何かする時には協力しなさいとしか書いていない。国民の責務も8条に書いてありますが、国民は人工知能に関連する理解と関心を深めるとともに、国がやろうとしていることに協力するよう努めなさいと書いてあるだけなんですね。実質的にはほとんど何もする義務もないし、これが施行されたところでニュースにもならないし、あまり誰も気にしていない状況というところです。
EUのAI法 21:02
(竹下弁護士)日本以外はどうかというと、まず1番厳しい地域の1つはEUです。EU Artificial Intelligence Act、EU AI Actというのが2024年8月1日に発効されていて、段階的に施行がされています。2030年ぐらいに全部完成される予定となっています。
(竹下弁護士)これは皆さんあまり気にしていなくて知らない方も多いですが、GDPRと同じぐらいインパクトが実はあって、いわゆる域外適用もされます。EUの地域内でサービス展開をする事業者さん、それを導入している事業者さん、自分たちでゼロから作ったAIサービスを活用するだけではなくて、例えばOpenAIのChatGPTやClaudeなどを組み込んで自社のサービスを展開している人たちに対しても適用がある法律なんですね。なので非常に厳しいものなので覚えておいていただきたいと思います。
(竹下弁護士)まず、AIを使ったサービスを4段階に分けています。1番リスクが高いものはアンアクセプタブルリスク、1番低いものはミニマルリスク、ノーリスクとしていて、このリスクごとに規制が決まっています。
(竹下弁護士)1番分かりやすいのが1番上ですね。右の具体例を見ていただければ分かると思いますが、ソーシャルスコアリングをするような、市民の行動を監視してそれに基づいて評価するようなシステム。リアルタイムの顔認識による監視。あとはユーザーの心理を操作するような高度なもの。これはもう全面的に禁止ですとなっています。
(竹下弁護士)一方でミニマルな、全くリスクがないと言われているのは、いわゆるレコメンドAIやスパムフィルター、一般的な画像補正など、AIは使うけれども影響が非常に少ないもの。これについてはほとんど規制がなされていない、もしくは自主的なガイドラインの遵守で済みますよと決められています。
(竹下弁護士)この間に高リスクとリミテッドリスク、限定リスクというものがあります。例えばチャットボット、ディープフェイクの生成など、ある程度リスクはあるがそこまで高くないものについては、これはAIが作ったものですよという表示をしなさい程度の義務付けが出されています。一方でそれより高いものとして、医療診断、教育、司法といった、インフラの中でもかなり高いニーズだったり、人のライフプランの設計にかなり影響を与えるようなプロダクトについては、もう少し厳しい条件と高額の罰金も設定されているという内容になっています。
(竹下弁護士)こういった形で非常に具体的なAI規制を敷いているのがEUという地域で、これに従った法律が各国で分化してあります。さらにデンマークでは医療関係でもう少し詳しく規制があったり、ドイツでも同様の規制が新たに作られていると聞いています。
(竹下弁護士)なので、そういった地域で生活するだけではなくてビジネスをしようとしている国について。最近私の実感として感じるのが、いろんな国のAIとのコラボレーションもだんだん容易になってきているのと、海外の市場に参入しやすくなっているのも事実だと思うんですよね。そういう際に事前の法律調査は絶対に怠ってはいけないのは当たり前ですが、ネットでの展開になると結構そこがうやむやになっている事業者さんも多いと思うんですよ。スモールスタートで始めて問題があったらやめればいいという、今までのネット事業に近い感覚でやられることが多いです。特にこれからお伝えする中国については規制が非常に厳しいので、ここは注意していただきたいと思います。
中国の規制 25:27
(竹下弁護士)次は中国です。中国については単一の法規制ではなくて、複数の規制群によっていろんな規制が課されています。1番早かった規制が「インターネット情報サービスアルゴリズム推薦管理規定」で、2021年12月に発効されていて、EUより先だったんですね。おそらくAI関連法の中で世界で1番最初に規制を作ったのは中国のこの法律ではないかと思います。
(竹下弁護士)規制群なので規制がバラバラとあって、その中で1個1個決められているのでまとめるのが大変ですが、まとめると最後の3つに書いてあることになるかと思います。まずはアルゴリズムの届け出。こういうサービスでこういうアルゴリズムを組んでいますよという届け出を政府にしなければいけません。あと内容等ですね。これは結構厳しくて、具体的にこういうものについての言及を絶対にしてはいけない、そういうものは禁止ですとなっています。さらに、これはよくある規制ですが、AI生成物であることの表示の義務付けもなされています。
