【セミナーアーカイブ】第10回 2026年画像生成AI最新トレンド!法務と実務から学ぶ
【セミナーアーカイブ】第10回 2026年画像生成AI最新トレンド!法務と実務から学ぶ
2026.09.15
第1部では竹下弁護士が、声優・津田健次郎さんのTikTok訴訟、個人情報保護法改正、AI事業者ガイドラインなど直近2ヶ月のAI法務ニュースを解説します。第2部では柴原が2026年春のAI動向、ChatGPT・Gemini・Claudeの使い分け、画像編集のデモ、用途別のおすすめツールを実務目線で紹介します。
登壇者
コーリング法律事務所 代表弁護士 竹下千尋
第1部「最新のAIと法律に関するニュース解説」を担当。企業法務に詳しく、特にAIに関する法整備や社内の規程整備など、ビジネスに関わる法律を専門としています。
スペースラボ株式会社 代表取締役 柴原誉幸
第2部の講演を担当。建築CGパース制作を中心に、広告CG、VR・メタバース、画像生成AIの導入支援まで手がけています。
この回の要点
- 生成AIによる声の無断利用を理由とする日本初の民事訴訟。著作権ではなくパブリシティ権と不正競争防止法が争点
- AI音声サービスを業務利用する際は学習データの許諾を確認し、外注契約には生成AI利用の明示と責任分担を盛り込む
- 個人情報保護法改正で統計・AI学習用途は本人同意が不要に。一方で1000人超規模の不正利用には課徴金制度を導入
- AI事業者ガイドラインは罰則がない指針だが裁判で注意義務の目安になる。ヒューマン・イン・ザ・ループの確保が重要
- 2026年春はChatGPT Image 2.0の登場で日本語文字入り画像が実用化。既存画像の編集もAIで可能になった
- ChatGPTは万能型、Geminiは検索連携の実務型、Claudeは解析に強い。目的設定と最終調整は人間が行う
- 画像生成はGeminiのNano Bananaが一番使いやすい。資料作成はManus、調査はPerplexityとGrokがおすすめ
アーカイブ動画
目次
※各見出しの時間をクリックすると、YouTubeの該当箇所から再生できます。
講演の全文(文字起こし)
※本記事はセミナー当日の音声をもとに作成した文字起こしです。読みやすさのため、言い回しを一部整えています。ツール名・料金・法制度の内容は開催当時のものです。
はじめに 0:00
本日もいつも通り、私スペースラボの柴原と、コーリング法律事務所の竹下弁護士と一緒にお届けします。最初の30分は竹下弁護士から最新のAIと法律のお話をいただき、17時35分に5分休憩をはさみます。17時40分から18時ぐらいまでは、画像生成AIの基礎知識と、ここ2ヶ月ぐらいの最新トレンドをお伝えできればと思っております。
改めまして、スペースラボ株式会社の代表の柴原と申します。会社のご説明は後ほどさせていただきます。
コーリング法律事務所の代表弁護士の竹下弁護士は、少し特殊な経歴をお持ちの弁護士です。裁判というよりは企業のことにとても詳しく、特にAIや法整備、社内の法整備といったビジネスのことに詳しい弁護士です。その観点から、最新の生成AIについての注意事項などをお聞きできればと思っております。それでは本日もよろしくお願いいたします。
第1部:最新のAIと法律に関するニュース解説 1:43
自己紹介と本日のテーマ 1:51
(竹下弁護士)よろしくお願いいたします。皆さんこんばんは。コーリング法律事務所の弁護士の竹下です。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。金曜日のこんな夕方、みんな飲みに行きたい時間帯ですが、30分お話を聞いていただければと思います。
(竹下弁護士)生成AIに関する法律問題の最新ニュースをお話ししております。今回のテーマは大きく、声を生成AIで模倣することの法的な問題、個人情報保護法の改正、AI事業者ガイドラインの最新についてです。いずれも直近2ヶ月ぐらいのお話がほとんどです。これまでも色々アップデートしながら情報共有してきましたが、なかなか面白い情報が入っていると思います。
(竹下弁護士)私自身の紹介ですが、先ほどいただいた通り少し特殊な弁護士でして、独立してから裁判案件は一件もないという不思議な弁護士をしております。中国の検索エンジンのバイドゥの日本法人でインハウスとして弁護士をしてきまして、弁護士の枠から少しはみ出て、管理本部長や経営企画部長をやってきました。
(竹下弁護士)なので、純粋な法律の解釈というよりは、法律を会社の中でどういう風に使っていくのかという、コンサルティングの方の業務が多くなっております。特に最近は新規法務部門の立ち上げやコンプライアンス部門の立ち上げ、それからAIをどうやって社内で使うかというルール化に携わることが多くなってまいりました。
これまでの回の振り返り 3:41
(竹下弁護士)実際の中身に入る前に、前回までこのセミナーの中でざっくりどういうお話をしてきたかを振り返ります。まずは著作権との関係で、生成AIの学習段階にどういう問題があるか。例えば日本の新聞社大手がパープレキシティを訴えた件、アメリカではClaudeの訴訟、ドイツではChatGPTを巡る著作権侵害の判例などについてご説明しました。
(竹下弁護士)第2に生成AIの利用段階の問題、特にそっくりな画像ができてしまった場合のAI企業の責任です。日本では文化庁の見解を見るとユーザーの方が責任を負うケースが多いと思いがちです。しかし世界を見ると、中国では生成AIのサービス企業が責任を負うという判決が出ていたり、アメリカでも裁判が出てきたりしています。誰が責任の主体になるかという論点で非常に面白い内容になっています。
(竹下弁護士)第3に、AI生成物そのものに著作物性があるのか、著作権として認められるかという論点です。これは千葉県警がStable Diffusionで作られた画像を無断複製した男性を逮捕し、書類送検したという案件がありました。
(竹下弁護士)第4に各国の立法動向です。日本のAI法は中身が緩やかなのであまりフィーチャーされることはないですが、25年の9月に全面施行されました。一方でEU AI Act、中国の規制、カリフォルニア州のSB553など、法整備が世界中で広まっています。その中でSoraのサービスが終了したりということについてもご説明しています。過去の回も、興味があれば見ていただければと思います。
(竹下弁護士)今日は何を話すかというと、1番最初に生成AIによる声の模倣です。これに関して日本で1番最初の裁判が提起されています。ご存知の方も多いと思いますが、津田健次郎さん、低い声のすごくいいイケボの方が、TikTokの運営会社に対して動画の削除を求めて東京地裁に提訴したというニュースです。ここ1週間ぐらいで入ってきたニュースですが、これを法律的な観点からどういう話なのか説明しようと思います。
(竹下弁護士)2つ目は個人情報保護法の改正です。これは生成AIの関係でなくても皆さん気になっているところだと思いますが、3年ごとの改正があります。2026年の5月26日に衆議院で改正案が通過しました。その中にAIに関するところ、特に同意が不要でその情報を使っていいですよというものがありますので、そことの関係で情報のアップデートをさせていただければと思います。
(竹下弁護士)3つ目にAI事業者ガイドラインです。これの新しい版ができました。そもそもこれが何なのかを知らない方もいると思いますので、これが何で、どういう風に変わって、どこら辺が大事なのかについてお伝えします。最後に最近の動向として、パープレキシティ訴訟の最新や、EUのAI法の施行がどんどん迫ってきているので、そこら辺についてもさらっと説明して本日は終わろうと思っています。
