プロが教えるやさしいCGパース制作 - Vectorworks編 - No.04 VW_3D立ち上げ | 東京都の建築パース CGパース制作会社 スペースラボ
プロが教えるやさしいCGパース制作 - Vectorworks編 - No.04 VW_3D立ち上げ
2024.07.11
CGパース初心者向けオフィスCGパースチュートリアル No.04 VW_3D立ち上げ
◆この動画では、前回トレースした図面情報を3D化していく過程について解説いたします。平面図・立面図の読み取り方や、Vectorworks内での3D系ツール使用方法に加え、図形の「グループ化」について学び、データの整理も行います。 ※解説字幕付き
①下準備
続いて、3Dの立ち上げ作業を進めます。今回はトレースした順に立ち上げていきますので、クラスを「01.柱・壁」に切り替えます。作業がしやすいように、他のクラスの表示方法を変更します。メニューバーの「ビュー」から「他のクラスを」をクリックし、「グレー表示+スナップ」を選択します。すると、青色で描かれた「01.柱・壁」クラス以外の図形が全てグレーの線表示になり、他のクラスの図形が選択・編集できなくなります。レイヤやクラスの表示非表示、グレー表示、そして今回使用した「ビュー」設定の「他のレイヤを」や「他のクラスを」を組み合わせることで、効率よく作業を進めていきます。
②柱・壁の立ち上げ
立ち上げるにあたり、展開図を見ると天井高は"2580mm"であることが分かります。平面図をトレースした図形は全て天井に接していれば良いので、"2580mm"で立ち上げます。1つ1つ選択して立ち上げても良いですが、全て同じ条件なので一気に立ち上げます。セレクションツールを選択した状態で全ての図形を囲います。その状態でメニューバーの「モデル」→「柱状体」をクリックします。縦横の大きさはトレースしたままで良いので、奥行きだけを設定します。天井高である"2580"を入力してOKを押します。これで立ち上がりました。「ビュー」から「ビュー」、「斜め右」を選択してみます。すると3Dビューになり、図形が立体的になっていることが分かります。ビューから「2D/平面」に戻します。ただ、右側のデータパレットを見ると元々複数の図形だったものが1つの柱状体という図形になってしまっています。このままだとCinema 4Dで扱いにくいため、「加工」から「グループ解除」を選択します。これで図形がバラバラになりました。ただ、バラバラでも扱いづらいため、「加工」から「グループ」を選択してグループ化します。先ほどとは違い、それぞれの図形情報は残したまままとまった状態となります。
次に展開図に移動します。先ほどトレースしたA面とC面の立ち上げを行います。展開図のため、今度は壁の「高さ」ではなく「厚み」を入力します。平面図で確認するとどちらも"150mm"であることが分かります。まずはA面の壁を全て選択してCtrl + Eを押し、150mmと入力してOKを押します。1つの図形になってしまっているので、Ctrl + UでバラバラにしてCtrl + Gでグループ化します。C面も同じように全て選択、Ctrl + Eで150mmと入力、Ctrl + UでバラしてCtrl + Gでグループ化します。
次に展開図で立ち上げたものを平面図の位置に配置しますが、現在平面図に対して壁が寝ている状態のため、それを起こします。まずはA面の壁グループを選択して、「ビュー」の「ビュー」から「左」を選択します。これで平面頭上の左側から図形を見ている状態になりました。現在選択していることを表すアウトラインがオレンジ色になっている図形に寄ります。左側から見ているので右下が床面と一致しています。そこを起点に壁を起こします。回転ツールに切り替えて起点となる「右下」をクリックし、次に回転軸を決めるため「右上」をクリックします。これで上下まっすぐに回転軸が設定されたことになります。そのまま「-90°」になる位置までカソールを移動します。この際、"shift"キーを押しながら移動すると一定の角度に制限されて作業がしやすくなります。「-90°」の位置でクリックして確定します。「ビュー」から「2D/平面」に戻り、平面頭上に移動させます。図形の適当な位置をクリック、ドラッグして平面図の近くに移動させます。合わせやすい端点を選択して平面図の一致する点までドラッグします。全体を見て頂点が揃っていれば問題ありません。