(竹下弁護士)こんな簡単な資料になってしまって申し訳ないのですが、おそらく現時点で非常に厳格な規制をしているのは中国なので、もし中国に事業展開をしようと考える場合には、一般的な事業でも結構リスクはありますが、AI関連法は今1番ホットな分野の1つですし、罰則もあって金額としては高額になる可能性が非常に高いので、事前にきちんと調査することをお勧めしたいと思っています。
(竹下弁護士)注意しなければいけないのは、自分が行く時だけではなくて、コラボしようとしている相手が中国の企業さんだった場合には、こういった規制を受けながら事業展開しているはずなんですね。デューデリジェンスをする際にも、例えば中国のAIサービスさんと組んで日本で事業を展開しようとする場合も、もしかしたら中国の規制に引っかかってそのAIサービス事業者さん自体がダメになってしまう、もしくはサービス事業自体が終了になってしまうリスクもあるので、そこにも気をつけていただきたいと思っています。
アメリカ(カリフォルニア州)と韓国 28:02
(竹下弁護士)次にアメリカですね。アメリカは国単位ではなく、カリフォルニア州です。厳密に言うとカリフォルニア州も一応国の1つで、国が集まった国が合衆国なので、そういう意味ではカリフォルニアも一部の国ではありますが、カリフォルニアも同じような規制を設けています。どちらかというとソフトです。日本が1番緩くて、これに対して中国、EUが非常に厳しい。今回のカリフォルニアと次に紹介する韓国は大体真ん中ぐらいの規制と覚えておいていただければと思います。
(竹下弁護士)カリフォルニアも実はいろんな規制がある中で、このAI安全開示法というのが最近なされています。ただ包括的な法律ではなく、一部の法律になります。規制対象は主にサービス事業者なので他の法律とそれほど変わりませんが、違うところは、全てのサービス事業者ではなくて大規模なサービス事業者に限るんですね。例えばOpenAI、Google、アンソロピック、メタ、NVIDIAだったり。こういったところに対して具体的な規制はありますが、規制の内容も社内ガバナンスの構築や内部告発をする人の保護など、比較的ソフトな内容になっています。罰則もありますが最大100万ドル程度、つまり1.5億円ぐらいなので、そこまで厳しい規制ではないのが現状です。
(竹下弁護士)最後に韓国ですね。韓国も今年1月22日に施行されたAI基本法というのがあります。韓国はサービスの内容に応じていくつか事業者を分類していて、例えば生成AIについてはこれ、というふうな規制があります。内容としては結構ソフトで、透明性の確保、つまりAIを利用していますよという表示だったり、韓国国内に自社の拠点がない場合には国内の代理人を指定しなさいというものだったり。あと、透明性や安全性の確保に失敗して中止命令や是正命令を出されたにもかかわらず履行しなかった場合に、ようやく罰則が出されるという結構ソフトなものになっています。罰則も3000万なので、大体300万ちょっとぐらいで非常に少ない金額でしかありません。
(竹下弁護士)先ほど申し上げた通り、中国やEUが非常に厳しい国だとすると、日本が非常に緩い国で、カリフォルニアや韓国はその真ん中ぐらい、どちらかというと優しい国に近いのかなという気はしますが、そういった状況になっています。
各国の違いと今後の注意点 30:51
(竹下弁護士)見ていただければ分かる通り、かなり国によってAIに関する規制が違うのが現状です。つまり国によって、AIが産業として育っていくことに関してのマインドや意向がかなり違うのが見えると思います。
(竹下弁護士)中国はもうすでに、私が働いていた5年前からかなりAIに関する事業が活発でした。我々が働いていたバイトダンスという非常に大きな会社さんだけでなく、それ以外の中小の企業でもAIを活用したサービスは有象無象にありました。調べれば調べるほど出てくるような状況で、数年前でさえその状況だったので、今は多分もっと爆発的に増えていると思うんですね。そんな状況なので中国政府としても、これは邪推でしかないですが、特に活発に推進しましょうという必要はない。むしろ必要な統制が取れているかという規制の方を強める立場になっているのではないかと思います。
(竹下弁護士)一方で日本は先ほども言った通り、サービスとしてはまだまだ少ない状況です。特に日本という市場は世界からも独立した市場と見なされることが多いので、日本国内のサービスは結構ありますが、海外に進出するサービスはまだまだ少ない状況だと思うんですよね。そんな中で政府としては、どんどん世界に進出するAI事業者を育てたいというのがAI関係の法律に現れてきているのかなと思います。