津田健次郎さんのTikTok訴訟の概要 7:32
(竹下弁護士)最初のトピック、津田健次郎さんのTikTokと提訴の案件です。呪術廻戦の七海とか、ゴールデンカムイの尾形百之助とか、最近は俳優としても活動されていて、皆さんも目にしたことがあるのではないかと思います。私はアニメを結構見るのですが、非常に深みのある声で、ファンも多いですし、私もファンの1人だと思っています。
(竹下弁護士)津田さんが26年5月23日の報道で、東京地裁に訴訟を提起しました。被告は、1つは津田さんの声を真似た模倣音声の動画をTikTokに上げていたアカウントの運営者で、もう1つはTikTokの運営会社です。請求内容は動画の削除と、パブリシティ権侵害による損害賠償請求ということになります。
(竹下弁護士)事案を整理すると、問題になった動画は2024年の7月から去年の9月にかけて投稿されたもので累計188本。内容はオカルト都市伝説系といったジャンルで、津田さんの声質を模した男性の声が使われていました。フォロワーは21万人を超えていて、1本平均で147万回再生。何万回再生というのは結構聞くと思いますが、その中でも147万回の再生は大きな数字だと思います。運営者はこれで月50から75万円の収益を得ていたのではないかと言われています。
(竹下弁護士)これに対して訴えられた側は、友人の声をAIに学習させただけであり、かつそれは一般的な声であって津田さんには似ていないということで、争う姿勢を示しています。
(竹下弁護士)この訴訟は、津田さんというキャラクター自体が目を引くところではありますが、日本の法律的にも非常に重要なポイントがあります。生成AIによる声の無断利用を理由とする民事訴訟は、日本では初めての例と言われています。現在はまだ非公開の争点整理の手続きの段階で、第1回の口頭弁論が夏ぐらいに予定されているという感じになっています。
著作権ではなくパブリシティ権の問題 10:03
(竹下弁護士)もう少し具体的に法律との関係で言うとどうかというと、まず皆さん1番最初に「これは著作権かな」と思うかもしれません。しかし今回、津田さんがアニメや映画などで自分で喋った言葉や歌、セリフを切り取って使っているわけではないので、著作権そのものが問題になるものではありません。声そのものというのは、声色や話し方という人格の発露の問題であって、表現の問題ではありません。なのでいわゆる楽曲のような著作物とは性質が違うわけです。
(竹下弁護士)では、これを法律的にどう扱うかというと、大きく分けて2つあり得ます。まずパブリシティ権の問題です。いわゆるピンク・レディー事件と言われる最高裁の判決で、人の氏名や肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利という風に定義されています。要するに有名人の姿や名前がファンを引きつけて経済的な価値を生み出していて、その経済価値は本人のものなので、本人がコントロールするべきものであり、他人が使って利益を上げていいものではありませんということです。最高裁は、これは人格権に由来する権利、つまりその人自身に由来する権利だと位置づけています。
(竹下弁護士)1個重要なのが、調査官解説と言われるものです。法律的な価値のあるトピックが裁判された時は、調査官の方が解説を書いて世に知らせてくれるのですが、その中で声も肖像等に含まれるということが書かれています。ピンク・レディーの時は、その人たちの容姿が雑誌で使われたことが問題だったのですが、声も入っているとその調査官解説に書いてあるので、パブリシティ権を根拠にしてこういった訴訟を提起するのはある意味順当です。ただし、これが今まで裁判で判断されてきたものではないので、裁判所が正式に何と言うかについて非常に注目を浴びている案件になります。
(竹下弁護士)もちろんこれはまだ訴訟提起された段階で、争点整理の手続きの最中です。裁判になるとすぐに「やったやつが悪いんじゃないか」という感覚に陥りがちですが、実際にどういう事実があったのかという事実認定も含めて、まだまだこれからやられる問題なので、冷静に向き合っていく必要があります。もし仮にこの声が津田さん自身のものではなく、アカウント利用者の友人の声という認定になったら、一気にこの訴訟は終わってしまう可能性もあるわけです。そこら辺の事実認定も含めて、客観的・理論的に第三者の視点からウォッチしていくのがいいかなと思っています。
不正競争防止法と政策の動き 13:33
(竹下弁護士)もう1つは不正競争防止法の問題です。これも経産省の方から一応出ている議論ですが、周知表示混同、つまり業界で広く知られている表示を使って消費者を惑わす行為や、他人の著名な表示を使う行為は禁止されています。声がこの商品等表示として保護できるかというのは、学説上は非常に議論のあるところでした。ただ経産省は一応これを前提として認めてはいるので、これも十分有力な主張にはなってくると思っています。
(竹下弁護士)このように、著作権では戦えないけれども、パブリシティ権や不正競争防止法といった法律を使って、民法の枠組みの中で津田さんの権利を守ろうとしています。今後の訴訟にも影響してくると思いますが、有名人、特に声色に特徴のある有名人の声をどう保護するのかについて、国として、裁判所として、1つの判断がされるいい機会になるのではないかと思っています。
(竹下弁護士)裁判所との関係だけではなく、社会全体や政策としての動きも見ていきたいと思います。まず2025年の3月に経産省から「不正競争防止法によるパブリシティ価値の保護に関する調査報告書」というのが出されています。これはまさに津田さんの訴訟の論点と直結する内容になっています。
(竹下弁護士)また当時の11月に、伊藤さんが、声優さんの声を許諾化してライセンスするという取り組みを始められています。前回か前々回ぐらいのこの会でもお話ししました。これは非常に面白い取り組みですし、逆に言うと訴訟で「自由に使っていいんだ」みたいな判決が出てしまうと、このデータベースの取り組みはあまり意味がなくなってしまう可能性があるので、そこにも社会的な注意が出てくるのかなと思います。
(竹下弁護士)それと今年の4月に、法務省が肖像等の無断利用に関する民事の検討会というのを立ち上げています。まだ第1回が終わった段階なので中身は充実していませんが、今後も当然続いていくので、注目しながら見ていくといいのかなと。特にこの裁判との関係でどういう結論を出していくのかは、非常に注目のポイントかなと思っています。
企業実務での注意点 16:08
(竹下弁護士)とはいえ情報のインプットだけでは味気ないので、企業の法務や実務に携わっている皆さんがどういう点に注意すべきかをお伝えします。今の時点ではこの声の問題がどういう風に決着するかわからない状態です。なのでAI音声合成サービスを業務で利用する場合は、必ず学習データの許諾を確認するようにしていただきたいです。
(竹下弁護士)「人気声優の声でナレーションを作れます」とあったとしても、それは本当に使っていいものなのか、無断学習ではないのかをチェックしていただきたいのです。もっと言うと、企業の中で「こういう許諾を取っています、だから安全です」ときちんと分かるサービスを使いましょうということです。今いろんなものがあるので判別は難しいと思いますが、怪しいものについては、将来的に自分たちが肖像権の侵害になってしまう可能性があるというリスクを見ていただければと思います。
(竹下弁護士)あと、外注する場合は契約書の中に「生成AIを無断で使ってはダメですよ」とか、「生成AIを使うなら事前に何を使うのか明示してください」とか、「どこで何に使ったのか教えてください」といったことを入れてください。もっと大事なのは責任分担です。いろんな契約を見ていて分かるのですが、生成AIの方も責任の限定を考えているので、規約の中に結構めちゃくちゃな条文が入っていたりします。