左上に隙間がありますが、室内側が塞がっているためこのままでも大丈夫です。同じようにC面の図形も選択し、「左」ビューにして「回転ツール」を選択、2点をクリックして「-90°」起こします。「ビュー」から「2D/平面」に戻ります。C面は平面図と展開図の方向が180°逆を向いているので、回転させてから移動します。回転ツールで適当なポイントをクリックし、軸となるポイントを1点クリックして180°回転させ、クリックして確定させます。セレクションツールに切り替えドラッグして平面図近くに移動させます。合わせやすい端点を選択して平面図に一致させます。こちらも頂点が一致しており、隙間ができていなければ問題ありません。
③床の立ち上げ
次にクラス「02.床」をアクティブにします。「非表示」設定しているクラスですが、そのクラスがアクティブな場合は図形が強制的に表示されます。まずは広い方の床を選択します。Ctrl + Eを押して柱状体を生成します。床の厚みは見えないためいくつでも良いのですが、"100mm"にしておきます。ここでビューを左に切り替えてみると、床が100mmの位置まで立ち上がっていることが分かります。つまり立ち上げた高さ分だけ下に移動しなければなりません。「加工」→「移動」、「モデルを移動」をクリックします。高さ方向への移動なので「Z方向」に-100と入力してOKを押します。これで床レベルとZ座標0mmの位置が揃いました。「2D/平面」に戻り、残りの床を立ち上げます。断面を見てみると1段の高さが125mmであることが分かります。1段目の1つ目の図形を選択し、"shift"を押しながら2つ目を選択します。Ctrl + Eを押して125と入力してOKを押します。1つの図形になってしまっているので、Ctrl + Uを押してバラバラにし、Ctrl + Gでグループ化します。続いて2段目の図形2つを選択してCtrl + E、今度は2段分の高さがあるので250と入力してOKを押します。Ctrl + Uを押してバラバラにし、Ctrl + Gでグループ化します。さらに2つの床グループを選択してCtrl + Gでまとめておきます。これで床は完了です。
④天井の立ち上げ
続いてクラスを「03.天井」に切り替えます。まずは全体を覆う天井を選択します。床と同様に厚みは見えてこないため、今回は100mmにしておきます。Ctrl + Eで100としOKを押します。現在天井の下面が0mmの位置にあるため、天井高である2580mmの位置に移動させます。「加工」→「移動」→「モデルを移動」から「Z方向」に2580と入力してOKを押します。続いて梁を立ち上げます。見えている梁の厚みは全て70mmなので全て選択します。このままだと先ほど立ち上げた天井も含まれてしまっているため、"shift"+クリックをして先ほどの天井の選択を解除します。この状態でCtrl + Eを押します。70と入力してOK。"ctrl +alt+ M"を押して、「Z方向」に梁下の高さである"2510"と入力するか、入力欄では四則演算が可能なため、天井高から梁の高さを引いて"2580 - 70"と入力することも可能です。OKを押すと梁の高さが"2510mm"になっていることが分かります。Ctrl + Uでバラバラにし、Ctrl + Gでまとめます。これで天井は完了です。
⑤建具・窓の立ち上げ
最後にクラスを「04.建具・窓」に切り替えます。見やすくするため に「ビュー」→「他のクラスを」→「表示+スナップ+編集」にしておきます。先ほど3D化したものは自動的に線表示に変わったため、トレースした図形では建具と窓だけが見えている状態になっています。
まずは展開図平面の窓から立ち上げていきます。平面図を見ると凹凸がありますが、今回は簡略化して直方体で制作していきます。また、平面図と行ったり来たりすると効率が悪いので、平面図から窓の部分をコピーしてきます。クラスを元々ある縦窓に切り替え、窓を選択します。すると、グループ化されていることが分かりますので、グループ内に入って必要な部分だけコピーします。グループに含まれる図形上でダブルクリックするとグループ内に入り、編集可能な状態となりました。窓を選択して"ctrl+C"でコピーし、右上の「グループを出る」から出ます。そのまま展開図の近くに移動します。ペーストする直前にクリックした点を中心にしてペーストされるので、窓近くをクリックし、"ctrl+V"でペーストします。立ち上げる前にクラスを「04.建具・窓」に戻し、四角形ツールで外枠を測ってみると奥行きが180mmなので、セレクションツールで外枠を選択し、"ctrl+E"を押して180と入力。OK、"ctrl+U"でばらばらにして、"ctrl+G"でグループ化します。