(竹下弁護士)最後になりますが、皆さんにおかれましては、今後自社で生成AIのサービスを使っていくだけではなくて、事業に組み込んでビジネス化・マネタイズしていく方針に切り替えるところも出てくるのではないかと思います。そのタイミングで、それがどこの国のサービスかというところについては、今言った通り規制との関係で非常に注意していただきたい。一方でこのサービスを国内だけではなく海外に進出していく場面では、その国での規制も確認していただきたいと思います。
(竹下弁護士)今回ご紹介したのはかなり限定的でしたが、例えばベトナムなど、違う国でも規制はどんどん広まっています。まだ施行にはなっていなくても発効が終わっている国も結構あるので、今載せた国と地域だけではなくて、いろんなところも見ていただければと思います。少し時間を超過してしまいましたが、私の方はこれでお終いにしたいと思います。ありがとうございました。
会社説明・新サービスのご紹介 33:37
スペースラボとグループ会社 33:45
第2部、画像生成の基礎知識とここ2ヶ月の最新トレンドの方をやらせていただきます。まずは我々のことをまだ知らないという方もたくさんいらっしゃると思いますので、簡単にプレゼンさせていただきます。
我々は「建築の未来を見せる会社」として、建築をデジタルで再定義するというミッションで活動している会社です。平たく言うと建築とデジタルを掛け合わせたようなことをやっている会社で、今期18期目を迎えます。元は建築パースと言われるものを制作しておりまして、そこからBIM支援や、今回のAIの支援などをやっている事業があります。もう1つは広告用のCG制作で、不動産、ブライダル、プロダクトのカタログ用CGを制作している事業部があります。
グループ会社としては、メタバースやVR、ARといった領域を中心にやっているnewtrace(ニュートレース)という会社があります。また、今はノートポイントという名前に変わりましたが、CGを作るためのハードウェア、B2B向けのパソコンや中古PCのリユース、デジタルサイネージなどをやっている会社があります。さらに昨年、我々と内装設計施工の会社様、AIの開発会社、一級建築士事務所の4社で、建築内装のDX事業をやるための合弁会社としてドットハニカムという会社を作りました。
基本的にスペースラボはこういうビジュアル制作を軸にやらせていただいている会社です。高品質なものや大型の商業施設のパース、別荘やホテルのようなもの、ブライダル用、住宅などをやっています。あとは大阪大学の教授とAIの共同研究をサービス化させていただいたり、AIの導入コンサルやセミナーなどをやらせていただいている事業になります。
新サービス「物件カルテ」 36:32
今回、宣伝を久しぶりにやらせてください。1年間あたためたものが先週やっとリリースしましたので、告知だけさせていただければと思います。「物件カルテ」というサービスになります。建築関係の方でなければ全く興味ないかもしれませんが、建築業界には現場調査というものがありまして、そちらを3Dスキャナーを活用して、行かなくて済む、回数が少なくて済む状態にしましょうというのがコンセプトです。現状を3Dスキャンして図面化し、WebのURLで皆さんに共有して共通の事実を作る、というところが我々の事業体になります。
現場は遠方だとめちゃくちゃ大変で、見落としをしたら何回も行かなければいけないとか、行くために人との調整が必要だったりします。あとは伝言ゲーム化してトラブルが多かったり、現状確認のトラブルとか、現場調査にはたくさんトラブルがありまして、そこら辺を3Dスキャナーで解決しますというところです。ご興味ない方も、こういったものがあるというのを見ていただくと、結構面白いことをやっていると思っていただけるのではないかと思います。
実際どういったものになるかをお見せしますね。これは最近流行っている3DGSという技術になります。スキャナーを使うと、ウェブブラウザ上でこういうふうに見られます。今までは定点で建物の中を見ることはできましたが、そうではなくて自由に動き回って見られるサービスです。そうすることによって「あそこどうだったかな」というような見落としがなくなります。かつ寸法も1cm未満の差で測れるものなので、建築業界だと使いやすいものになっています。こうすることによって現場調査の回数を減らしましょうというのが今回のサービスです。
こんなことをやっておりますので、もしご興味ありましたら、この後でもお声がけいただけるととても助かります。価格も1回の調査で大体5万円からがミニマムになりますので、結構手軽に申し込みできる内容になっております。
第2部:画像生成AIの基礎知識とここ2ヶ月の最新トレンド 40:08
資料作成に使ったツール 40:17