(竹下弁護士)そうするとAIサービス側も責任を負わないし、受注会社側も負わないということになりかねません。何かあった時に「そのコンテンツはあなたのところで制作したんだから、あなたたちが責任を持ちなさい」という内容を入れておくのが非常に重要になってきます。
(竹下弁護士)最後に見落としがちな点ですが、本人ではないけれど本人に似た声のナレーション利用です。パブリシティ権の問題で言うと、学習プロセスがよく分からない状態です。この後のAI事業者ガイドラインの方でも「どこから何を学習したか明確にしましょう」というのが出てきますが、今は何を学習させたのかよく分かっていないものもあります。特にクローリングさせているケースだと、データセットとして学習コンテンツがある中に勝手に入れてしまっているところがあるので、AIサービス側も分かっていないような侵害が生じている可能性があります。本人ではないけれど本人に似た声のナレーション利用にもリスクがないわけではないというところに留意していただきたいと思っています。
(竹下弁護士)実は私、昔バイドゥにいた時にこの声のサービスをやっていたことがあり、これは市場としてすごく大きいです。ファンもすごく強く、特にASMRとかはファンが根強くて、お金が意外と動く市場です。あまり舐めて「声だから、誰かに似てる程度でしょ」ということで使うことのないように、出典を確認した上で使っていただくのがいいのかなと思います。
個人情報保護法の改正 19:32
(竹下弁護士)30分しかないので時間が短めになってしまいますが、次の話題、個人情報保護法の改正です。先ほど申し上げた通り3年ごとの見直しのルールがあって、その見直しが今回来たというところです。5月26日、つい最近、衆議院の本会議で可決されました。
(竹下弁護士)8つぐらい改正があるのですが、その中で3つすごく大事なことがあります。3つ目の生体情報、子供の個人情報は今日の話題に関係ないので省きます。1と2がすごく重要で、何かというと、統計作成等の例外として、個人を識別しない統計であれば、AI学習の用途は本人同意が不要になったというところです。
(竹下弁護士)例えば要配慮個人情報と聞いたことがあるかもしれませんが、医療履歴や病気の履歴、犯罪といったセンシティブな情報も対象に今なっているので、どこまで広がるかというのが非常に大事なところです。要は本人の同意なくこれらの情報も取っていいですよと。ただそれはデータ化する時、統計の学習の時だけですよという内容です。
同意不要スキームの背景と課徴金 20:52
(竹下弁護士)これを出してきた背景としては、日本政府としては日本のAIビジネスがどんどん確立されていって、国内だけではなく海外にも売れるようなサービスができて欲しいと昔から言っています。そういう中で自由に学習ができるようにしておかないとAIサービスが育たないという危機感があります。日本政府は非常に強い危機感を持っています。
(竹下弁護士)なのでどちらかというと他国に比べて緩やかな規制を持っているのですが、その中でも今度は逆に課徴金制度を設けて、緩やかにはするけれど一定のルールを破ったら課徴金で罰しますよという風に、バランスを取ろうとしているのが今回の改正ということです。
(竹下弁護士)なぜ同意不要でデータの学習に使えるということを進めようとしているかというと、産業戦略、先ほど言った通り日本政府の戦略につながっていきます。一見すると個人の権利を侵害する、同意しなくても私の情報を取られてしまうということで、良くないんじゃないかというイメージを持たれるかもしれません。
(竹下弁護士)しかし皆さんもご存知の通り、大規模言語モデル、LLMの学習にはたくさんのデータがないと有効なものができません。学習に使う前にデータに含まれる個人の1人1人から同意を取りなさいというルールは、現実的では全然ないわけです。データセットがあってそれを学習することで簡単にAIが学習できる状況の方が、絶対に発展は早いわけです。なので天秤に乗せた時に、大きすぎないダメージなのであればここに乗ってもらいましょうと。
(竹下弁護士)ただ現実の問題として何かのデメリットがあってはいけないので、この人がこういう病気だったと分かるような形ではなく、病気の人が何人いたのか、特定の出費の人がどれぐらいいたのか、その後いくら消費したのか、そういった統計のデータにだけ使いたいという風になっています。いろんな国の法制度がある中で日本だけが同意必須とすると、どんどん取り残されてしまうので、同意不要のスキームにしようというのが今回の改正です。
(竹下弁護士)一方で歯止めなく使えてしまうと不安が大きくなるので、入り口は非常に広くしますよと。ただ課徴金という制度を設けて、不正にやった場合にはペナルティを課しますよという出口戦略を考えているというところです。強調したいのは、同意不要になるから使い勝手が良くなると単純に考えるのではなく、法律で許されている範囲をちゃんと明確に確認した上で、自分たちがやろうとしていることが間違いなく同意不要のケースに当たるのかを確認しながらやらないといけないということです。「広くなったし使いやすくなったぞ」と気軽に取り組むと課徴金を食らうことになる、そういう制度設計になっております。
企業実務への影響 24:29
(竹下弁護士)実際に企業の法務にどういう影響を与えるかというと、自社でAIを学習したり、RAGやファインチューニングをする場合が結構あると思います。私もここ数ヶ月でこの話題を挙げる会社が結構多くて、「うちもこういう風にするようにしたんですよ」というところをかなり聞くようになっています。
(竹下弁護士)重要なのは、個人識別目的ではなく統計や学習の用途のために使えるというところです。それ以外についてはまだ使えるわけにはなっていません。まだ改正が施行されているわけではないので、改正が終わった後にきちんといろんな本がまた出ると思うので、明確にした上でやらなければいけませんよと。
(竹下弁護士)また改正になった後、AIベンダーに開発をお願いする場合、同意不要枠が広がるとはいえ、契約的にはきちんと明確にして締結しないとまずいです。どこまでの用途で使っていいか、ベンダーが再提供することは禁止する、契約終了時にはきちんと削除するといったことをしておかないと、委託管理の問題、いわゆる個人情報保護法28条のプロセスとの関係で、ここを強めていかないと課徴金がいきなり出てくるのではないかということです。
(竹下弁護士)最後に課徴金ですが、どんな風になるのかはまだ分からないところですが、1000人を超える規模の不正取得、不正利用を対象にするというのが今の案になっています。「うちは従業員1000人もいないから関係ない」と思われた会社でも、顧客データやいろんなデータを合わせると1000人を超えることは結構あると思います。そういった場合にも課徴金のリスクは出てくると思っていただければいいかなと思います。「うちは小さいからまだ大丈夫」とは思わずに、きちんと見ていただくのがいいのではないかと思います。
(竹下弁護士)公布から施行までは猶予がありますので、それまでの間に自社の体制も整えておかなければいけないと思っています。
AI事業者ガイドラインとヒューマン・イン・ザ・ループ 26:40
(竹下弁護士)少し飛ばし気味になってしまいましたが、最後のトピック、AI事業者ガイドラインについてお伝えします。これは何かというと、簡単に言うと罰則がない行政指針です。AIを使ったサービスを提供する人については、この本に書いてある、本というぐらい結構厚くて170ページあるのですが、そこに書いてあるリスクについてはきちんと手当てしておきなさいと書いてあるものです。