今回の窓のような部材の多いものは、同じような部材ごとにグループ化しておくと後で扱いやすくなります。続いて中央の部材ですが、こちらは奥行きが60mmなので、中の部材を選択して"ctrl+E"で60と入力。また、先ほど作った外枠を基準に考えると、外枠より49mm手前にあるので,セレクションツールで選択後、"ctrl+alt+M"を押してZ方向へ49と入力します。次に窓枠ですが、奥行きが25mmで外枠基準で52.5mm手前にあります。4つの図形を選択して、"ctrl+E"で25と入力し、"ctrl+U"でばらけさせ、"ctrl+G"でグループ化。"ctrl+alt+M"を押してZ方向に52.5と入力します。最後にガラスですが、厚みは5mmで外枠基準で62.5mm手前にあるので、セレクションツールで選択して、"ctrl+E"で5と入力し、"ctrl+alt+M"を押してZ方向に62.5と入力します。これで窓の立ち上げが終わったので、全てを選択して"ctrl+G"でグループ化しておきます。
ここで左ビューに切り替えてみると、壁と同様に床に寝ていることが分かります。回転ツールを選択し、右下をクリック、右上をクリックし、90°回転させます。これだとまだ窓が床に置かれた状態になっています。四角形ツールで窓の高さを調べてみると、920mmであることが分かるので、窓を選択して"ctrl+alt+M"でZ方向へ920mm移動させます。2D平面ビューに戻り、平面図の位置に合わせます。これで窓の立ち上げと配置は完了です。
続いてパーティションを立ち上げます。窓と同じように平面図から必要な部分をコピーしてきます。ただし、梁が邪魔をしているのでレイヤーボタンから天伏図にします。クラスを「建具・窓」に切り替えてから、ダブルクリックでグループに入り、"ctrl+C"でコピーしてグループを出ます。展開図近くの適当な位置をクリックして"ctrl+V"でペーストし、90°回転しているので回転ツールに切り替え、2点をクリックして90°回転させます。作業しやすいようにセレクションツールで位置を調整します。また、C面の断面図も配置しておきます。ダブルクリックで断面グループに入り、パーティションを選択して"ctrl+C"でコピーし、グループを出ます。適当な位置をクリックして"ctrl+V"でペーストし、位置を調整します。クラスを「04.建具・窓」に戻して、パーティションの固定部分を立ち上げます。四角形ツールで縦の部材の奥行きを測ってみると36mmであることが分かるので、セレクションツールに切り替え、"shift"を押しながら縦の部材2本を選択し、"ctrl+E"で奥行き36と入力します。"ctrl+U"でばらして、"ctrl+G"でグループ化します。
続いて横の部材を測ってみると奥行きは34mm。また、縦の部材基準で1mm手前にあるので、3つの図形を選択して"ctrl+E"で奥行き34と入力して"ctrl+U"でばらし、"ctrl+G"でまとめ、"ctrl+alt+M"でZ方向に1mmずらします。最後にガラスは厚み5mm、縦部材から15.5mm手前にあるので、図形を選択して"ctrl+E"で5を入力、"ctrl+alt+M"でZ方向へ15.5移動します。最後に全ての部材を選択して"ctrl+G"でグループ化します。
次にドア部分を立ち上げます。トレース時に説明したようにレール部分は大枠だけ作成します。奥行きを測ると44mmなので、選択して"ctrl+E"で奥行き44と入力。ランナーは幅と奥行きが同じ直方体として立ち上げます。幅が広いものから選択すると、1つ目は幅が23mmなので"ctrl+E"を押して23と入力。次に幅が広いものは11mmなので"ctrl+E"を押して11と入力。最後は幅が6mmなので"ctrl+E"を押して6と入力します。断面図を見てみると、先ほどのレール基準でそれぞれ10.5mm、16.5mm、19.1mm手前にずらす必要があることが分かります。セレクションツールで選択して"ctrl+alt+M"でZ方向へ10.5mm、選択して"ctrl+alt+M"でZ方向へ16.5mm、選択して"ctrl+alt+M"でZ方向へ19.1mm移動します。3つの図形を選択して"ctrl+G"でグループ化します。