ここから本題に入りたいと思います。今回は2ヶ月空いてしまいました。先月はスライドの作り方というところでやらせていただきました。前回見ていただいた方は分かると思いますが、私はジェンスパークというものを活用しながらこういう資料を作らせていただいていたんですけれども、今回はManus AIとGeminiを使って作らせていただいております。なぜかというと、ジェンスパークが最近流行りすぎたせいか全く遅くなってしまい、資料を作るのに10時間以上かかってもできなかったというのもあって、同時進行でGeminiとManusを使って作らせていただきました。
仕事の前提が変わった 41:09
今回の画像生成AIですが、仕事の前提が変わったというところが1つ目です。もう本当に実験段階は終わって、PoCも終わりました。実務で運用レベルで使えますよというところになります。業務インフラ化も始まって、特別なツールではなくてオフィスソフトのようにあって当たり前の存在になってきたのかなと思います。使う時と使わない時の差が広がるというところで、生成AIの活用層と非活用層のパフォーマンス格差が決定的になってきていますというところです。
AIはツールからエージェントへ 41:56
一般的な全体トレンドです。AIはツールからエージェント化というところで、これは激震が走ったのがこの1、2ヶ月です。何かというと、今までチャットベースで「こういうことをやってくれ」と言っていたものを、入力することであったり、いろんなアプリを連動してAIで作業を行ってもらうことができるようになりました。
実際私も使ってみたんですが、めちゃくちゃ便利です。まだ難しいところはありますが、例えば毎朝メールをチェックしなければいけない、Googleのメールをいちいち開いて定期的に見なければいけないというのを、エージェントを使うと定期的に見てくれて「こんなメールが来てますよ」と教えてくれたり、カレンダーを読み込んで簡単な秘書のようなことをやってくれたりします。色々やれるようになったのが今で、かつアプリの方も作れるようになったというところです。
利用シェアの変化 43:23
利用シェアも実は変わってきております。ChatGPTが結構一強で強かったんですが、この1、2ヶ月で変わってきました。先ほどお話ししたClaudeが、エージェントがものすごくいいということで伸びているのと、Geminiが評判よく伸びてきています。
あと注目なのが、この1、2ヶ月私も見ていなかったところですが、Perplexity、いわゆる検索が得意なAIのシェアがどんどん伸びてきているという情報が入ってきています。何が言えるかというと、検索エンジン、例えばGoogleを使った検索が、今AIで検索してもらう、AIで調べると言った方が正しいでしょうか、そちらがどんどん増えてきているというところです。私も体感として、最近Googleだと上位にAIが答えを出してくるので、それだけを見て完結するようなことが増えてきているので、確かになんとなくそれは分かるなというところです。
ChatGPT・Claude・Geminiの違い 45:01
ちなみに、これは付け足しでやっているんですけど、ChatGPTとClaudeとGeminiの差が最近やっと本当に特徴が出てきたなと思っています。私も今回この資料を作るのにいろんなAIを使うのですが、この例えが1番分かりやすいなと思っています。
ChatGPTは、いい意味でも悪い意味でも「未来から考える」。ないものを考えて、壁打ちや新規事業を作るとか、そういったことはすごく得意です。なので逆に言うと、嘘っぽいことも言ってしまう、調子のいいことを言ってしまうのもChatGPTです。
Claudeは逆にファクトベースで動くんですね。なので未来的なところを言っても「それ何ですか」みたいな感じで、意外と話が進まない。実際に事実あるものを正しく整えていくのが得意なのがClaudeで、プログラミングも得意と言われているのがClaudeになっています。
Geminiは「現実を処理する」というのがまさしくなところで、画像生成もそうですが連動がすごくいい。いわゆるGoogle帝国ですよね。カレンダーからメールから画像生成から、今だと音楽も作れるようになっています。だから何かをチャットでやりながら生み出す、実際に行動に起こしてもらう、作ってもらう、生成してもらうというのはGeminiが強いと言われているので、確かにそうだなというのは体感としてあります。
Claudeの進化とアンソロピックショック 47:07
先ほども話しましたが、Claudeは本当にめちゃくちゃ進化しています。Sonnet 4.6とか、Claude Codeも大型更新で本当にすごくなっております。あとCoworkの強化も、激震が走ることばかりが実はClaudeです。