(竹下弁護士)罰則がないからといって安心してはいけません。ここに書いてあることが生成AIというサービスのスタンダードになってくるわけです。そうすると裁判で何か訴えられた時に、善管注意義務違反や、事業者として行わなければいけない義務に関しては、ここに書いてあることが目安になってきてしまうということです。実は私のお客さんの中でも、この指針をあまり参考にせず、内容を読まずにAI開発をどんどん進めてしまっている会社さんもありますが、「1回立ち止まってやるようにしてくださいね」と言っています。
(竹下弁護士)変わった点はいくつかありますが、時間の関係で1個に絞るとヒューマン・イン・ザ・ループというところです。「ヒトル」と読む人もいるかと思います。これは何かというと、AIが動いているサービスの中で何かしら外部に影響を与える操作をする場合には、絶対に人の判断を介入させなさいというルールになります。
(竹下弁護士)もう少し具体的に言うと、例えばAIと話している中で「顧客にメールを送信してください」というプロンプトを入れるとやってくれると思います。そういう明確な命令ではなく、微妙な時にAIの方から「メールを送りましょうか」「この決済をしましょうか」「この行動を起こしましょうか」というワンクッションを必ず入れるようにしなさいという内容になっています。
(竹下弁護士)例えば有能な秘書のように、自分が指示を出さなくても「次これやって欲しいんだよね」「あ、やっときました」ということがあると思います。それをAIが考えてくれるとすごくいいと皆さん思うと思います。ユーザーがこうして欲しいんだろうなということをAIが読み取って、指示を出さなくても勝手にやってくれる。これはユーザーとしてはありがたく「気が利く」という評価に繋がるのだと思いますが、法的には非常に危険です。何かというと、AIは責任を取れないのです。
(竹下弁護士)そこでやったことについて刑事・民事の責任を一切取れない。そうすると判断する人は最終的に人でないといけないというところが指針に書いてあります。なのでヒューマン・イン・ザ・ループを置かずに第三者に損害を起こした場合については、善管注意義務違反がこれによって問われるリスクは非常に高いですよと。ガイドラインを見ないでこういったものを進めることは非常にリスクが高いということを周知しておきたかったというのがここになります。
(竹下弁護士)どういう対応をするかというと、皆さんの中でAIサービスに踏み込んでいるところは規定があると思いますが、その規定を再度見直して、何を必須でやらなければいけないのかを確認する。あとAPIですね。いろんなデータがある中で「この連携をしておくと楽だから連携しちゃえ」ということで、システムがどんどんAPI連携をした結果、どこからのソースを持ってきたのかよく分からなくなってしまう。トレーサビリティが必要になってくるので、それは絶対ダメです。
(竹下弁護士)システムの担当者の方はマップを作って、どこと何がAPI連携しているのかを記録として残しておく運用が必要ではないかと思います。またその責任者を決めておく運用が大事ではないかと思っております。
パープレキシティ訴訟とEU AI法 31:01
(竹下弁護士)時間の関係でそろそろ終わりにしようと思いますが、最初に触れた通り、パープレキシティとEU AI法についてさらっと述べます。パープレキシティは日経・朝日の訴訟です。まだまだ進んでいる情報ですが、今出されている情報だと、パープレキシティの方からは「日本の検索引用ルールの範囲内で適切に運用しています」という主張をしていて、争う姿勢を明確にしています。著作権法30条の4との関係でこれがどういう風になっていくのかは、これまでのセミナーでも述べた点ですが、非常に重要な試金石になる裁判例になると思いますので、興味のある方はウォッチングしていただければと思っています。
(竹下弁護士)それとEU AI法です。これも色々説明してきましたが、1番リスクの高いものについての規制が8月2日から始まりました。GDPRと同じく非常に重い罰則が適用されるものなので、もし自社がAIサービスをヨーロッパで展開するという会社さんの場合には、もう本当に対応されていると思いますが、再度チェックをしていただければと思っております。
第1部のまとめ 32:21
(竹下弁護士)今日は色々お伝えしましたが、私は今までの経験からAIの利用ルールや開発ルールに携わってまいりました。私も生成AIをゴリゴリ使う側の弁護士ではありますが、使う時のルールを明確化してみんなに周知しておくというのは非常に重要です。弁護士も、お客さんからいただいた情報や契約書をそのままぶち込むなんてことは絶対できないはずで、必ず必要なところに限ってマスキングをしたり、事案をぼかした上で活用したり、そういったルール作りが必要です。
(竹下弁護士)これをやりながらうまく活用していくことが非常に重要だと思っていますので、もしお手伝いできることがあればお声かけいただければと思いますし、自社の中にも顧問の弁護士の先生がおられると思うので、その方とご相談しながら進めていただくのが良いのかなと思っております。少し時間オーバーしてしまいましたが、私の方からは本日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
会社説明・新サービスのご紹介 33:30
スペースラボグループの紹介 33:50
では第2部、画像生成AIの基礎知識とここ2ヶ月の最新トレンドということで、スペースラボの代表の柴原が説明会をさせていただきます。まずは我々のグループ会社の説明からさせていただければと思います。
我々の会社は「建築の未来を見せる会社」として、建築とデジタルを設計するというミッションのもとにやらせていただいている会社です。ちょうどこの前18期目を迎えました。まず建築のDX事業として、建築ビジュアライゼーションのパースやBIM支援をやりつつ、広告用CG制作事業部や、VR・AR・メタバース領域の事業部があります。
グループ会社としては、名前が変わりましてノードポイントという会社で、BOSインフラ事業をやらせていただいております。CG用のパソコンやハイエンドのパソコン、特に最近だとAI用のパソコンなどを販売しています。あとはドアハニカムという会社で、我々がDXを進めていく中で現場のことを知りたいという意味で、内装設計施工の会社とAIの開発会社と我々の3社で作った会社です。こちらで建築のDX事業を追求した事業をやらせていただいております。
我々はもう18年以上、この建築ビジュアライゼーションのパースを描かせていただいております。今は広告用のCGパースに力を入れていて、SNSなどでクリックしてもらえるような絵作りをやらせていただいております。大きな商業施設のパース、ホテルのようなもの、ブライダル会場の掲載用のもの、住宅用のパースなどをやらせていただいております。あとはAIのデジタルヒューマンのようなものもやらせていただいております。
今のところ9月か冬ぐらいに、実際の画像生成AIを活用した建築ビジュアライゼーションパースのセミナーというか、勉強コースを作ろうかなと思っておりますので、ご興味あればご参加いただければと思っております。
新サービス「物件カルテ」 36:26
少し広告になりますが、新サービスのご紹介をさせてください。我々は現場調査DXを推進するというところでやらせていただいております。現場調査は1回で終わっていますか、というところです。今建築業界は色々動いている中で、なかなか人が集まらなかったり、何度も行き来するとすごく時間がもったいなく感じると思います。予算が限られる中で現調こそが重かったり、いろんな業者様と一緒に行かなければいけない、立ち会わなければいけないということで、なかなか日程が決まらず工程が遅れてしまったりします。遠方に何度も行くのはめちゃめちゃ時間がかかる、現場が大きすぎて1回じゃ見れない、チェック漏れする場所が多すぎる、といったことが多いと思います。