続いて、縦、横、ガラスですが、こちらは固定部分と同じ奥行き寸法なので縦を2つ選択して"ctrl+E"で36、"ctrl+U"でばらして"ctrl+G"でグループ化。レールから4mm手前にあるので"ctrl+alt+M"で4と入力。横部材を2つ選択して"ctrl+E"で34、"ctrl+U"でばらして"ctrl+G"でグループ化。縦部材よりも1mm手前にあるので"ctrl+alt+M"でZ方向に5移動します。最後にガラスを選択して"ctrl+E"で5入力。手前に19.5mmの位置にあるので"ctrl+alt+M"でZ方向へ19.5移動します。今立ち上げたもの全てを選択して"ctrl+G"でグループ化。先ほど立ち上げた固定部分も選択してさらにグループ化しておきます。
窓と同様に「左」ビューに変更、回転ツールで90°回転させます。「平面」ビューに変更後、平面図の位置に移動します。90°回転しているので、回転ツールで右に90°回転させ、位置を平面図に合わせます。この状態だとドアがずれてしまっているので、ダブルクリックでグループ内に入りドア部分のグループを選択して位置を合わせます。グループを出て最後にドアのハンドルを作ります。四角形ツールでハンドルを埋めるように3つの図形を描きます。"shift"を押しながら全て選択して「加工」→「貼り合わせ」を行うと1つの図形に結合されました。ハンドルは反対側にもあるので図形を選択した状態でミラー反転ツールを複製モードに切り替えてドアの中心を軸にするために終点をクリック、そのまま垂直に下ろしてクリックします。すると今引いた軸に対して対象に図形が複製されました。
展開図を見るとハンドルの高さが200mm、床から下端までが900mmであることが分かるので、セレクションツールで2つの図形を選択して"ctrl+E"で200と入力。"ctrl+U"でばらして"ctrl+G"でグループ化し、"ctrl+alt+M"ででZ方向に900移動します。ハンドルだけグループから出てしまっているので"ctrl+X"で切り取り、セレクションツールでダブルクリックでグループに入り、さらにダブルクリックでドアグループに入り、メニューバーの「編集」から「ペースト」を選択します。これで切り取った位置と同位置にペーストされます。グループを2度出てパーティションは完了です。立ち上げます。基本的にはパーティションと同じ工程を踏むことになります。まずは平面図と断面図をコピーします。ダブルクリックでドアグループに入りドアを選択して"ctrl+C"でコピー、グループを出て展開図の適当な位置をクリックして"ctrl+V"でペーストします。平面図は180°反対を抜いているので回転ツールで回転させておきます。位置を調整します。
今度は断面図のドアグループに入り、"ctrl+C"でコピー、グループを出てC面の適当な位置をクリックして"ctrl+V"でペーストします。まず三方枠の奥行きを測ると、70mmなので3つの図形を選択して"ctrl+E"で170を入力。"ctrl+U"でばらして、"ctrl+G"でグループ化します。ドアの厚みは10mm、枠より120mm手前にあるので、"ctrl+E"で40、"ctrl+alt+M"でZ方向へ120移動します。ガラスの厚みは8mm、枠から136mm離れているので、図形を選択して"ctrl+E"で8、"ctrl+alt+M"でZ方向へ136移動します。ハンドルは厚みが5mm、取っ手が60mm、枠から160mm離れているので座を選択して"ctrl+E"で5を選択、取っ手を選択して"ctrl+E"で61、両方選択して"ctrl+alt+M"でZ方向へ160移動します。全て選択して"ctrl+G"でグループ化し、「左」ビューに切り替え、回転ツールを選択し床に接する部分を起点に-90°回転します。「2D/平面」ビューへ戻り、平面図近くへ移動させ、180°回転させて位置を合わせます。
これでドアの設定は完了です。最後に「斜め右」などの3Dに見えるビューで、きちんと立ち上がっていることを確認します。問題なさそうであればこれで3D立ち上げは完了です。
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