今回で言うと戦争でも使われたと言われていて、今全力で反対しているそうですが、AIを開発する会社は、ChatGPTもClaudeも思想がやっぱり違うんですよね。Claudeは今後も広告を全くつけないと言っているんですけども、ChatGPTの方ではアルトマン氏が、今度上場するのも含めて広告はつけていくと言っています。広告をつけたサービスでいいことが今まであったのかという批判を受けているところですが、そんなことを言っているようです。
Claudeのインパクトで1番今回全体で言うと、株をやられている方は激震が走っていると思います。要はSaaSサービスというのは色々便利なものがあると思います。セールスフォースさんとか、有名なところで言うと33さんとかですね。仕組みがあってそれを活用していろんな便利なことをやっていたネット上のサービスがあったんですけども、それってそもそもAIに頼めばやってくれるんじゃないの、というのが分かってきてしまったのが今回のClaudeの発表でした。それを見たAIへの関心の高い投資家たちが一気に売りに出たというのが、「アンソロピックショック」と「SaaSの死」と言われている話で、この1、2ヶ月で大きく出ました。実際、株価も年明けから30%から40%ぐらい下がっているというところが出ております。そういう意味では、AIが何でも本当にやってくれる時代が来たのも本当にこのトレンドになってきたかなと思っております。
画像生成は「生成」から「編集」へ 49:47
本題になりますが、画像生成の方でございます。ここ2ヶ月の進化で、画像生成は生成から編集へというところになっております。何かというと、今までの画像生成AIは絵を作ることは簡単でした。何でも作ることは簡単だったんだけれども、やっぱりちょっと惜しいところがあったよねと。これを修正できない限りは実務で使えないよねという課題があったところが、編集機能がめちゃくちゃ上がったというのが、この半年ないし2、3ヶ月です。
特にチャットと画像生成の連動がとても良くなった、相性が良くなったので、曖昧な言葉もチャットのAIの方がすごく理解してくれて、それをちゃんと画像の方に伝えてくれるので正しく伝わるようになった。そうすることによって、ちゃんと正しく直してくれるということが起こったのが最近です。
あとは前まで難しかった一貫性が上がったというところで、同じキャラクター、同じ形状のまま別アングルやシーンが展開できるようになりました。何を言っているかというと、正面の人ができましたという時に「右からのアングルを撮ってください」と言うと違う人が出てきてしまうという話があったんですけれども、そんなことがなくて、右側から撮ったアングルの画像生成も同じ人になる、というイメージです。それができるようになったので、実務に耐える品質になって、本当に画像生成も実務で活用できるレベルになったというのがこの年明けの話でございます。
画像生成AIの勢力図 52:01
ここははっきり言って、今までいろんな資料でこういうモデルがあるとバーっと言っていたんですけども、正直もうGeminiの画像AIが完全に一強になってきております。いわゆる通称Nano Banana(ナノバナナ)と言われているものです。今だとNano Banana Pro 2というところまで出ていますが、日本人にめちゃくちゃいいのが、日本語が強いことです。他のAIだとどうしても文字がバグってしまったりするんですが、Geminiは日本語を出すことがすごくいいです。あと一貫性も強いですし、編集も本当にいいところだらけなのがGeminiです。関係者がいると怒られるかもしれませんが、AdobeのPhotoshopがいらなくなるのではないかと言われているぐらい、Nano Banana Pro 2がすごくなってきたということになっております。
そうすることによって、同じ顔で、モデルで言うと服装とか、モデルさんとかもういらないという言い方があるかもしれないですけど、同じ顔でいろんな量産パターンが作れますよねとか、同じキャラクターでいろんなシーンでの画像生成ができますよねということができます。なので企業カラーとか特定のものを固定して、統一感を持って画像生成ができるようになったので、企業で使えますよと言っているところでございます。この3月の画像生成の勢力図は本当にGemini一強でございます。
ChatGPTは最近まで良かったんですけれども、今日後でもお話ししますが、Soraを今回やめると言っているんですけど、もしかするとGPTの画像の方もやめるのではないかと思うぐらい、何ヶ月かあまり改良されていないと感じます。結構バグが多いので、実際活用が難しいなと思っています。Midjourneyは画質は高いんですけど、UIが悪い、使いにくいというところがあります。FLUXの方もオープンソースでカスタマイズはいいんですけど、Geminiに比べると扱いづらいよね、というところになっております。
プロンプトは会話するように 55:12