その中で我々は「物件カルテ」というサービスを新たに始めました。現場の記憶を誰でも見られる記憶にする、というところで、最新の3Dスキャナーを使った「スキャン現チョク」というものです。日常の現チョクというところをコンセプトに、図面化まで一気通貫で対応させていただくサービスになります。スキャンしたものを誰でもWeb上で見られる状態にして、その後図面化して、データ保全というところまでさせていただくサービスです。
今の現場調査は、360°カメラや写真を撮ってもやっぱり寸法の取り漏れが起こってしまう、動画でも見返しづらい、手作業でやっても精度に限界がある、現場でどうしても時間がかかりすぎる、というところがあると思います。そこら辺を物件カルテで一気に解決して、いつでも戻って全体把握ができて、共通の事実を作れるというところです。
本当に最新のスキャナーを使って建物を丸ごとデジタルスキャンするサービスになっていて、ブラウザーで関係者全員がアクセス可能になります。精度は大体1cm以内の誤差でやっておりますので、精度高く納めることができます。実際に出来たものは図面にすることもすぐできます。
物件カルテのデモ 38:50
実際に物を見ていただいた方がいいと思うので、少しだけご案内したいと思います。今までの定点カメラと違って、現場のありとあらゆる場所を、高さも変えていろんなところを見られるサービスになります。今解像度が少し悪く見えるかもしれませんが、本来は解像度が高く、写真と変わらない程度の画質で建物全体をスキャンすることが可能となっております。
素晴らしい機能として、この中で寸法を測ることが可能になります。少し雑にやってしまいますが、高さや幅はこうやってやると大体3.23。実際の高さは3.24なので、1cmぐらいの誤差でこの画面上で寸法を取ることが可能になります。取り漏れがあったり、「あそこいくつだったかな」と再確認したい場所があれば、このURLの中を見ればすぐにできます。
あとは現調に行くと、室内の中に分電盤などがありますが、そういったものの中の写真を撮って貼り付けたりすることで、誰でも現場の状況を把握することが可能になったりします。それから、面も作れますので、天井面がどんな状態だったかを見ながら現状の検証をすることも全然可能です。
実際の用途で言うと、お客様との意見の食い違いや、現場の工事の方との意見の相違、場所の相違があったりするトラブルがあると思うのですが、そういったところがなくなったという声を聞いております。ミニマムで5万円から、400平米で500万円からスキャンさせていただきますので、ご興味あればお声かけいただければと思います。全国・全世界対応でございます。
第2部:画像生成AIの基礎知識、最新トレンド 41:44
2026年春のAIトピック 41:52
早速ですが、画像生成AIの現在地マップ・実用マップというところです。少し期間が空いてしまって、ゴールデンウィークも挟んで2ヶ月ほど空いてしまったので、この2ヶ月でどういった進化があったのかを、普通のいわゆる生成AIと画像生成AIの両方を見ながらお伝えします。今現状でこういうものを作る時はどういったものを使った方がいいよという、私の見解も含めて作った資料になっておりますので、ぜひご参考いただければと思っております。
直近のAIトピックニュースです。2026年のこの春に何が起きたかというところです。大きなところで言うと、私も知らなかったのですが、ChatGPTのImage 2.0が発表されました。これは私も盲点でして、ChatGPTの画像生成はもう力を抜いて開発しないのではないかと思っていたのですが、そんなことはなかったです。ここに来て2.0を発表して、今まで不得意だった文字入りの画像、日本語とかがすごく不得意だったのですが、日本語も完璧に対応して持ってまいりました。今回ChatGPTにおいて大きな画像生成の進化かなと思います。
あとはGemini 3.5 Flashで、とても頭のいいモデルがさらに追い風をかけて、76.2%のハイスコアを記録しながら登場しました。あとはコーディングAIが、ブロックビルドやロードコードとか続々と来ております。AIとコーディングはすごく相性がいいです。誰でもプログラムを組めるような時代が回ってきたというところと、エージェントの方も進んできたというところになっております。
あとはこれらを生かしながら、どこの会社のAIを活用しようというところで、AIを活用した結果どうなったかというと、予算が超過したと。Uberは4ヶ月で年間の予算を消費してしまったと。「めっちゃかかるやん」みたいなところになっております。このAIの活用予算は今後どんどん増えていくと思いますが、コストメリットは今までよりはあるのかなと思いますので、どんどん活用するのはいいのかなと思います。AIは仕事の流れに入る存在として急速に変化しているというのが2026年になっております。
先ほどのGeminiが76.2%を出したというところですが、これは何を言っているかというと、100ある問題を出して76.2%で正しい答えが返ってきたよというイメージです。結構難しい問題を解いてちゃんと返ってきたのが76.2%というところになっております。
開発者たちの発言から見る流れ 45:11
最近面白いところで、少し切り口を変えて説明したいと思います。これはニュースではなく、Xや研究論文などからピックアップした資料です。開発者やOpenAIの元メンバー、CEO、Claudeの代表などが、この時にどんなことを言っていたのかを2025年からまとめた資料になっております。
簡単に書いていますが、2025年4月には「AIは研究を加速する可能性がある」と言っていたのが、実はちょうど1年前でございました。要はAIが研究段階に入ってきたぞということを言っていたのがちょうど1年前で、確かに進んでいますというところです。
2025年6月には「テイクオフスタート」ということで、認知エージェントで現実作業の到来、現実的に使える、実務で使えるようになってきたと言っていたのが昨年の6月でございます。これはアルコマサックスでございます。同じ2025年6月に、今まで言語を知らないとプログラムを組めないと言っていたのが、もう自然言語でプログラムを組める時代になったぜと言っていたのが、テスラAIのトップでOpenAI創設メンバーの方が言っていたのが昨年の6月でございました。
あとは、やっと最近おすすめできるようになったものですが、Manus AIです。少し前までは中国企業の発生したAIだったので、なかなかこのセミナーではおすすめしていなかったのですが、何ヶ月か前にMetaの方がこのManus AIを買収したことによって、安全性が保たれたというところでご紹介しております。いわゆるエージェントAIでして、本当に言ったら何から何までやってくれます。例えばプログラムをやると「サーバーを契約しなければいけないよね」とあると思います。契約したサーバーにどうやって入れ込むかは結構専門知識が必要になってくるのですが、そういったところも、どういった契約をやっているという紹介をしながら勝手にやってくれます。本当に計画して実行して結果を出す方向に進むというところで、この主催者がいればできるみたいなものになっております。AIは便利でございます。
ついに最近、この5月に言っているのが、元OpenAIのCTOのミラ・ムラティかな、女性の方ですけれども、この方が言っているのが、AIはもう答えるものではないと。一緒にパートナーとして会議に参加して協議するというフェーズに入ったぞというのが、この5月に言ってきたところでございます。使うというよりは仲間になった、仕事仲間になったというフェーズに入ったそうでございます。