これも本当におっしゃる通りでして、前まで私がこのセミナーをやっていると「プロンプトを教えてくれ」という話をよくされていたんですけども、この半年ぐらいよく言っているのがそのままでして、もうチャットベースで、気に食わないところとか、こうしたい、ああしたいというのをやっていけば自然と答えが導かれるようになりました。プロンプトはもうシンプルに、誰かと会話するようにやっていただければと思います。
僕とかは、1回自分が思っていることをバーっと書いて「こんな画像を作って欲しいんだけど」と言うと、違うところは「ここは変えて」「こういう風にしたいんだけどね」と言うと、「こういうことですか」「そうそうそう」みたいなやり取りで絵ができていくような感じになります。ただ時間がかかるのは確かにあって、そこはちょっと難点だなとは思うんですけど、人とやるのと同じ感覚でやれるというのがいいかなと思っています。
画像生成AIの仕組み 56:16
今日改めて、そもそも画像生成AIとは何なのか、どういう仕組みでできているのかということだけは、皆さん頭の片隅に入れておいていただいた方が、プロンプトを作るにあたってもメリットがあるのかなと思って、あえてスライドを入れております。
画像生成AIの画像というのは「整えていく」という、このキーワードがそのままなんですけども、AIは基本的に砂嵐みたいな画像しか見えていないんですね。そこに「こんなんかな、もしかしたらこっちかな」という確率を考えながら、何百回も繰り返してノイズを整えながら絵にしていっているのが画像生成AIというものです。逆を言うと、絵が何なのかは全く分かっていないです。ただただ確率論で整えているだけなんですね。だから「描いていない」というのはまさしくこのところなんですけど。
ビジュアルで言うと、元々は100%ノイズと言われている本当に点々になっているものを、「ここは山かな、山じゃないのかな」というところでイエス・ノークイズをずっとやっているんですね。それを繰り返していってどんどん精度を上げて、オリジナルイメージになっていくというところをやっているのが画像生成AIになります。
曖昧な指示と確率の衝突 58:04
これで何があるかというと、指示が曖昧だとできないというのはそういうことでして、要はノイズになっているところに曖昧な指示を与えたら、曖昧なものに曖昧を当てているだけなので、曖昧な答えしか出てこない、絵ができないよねという当たり前のことを言っているのが1つです。
あと「確率が衝突する」というのは何かというと、判別がつきにくいようなもの、よく似たものがあって判別する時に、このものは51%だとこっちかな、でも49%はこっちかもしれないという、どっちか分からない判別の時に、AIが誤認識をして絵がおかしくなるということがあるんですね。だから判別がつきにくいようなことをするのであれば、プロンプトも含めて明確に「こうして欲しい」というのを言ってあげるとできます。判別が難しいと言われている中に、絵や文字は判別が難しいと言われています。
そういうところもあって、確率を調整できると書いてあるのがここです。猫と犬が混ざるとか、猫と犬の差が微妙に分からないんですよね。ここら辺をちゃんと明文化してあげる、指示を具体化してあげる、会話でちゃんと誘導してあげる、あとは参照画像もちゃんと入れてあげて、本当に何も知らない部下に優しく教えるつもりで、小学生ぐらいの部下に教えているつもりでやると、答えの精度が上がりますよね、ということを言っているのが「確率で調整できる」というところです。
できる限り確率を上げるために具体的なことを言ってあげればいいかなと思います。逆に言うと、僕がよくやるんですけど、プロンプトを入れて「足りないプロンプトある?」という聞き方も僕はするんですね。そうすると「これは何なの?これは何なの?」とプロンプトの方から聞いてくれたりもするので、逆に聞いたり、具体的な指示の何が足りないのかを聞きながらチャットでやっていくと、いいものができていくのではないかと思います。
企業のビジネス活用事例 1:01:10
皆さんからここら辺もよく質問で聞かれるので、お答えしたいと思います。今実際にビジネス活用として、コスト削減、スピード向上、量産が可能になってきたところで、画像の民主化と言うんでしょうか、それがもう本当に叶ってきましたというところで、いろんな企業様が積極的に使っています。
コカ・コーラさんでは全員がクリエイター化して、一般の方が画像生成を使ってやっているそうです。アビールさんでは撮影をやめてやっているそうです。パルコさんでは実在しないモデルと空間をAIで作って、トレンドを入れたファッション広告を短期間でやっているようです。サイバーエージェントさんでは極みのことをやっていて、広告効果を事前予測しながら効果の高いクリエイティブを自動で生成して、当てて運用を回すみたいなことをやっているそうです。