動きが激しくて大変ですが、AIの最新の開発は実はもう終わり始めていて、AIの頭の良さの開発は実は終わっていると言われています。今AIの開発は何をやっているかというと、横の繋がりや、どう連動していくのか、どう実務につなげていくのかというところの開発が進んでいるようです。頭はもうあとは放っておいても勝手に良くなっていく、プログラムができましたという状態だそうでございます。
答えるAIから自律的に動くAIへ 49:50
答えるAIとは、質問に対して答える回答を返すことで、一問一答のやり取りが基本だったよねとか、人間が細かく指示を出す必要があったよねというところだったのですが、今はもう、先ほどの弁護士の話ではないですが、目的ありきで自律的に計画して実行するという、とても便利な時代になっております。調査してデータをやっているのが本当に自律的に動く時代になりましたので、先ほどの話の通り、やっぱり怖い時代でもあるなと思っております。
特に皆さん、最近クラウドAIの進化の話がニュースでも聞かれていると思います。Mythosですね、誰よりもハッキングできるという、人間をはるかに超えてしまったという話が出たのが、結構最近の衝撃的なニュースだったのではないかなと思います。
あと今後出てきそうなのが、先ほども話しましたが、企業のAIコストの方です。我々の会社も実務や事務方、作業でも活用することが増えてまいりました。使い始めると便利なのですが、なかなかコストがかかるというのも事実です。私も今ちょうど、先ほどの物件カルテというサービスの管理画面を私の方でClaudeを使ってガーッと作っていたのですが、お金がかかるかかる。でも頼むよりは、お願いするよりは安いしなと思いながらやっている最中でございます。とにかく使ってみようという段階だったところが、最近はもう運用と管理になっております。
ちなみに最近、Claudeの代表が言っているのが、これから多分生成AIの頭の良さの段階で課金率が変わるであろうということです。例えば物理などにめちゃくちゃ頭のいいAIができてくると思います。それを使うと特許を取ったりできるようになると、一般のAIと同じ金額だったら割に合わないよねというところも含めて、頭の使い分けで、生成AIの頭の良さで課金の値段が変わってくるというのが、すぐ先には見えていると言われております。
生成AIは本当にチャットや検索、通知のパートナーになりましたと言いますが、ここら辺はもう結構たくさんの方がやっていらっしゃるのではないでしょうか。私はもう本当に資料作成や営業文などもここは完全にAIでやっておりますし、画像生成もSNSや広告のようなものは我々やらせていただいております。動画もそうです。コード生成や仕様調査もそうです。もうほとんどAIが入ってきたのではないかなと思います。最近は息子に教えるのもAIに教えてもらっています。
完成品を一発で作る魔法ではない 53:14
重要なのは、生成AIはいろんなことができるのですが、何度もこのセミナーでお伝えしていますが、完成品を一発で作る魔法ではないということです。いつも言いますが、70〜80点までは生成が早いですが、結局なんやかんや詰めてやろうと思うと、1から作った方が早かったんじゃないかと思ってしまう時が多々あったりする状態かなと思っています。なので実務では叩き出しや比較はやるのですが、最後はやっぱり人でやらなければいけないのかなという気はしております。
僕がプログラムを作っていると「あ、このまま作れちゃうな」と思う瞬間もあるのですが、結局、先ほどの弁護士の話ではないですが、作れても責任は取れるかというとやっぱり取れないな、とか。そう考えると、最後は実務で使うところだと結構責任論があるなというのは最近思っております。それは画像生成も同じです。
ChatGPT・Gemini・Claudeの性格の違い 54:41
最近ここら辺は明確に色が出てきたなと思っております。これはもう本当に好みだなと思っています。ChatGPTは総合力の万能型と言われていますし、Geminiは検索連携の実務型で、うちの会社はGoogleに支配されている会社なので、Googleワークスペースでドキュメントをいっぱい作れるのでこっちが便利だよねという形で使わせていただいております。Claudeは長文どうこうとか言っていますが、解析がやっぱり強いですよ。
ここら辺が面白いなと思っているのですが、先ほどの物件カルテの資料を私が作って、ChatGPTとGeminiとClaudeに同じように読み込ませて、この資料の改良点はないかということをやるのですが、どういった反応が来るかなと楽しんで見るんです。ChatGPTは本当に塾の優しい先生みたいな感じで教えてくれます。Geminiはシステム的というか、なんか塩なんですよね。寂しいというか、「これはこうやった方がいいじゃないですか」みたいな結構サバサバした感じです。
Claudeは、もう論点がずれていて、「この資料の時間が変です」とか「まだないです」とか「業界感がおかしいです」とか、「いや、中身のことを聞いてるんだけど」みたいな細かなところのレビューが来てしまうという、本当に性格が出ているなと思います。そういった意味でも、どれがいいというわけではないのですが、どれもこれも癖があるし、いいところもあるので、僕は結構今3つとも使ったりしております。
先ほどの話の通り、AI活用がうまい人は目的をちゃんと決めて、情報を集めて構成を考えて、初期案を作って、比較検証して最終目的とやりますが、これは一例です。やっぱり目的を決めるのは人間、0→1のところですよね。人間がやるしかないのでですね。おすすめは、1番最初の叩き、壁打ちと言われているものはChatGPTの方がいいですね。ずっと褒めてくれるので、楽しみながらやれるので、ChatGPTがいいかと思います。
画像生成AIは仕事の道具に進化した 57:36
画像生成のところになっていきますが、本当に「絵を描くAI」から「仕事に使うAI」というところで、正直このセミナー自体の核心にも今回にも出てくるところですが、画像生成も半年前よりも全然活用しやすくなり、誰でも使えるようになってきたのではないかなと思っております。不具合もかなり減ったなというのが印象です。
なので仕事の道具として進化しましたというのはまさしくそうでして、そこら辺を今どんどん導入しないと、正直逆に置いていかれることもあります。今は短い時間で仕事をしなければいけないということもあるので、どんどん活用してもらえばいいと思います。
昔の画像生成だと、少し前まではプロンプトも英語のプロンプトじゃないとダメですよ、うまくいかないですよと言っていたのですが、今は日本語でも全然大丈夫です。ちゃんと伝わります。あとはポスターなどを作りたい時に、日本語の文字も普通に入るようになりました。今だとChatGPTのImage 2.0とNano Bananaの2つが日本語対応がうまくいっているので、この2つを使ってもらえれば日本語が入った画像生成が使えます。
あとは既存画像の編集ですね。これが1番大きいです。昔だったらPhotoshopを使って色々やらなければいけなかった編集のところが、AIでもできるようになってきたなというのが最近の印象でございます。
以前で言うと、いかにも本物っぽい写真を作るかといった話があったのですが、今だと本当に論点は「実務でどう使うのか」「AIを組みながらいかに快適に使うのか」というところを、今どこの会社さんも検討されていると思います。我々の会社にも「どうやったら業務をもっと改善できるんだろう」という問い合わせや質問がよく来ます。これは1個1個見ていかないとなかなかできないので一概には言えないのですが、確実に毎日円滑にできるようなルーティーンはできるようになっていたかなと思いますので、本当にこの画像をどのように仕事に使えるのかを考える時期かなと思っております。