あとは大量に商品画像を生成しています、ABテストを繰り返しています、Amazonショップがプラットフォーム系の画像をAIでいっぱい作って早くやっていますといったところが、「撮るから生成」「作るから量産」というところで、各企業さんがやっています。
実際どれぐらいインパクトがあったかというと、制作コストが70%削減されて、掲載スピードが5倍に上がったそうです。これも僕もよく聞くんですが、ECサイトで商品はできているんだけど、ECの画像のアップに時間がかかってしまって新商品の発表が遅れているとかよく聞くので、そういう意味ではすごくいいんだろうなと思います。ABテストも早く繰り返して反応のいいものにどんどんチェンジできればいいんですけど、デザイナーさんを使ってやると時間がかかったりして、そこがAIでできるようになりましたというところです。実際クリック率が45%上がったとか、テストサイクルも短縮したということが言われています。
企業例で言うと、サイバーエージェントさんのところです。本当に予測をして、効果の高いクリエイティブのみを自動生成して配信して、AIタレントも活用して撮影コストを大幅に削減して、2026年は完全自動生成へ向かってやっているそうです。制作スピードは30倍に上がり、効果は120%上がったということが出ているようです。商品撮影からAI学習して数パターンを生成して、効果測定で選別するみたいな流れをやっていらっしゃるそうです。さすがですよね。
伊藤園さんもAIタレントを早い段階でやっていましたね。結構前にやっていたものです。あとカシオ計算機が、AIと競争する独自デザインというところで一緒にやったりしているようです。あとはグローバル事業で、コカ・コーラがAIのブランド体験をやったりしているそうです。
このセミナーは設計系の方も多いのであれですが、大林組ではボリューム検討なども含めてAIを活用されているそうです。画像生成だけでなく図面の方も今どんどんできるようになっていて、日本のものはまだ流行りきっていないようですが、東南アジアの方では中国製のものがすごくいいらしくて、活用しているという話は聞いております。ついに設計もAIが法律を遵守しながらやってくれる時代になったそうです。設備もいけると言っていたような気がします。そこら辺はまた私も今度調査してみようと思うので、調査が終わりましたらまたセミナーでお話しできたらと思います。
ビジネス活用の共通点、勝ちパターンだけで言うと、撮影を減らしていきましょうというところを話しておりまして、後で量産と検証をしていくというところをやっていくことによって、勝ちパターンを築いているそうです。
Sora終了について 1:06:56
先ほどの話ですが、竹下弁護士に先に言われてしまいましたが、Soraが、ちょうどこの資料を作っている昨日ニュースが出てきまして、サービス終了というところでございます。先生も言っていましたが、結構これは面白いなと思っていて、やっぱり上場するというのがフックだと思います。企業体質によるんだろうなとは思うんですが、Soraはバージョンアップするごとに、どう考えても違法だろうというものが生成でき続けたサービスでもあったんですね。バージョンアップするたびに毎回ジブリができる。ジブリを生成するのは訴訟になっているよと揉めているのに、バージョンアップするとまたできてしまうとか。そういったのもあって、上場する時に違法性の高いものはなかなかできないので、サービス終了したのではないかというところです。
そこがフックになっていて、AIは儲かる方向に進化していっていますよということがあります。なので動画生成AIも、私も結構使ってはいるんですけども、商業のところで向くのか向かないのかとなると、なかなか悩ましいところではあるというのが正直な感想です。そういう意味では、実務で使うのはまだ難しい範囲なんじゃないかというのと、あとは結構お金がかかる。動画生成AIはユーザーの料金も高くなるし、サービスをやっているところも安く提供して赤字でやっていたのではないかという感じがします。
ロバートAIのデモ 1:09:03
ここからは残り15分ですが、新しいサービスというか、組み合わせが良くなったところがあったので、私も試しながらご紹介します。このロバートAIというのは、1、2年前からできているサービスではあるんですけれども、Geminiとめちゃくちゃ相性がいいので、これを使うことで修正が難しかったところがやりやすくなったかなと思っています。画面をお見せしながら、こういう扱いができますよというところを実践的にお見せできればと思って、これを見て最後にしたいと思います。
ロバートAIはデザイン系に特化しているAIサービスです。最初は無料でも使えるので、使われる方は使っていただければと思います。新規プロジェクトを作って、画像をアップロードします。結構便利なのが、この画面の中で色々できて、UIも分かりやすくなっています。解像度を高くしたかったらアップスケール、背景を消したかったら背景削除などができます。