実例:SNS広告画像の量産 1:01:00
文字入り画像が実用化してきたというところで、バナー広告やアイキャッチなど、1個実務の例を入れようかなと思います。生々しくお見せしますと、先ほどの物件カルテというサービスは、まだ始めて2ヶ月のところで、まだまだ営業が足りない状態なので、これからSNS広告をしていきます。「SNS広告をやりましょう」と言った時に今どういうことをやっているかというと、Xであったり、メタ広告、いわゆるInstagramやFacebook、Threadsに流す用の画像を、もう完全にAIで量産して作っていくんです。
これはどうやっているかというと、3つぐらいAIを使うのですが、まずGeminiの方で、どういった方向性でやっていくのかという大枠、SNS広告の打ち方などを考えていきます。それに対して今度はClaudeの方に持っていって、それを中心にどういった言葉が刺さるのか、どういった戦略を組んでいくのかという、いわゆるWebの広告戦略をClaudeの方で今の主流も含めて検討します。
それをやり切った後に、どういったSNS広告がいいのかというところと、この文字を踏まえてこの画像を作るためのプロンプトを何十種類、何百種類と考えてもらうんです。そうすると、それを一気に入れ込むと、こういった画像をひたすらずっと作ってもらえるということができます。
昔だったらこれを作るのに結構時間がかかったり、専門業者にお願いしなければいけなかったものが、自分たちでやるようになったというところが大きいのではないかと思います。これをサービスとして外に出せるかというとまた違うかもしれませんが、社内のものであれば全然対応可能になったのではないかと思います。
バナー広告やアイキャッチ、セミナー・イベントの告知などは全然AIで普通に作れます。時間がかかると思う方がいらっしゃっても、今は前より全然簡単なので、教えるまでもないぐらい、逆に「やり方を教えて」と聞けば教えてくれるようなAIになってきたので、全然使っていただければと思います。先ほど見たように文字も全然崩れずに出ます。
画像編集のデモ:GeminiとChatGPT Image 2.0の比較 1:04:57
もう1つ、画像生成が画像編集できますというところですが、皆さん使っているかどうか分からないので、実例も含めて生々しくお見せします。画像生成のところで、ChatGPTのImage 2.0とGeminiのどちらがイケているのかを検証したかったので、実はやっていたんです。少し画面を切り替えますね。
試しでやっていたので本当に試しです。こちらがGeminiで、同じプロンプトでどういったものが出来上がるのかを検証したものになります。「おしゃれなグリーンがたくさんあるオフィスのリアルな表現で」というところで作ったので、Geminiだとこういったものが出来上がってきました。これは好みなのでどっちがいいとか悪いとかはないです。こちらがChatGPTのImage 2.0になります。
ここで先ほどの話に戻りますが、この機能を知っているかどうかだけでもだいぶ違うのかなと思います。前だったら別になっていて時間がかかったのですが、スケッチやテキストをこれに入れられるようになったんですね。なので例えば、こうやって丸くして「植物を消してください」とやると、囲ったところをピンポイントで消してくれたりするんですよね。
何が言いたいかというと、この囲ったところを消してくださいと言うと、他のところが変更されずに、そこの部分だけがちゃんと消されるというところが、ちゃんと言うことを聞いてくれるようになったのが地味にすごいですし、画像にすぐ文字などを書いて指示ができるというのがすごく画期的です。前だったら「どこどこの何をやって」という場所の指示をするのにプロンプトがたくさん要ったものが、こうやって画像にペン入れをしてすぐ指示ができるようになったので、前よりも編集作業がとても簡単になったなというのは、私の初見の印象なので、使い勝手はすごく増えたのではないかと思います。
ChatGPTの方も同じで、ここの正面の灯りが少し嫌だったので「これを消してくれ」とやると、こちらもすごく消えるようになったので、同じようにできます。ただChatGPTの方は、選択をするというのが少しやりにくい。僕が知らないだけかもしれませんが、こういう大きな丸になってしまうので、部分選択がしにくいという感覚があります。そういう意味で言うと少し指示しにくいなというのは思いました。細いツールぐらいがいいなと。選択が大きくなってしまうので、これは少し使いにくいなというのが初見であります。
あと先ほどの話ですが、文字をどれぐらい入れられるのかとなった時に、「この文字を入れたポスターを作ってください」と言うと、Geminiだとここまでやってくれるんですね。逆にChatGPTだとこういったものになってしまいます。すみません、画面が共有されていなかったので、失礼しました。こちらですね。Geminiはこういった文字が出て、結構きっちり整えて作ってくれるなというイメージです。逆にChatGPTだと同じプロンプトでもこういう形になってしまう。でもこれがいい場合もあるので、これはお好みのところを使っていただければと思っております。
動画生成と各AIの特徴 1:11:40
あとは画像と動画の境界がなくなってきたというところでございます。Veo 3ではなく、Soraがなくなるというところではあるのですが、引き続きRunwayやKlingなどはまだまだ作っております。前よりも長い時間の動画ができるようになっているので、便利にはなってきているかなとは思います。ただこの動画はすごく沼にはまってしまうところがあって、本当に課金地獄に追われてしまうので、あまり手を出すと、本当にリアルに自分で最初から作った方が早かったし、お金もかからなかったということになりかねません。ここは結構しっかり検討しなさいというところでございます。
それぞれの生成AIに得意分野がございます。ChatGPTはチャットしながら実際に作ってくれるというところがあります。Geminiはもう本当にリアルな写真のリアルさに強くて、Google製品と連携しているのはすごくいいよねというところです。Midjourneyは、画質は高いのですが、導入や入力がめちゃくちゃ難しい、面倒くさいので、僕は結構おすすめはしないですね。Adobe Fireflyは著作権フリーというところでやっていますので、先ほどの「AI何使ってますか」という時に、Adobeを使っていればその辺は結構揉めないのではないかなと思います。
用途別おすすめツール 1:13:27
こちらは用途別の、今1番おすすめのものを、私の主観になってしまうかもしれませんが、実務的に使っている内容で書かせていただいております。建築・インテリアだと、GeminiのNano Bananaは、うちの会社でもよく使ったりしております。精度が高く、ピンポイントで、プロンプトも結構意思が通りやすいというか指示がしやすいので、このNano Bananaは結構いいのではないかと思います。
広告・ブランドのものは、本当に世界観をChatGPTなどで検証しながら、あとNano Bananaを使いながら、使い分けはあるかもしれませんが、ここら辺を使っていただくと広告のブランドのものも全然作れるのではないかと思います。あとはこれは書いてはないですが、ClaudeとGeminiとNano Bananaを使うと一気にできるかなと思います。
映像やショート動画は、VeoやMidjourneyがいいと言われていますので、CapCutで編集するみたいなやり方が今おすすめなのかなと思います。先ほどのSNS投稿は、ClaudeとNano Banana、我々がやっているようなやり方は結構いいなと思います。
こちらが今回、前回の資料を裏切った内容になっておりますが、資料作成ですね。前までは半年間以上ずっと「Gensparkがいいですよ」と言っていたのですが、ここに来てManus AIがとてもいい感じになりました。編集機能がめちゃくちゃ良くて、1回使っていただくと分かるのですが、1回作ったものをそこから編集させる機能がめちゃくちゃやりやすくUIが良くなりました。出来上がるものもいいですし、その後に編集もしやすくなって、書き出した時のバグもほぼなくなったので、このManusはめちゃくちゃ使い勝手が良くなりましたので、ぜひ使ってみてもいいのではないかと思います。
研修などはChatGPTとClaude、調査はPerplexityですね。調査の話で言うと、僕は例えばこういうセミナーの資料を作る時もそうですが、最新情報はやっぱりXが1番早いなと思っていて、Xの情報を取るためにGrokを使って、全世界から情報を拾ったりしています。そういった使い分けがいいのではないかなと、今おすすめで出させていただいております。
とにかくNano Bananaを使ってくださいというところで、画像生成は基本、僕はいろんなものを使いますが、やっぱりNano Bananaが今のところ綺麗だし、言うことを聞いてくれるし、使い勝手が1番いいのではないかなと思います。
SNSの投稿文系というところですが、ChatGPTでイメージ出しとアイデア出しをやりながら、Manus AIを使います。Manus AIの中にClaudeが入っていたり色々連動しているので、そこを使いながら校正を入れてSNSに投稿するというのがすごくいいなと思います。あとCanvaも使ったりします。結構複合要素でやるのですが、こういった使い方はいいかなと思います。
ショート動画は私もあまり得意なところではないのですが、Veoやフラウなどを使いながら、あとで編集が結局面倒で大変なので、CapCutなどで編集して動画をどんどん作っていくのもいいのではないかと思います。最近動画を見ているとよく文字が入っていたりするので、皆さんよく使われているんだろうなとは思います。やっぱり静止画よりは動画の方が伝わりやすいという意味で、仕事の動画を作っていくのはいいのかなと思います。
画像・映像の使い分けみたいなところですが、Midjourneyの初期段階のものと言っていますが、別にMidjourneyである必要はないとは思います。リミでも全然いいと思いますし、他のものでもいいと思います。ただ今のところ、ChatGPT Image 2.0の画像生成はお値段がかかるので、使い方を間違えると痛い目に合うのではないかという気がします。
広告・ブランドの世界観を作ってMidjourneyとよく言われるのですが、あとは素材のような実務的なところはChatGPT Imageを使った方がいいのではないか、ABテストはどうなのかと言っていますが、こうやって僕も書いていますが、結局僕はGeminiのNano Bananaの方が、結局どちらも両方できるのでめちゃくちゃいいのではないかと思っています。やっぱりロジックに強いという意味で言うと、ClaudeとGeminiの組み合わせは僕は1番いいような気がします。
写真を撮った後に、合成などが多い場合はAdobe FireflyやPhotoshop、Photoroomなどを使われるのがいいかなと思うのですが、これも今だとGeminiでできてしまうので、これも本当にGemini1択でいいのではないかという気がします。画像を参照しながら2枚置いて、写真と背景写真を入れて「これを合わせてこうやって」とやるとすぐに作ってくれるので、結構いいかと思います。
テキストはパワーポイントにも直接するというのをNapkin AIなどで言っていますが、これもManus AIとか、あと図解だとClaudeがめちゃくちゃ得意です。僕がたまに作るのが、アプリなどを作る時の仕様書で、少し複雑な、当事者が3人とか4人とかいて、どういう関連性なんだというものは、普通だとなかなかまとめられないのですが、そういったものをClaudeにやらせると、すごく分かりやすい図の絵を作ってくれたりします。やっぱりClaudeが図解は1番得意なのではないかという気がします。こちらも一緒で、Manus AIが今いいですよというところです。
実例:ホームページのリブランディングとClaude Design 1:21:32
こういったことがあったらすぐできますよという、また僕がやっているものを生々しくお見せします。ホームページを今リブランディングをかけていて、ホームページを作成する会社さんにお願いしようと思っているのですが、今だと皆さんSEO対策とか、ホームページだとそういうものをかけなければいけなかった、あとAIO対策というかAI対策とか、それを加味してホームページをどうやって作っていくんだと。見た目だけではなく、そこをどう表現していくんだというところを、結構今ロジックでちゃんと作っていかないとどこの検索にも引っかからないという時代があります。
それをClaudeでめちゃくちゃ検証してもらって、今はこのClaude Designというツールがあるのですが、こちらに持っていくと、今現状のホームページをリニューアルするんだけど、それに対応したものを作ってくれて、こういうものを作ってくれるんですね。これを実際にプログラムを作ってくれる会社に投げてやると、結局色々業者さんとやる時に時間がかかるので、もう要件などをこちらでまとめて投げた方が早いなというところで、こういうものを作ってしまうんです。これぐらいであればこのClaude Designというものがすぐ作ってくれます。すごく綺麗なものを作ってくれるので、ここまでは別にそんなに特殊なことを考えなくてもできるということが分かっていただければなという実例でございました。
まとめと次回のご案内 1:23:44
AIの豆知識ですが、丸投げでは基本作らせない、目的をちゃんと明確にして、最後は人間がちゃんと整える、さっき言っていた内容です。これをやっていただけばすごくいいのではないかと思います。実務の注意点は色々あると思いますが、竹下弁護士がさっき話していたので、色々気をつけて使っていただければと思います。
まとめですが、今日は万能なAIは存在しないというところと、組み合わせが今価値を生みます。結局人間のディレクションがとっても必要ですというところです。AIのいいところも悪いところも、「こういうのはどうかな」と言うと「その案いいですね」と結局ずっと終わらないゴールを作り続けることがあるので、そこら辺のディレクションはちゃんとしていかないと、結局時間がいっぱい取られてしまうなという印象でございます。
長々と18時33分になってしまいました。今日のAIセミナーは以上で終わりたいと思います。来月もまたやりたいと思っていますが、画像生成の方はそろそろ開発というか、最新のものをあまりご提供できないので、次回からは内容を少し変えて、もう少し実務的にお役に立てるような内容をお伝えできればと思います。
こんなセミナーがないと、なかなか普段AIのことを詳しく調べられないとか、情報がピックアップできていないという方のためにやっているセミナーでもありますので、ぜひ来月も懲りずに聞いていただければと思います。AIは使わないとただただ乗り遅れてしまうだけになってしまいます。もう使わないという選択肢はないのかなと思っておりますので、ぜひ私のセミナーを聞いて使うきっかけになればと思っております。以上でございます。柴原でございました。また来月よろしくお願いします。
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