さっきやって面白いなと思ったのがマルチアングルです。この画像をもうちょっと右から見てみたいとなると、シフトを調整してこれぐらいにしてみて、しかも生成もめちゃくちゃ早いんですよね。斜めから見よう、横から見ようというのを作ってくれます。こういったことが簡単にできるんですが、これはUIをよくやっているだけで、中身は多分Geminiを使っているそうです。
さらに、ロバートAIのいいところは、絵の中の部分的に修正していきたいというのがあると思うんですけども、言葉だけだと伝えにくいとか、的が外れてしまうことが多いんですが、それをポイントで指定できるところです。例えば右下の照明器具をこう認識してくれているので、この照明器具を赤色にして、とやります。部分を指定しながら一気にできます。
時間がかかっていますね。画像生成を使われている方はよくご存知かと思うんですけど、夕方はめちゃくちゃ遅いんですね。この時間帯はめちゃめちゃ時間がかかっています。あ、照明器具が黒くなってしまった。実験失敗ですね。ペンダントライトが赤になったから全体が明るくなってしまったんだ。ややこしいですね。これはなくしましょう。あとは瓶のところをりんごにしますとか。
こうやってピンポイントで場所指定できるのがロバートAIのいいところなので、今は失敗してしまいましたが、これをやってもらえると簡単に修正がしやすくなります。例えばここに人を入れたかったら、ここにポチッと押して人を入れるとかもやれるようになるので、無料である程度できるので、活用していただければいいのではないかと思います。さっきはサクサク出ていたのに、最後の最後でちょっとぐずってしまいました。このロバートAIとGeminiは結構おすすめなので、うちがロバートAIからお金をもらっているわけではないですが、活用してみられるのはいいのではないかと思いますので、ぜひご活用ください。
まとめ 1:17:50
最後になりますが、こうやってGeminiで高速生成しながら完成に近づけていけばいいなと思います。仕事の前提が変わったというところで、画像を作るということがすごく大衆化できるようになりました。量産も前提になりました。何百パターンもすぐ作れるようになりました。スピードの差が競争力になる。先ほどのECの話がそうですよね。早く売りたかったけど、そこで止まっていたという事実が実際あるので、そういうことを踏まえてスピードの差が競争力になりますよというところだと思います。
まとめとしては、使う人と使わない人は10倍差がつく世の中になってしまったので、使っていない方はぜひとも今後活用していただければと思います。来月はもしかしたらもっと便利なツールがあったりするかもしれないので、またそこら辺をご紹介できたらと思っております。
以上でございます。少し早くなりましたが、18時25分ですので終わりたいと思います。またこんなちょっと詰まったセミナーでございますが、来月も来ていただければと思います。皆さんありがとうございました。
次回セミナーのご案内
「ゼロから始める画像生成AI入門」は毎月オンラインで開催しています(参加無料)。最新の開催情報は画像生成AI 導入支援のページをご覧ください。
- Octane Render
- Fusion360
- Premiere Pro
- After Effects
- AutoCAD
- Vectorworks
- Jw_cad
- VR・メタバース開発
- 3ds Max
- Maya
- V-Ray
- Illustrator
- Modo
- SketchUp
- Corona Renderer
- ARCHICAD
- VectorWorks Architect
- Rebro
- Rhinoceros
- Shade3D
- Houdini
- ZBrush
- BIM
- Photoshop
- 建築CGパース
- オフィス 建築CGパース
- ビル・マンション 建築CGパース
- ブライダル CGパース
- 住宅・不動産 建築CGパース
- 商業施設 建築CGパース
- 飲食・レストラン 建築CGパース
- 住宅 建築CGパース
- 戸建て 建築CGパース
- Cinema4D
- Revit
- Enscape
- コンセプトアート
- フォトリアルCGパース
- プロダクトCGパース(商品PR紹介)
- カタログCGパース
- Blender
- Unity
- Twinmotion
- Unreal Engine
CONTACT 建築パース CGパース 3Dスキャンなどのお困りごとは
スペースラボにお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォーム