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プロが教えるやさしいCGパース制作 - Photoshop編 - No.16_02 レタッチ_マルチパス/フォトショアクション

2024.08.20

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CGパース初心者向けオフィスCGパースチュートリアル No.16_02 レタッチ_マルチパス/フォトショアクション

◆この動画では、Photoshopを使用したレタッチについて解説いたします。マルチパスの活用と調整、Photoshopアクションの作成方法をご紹介します。
※解説字幕付き

①準備(レンダリングデータの再確認)

前回の最後にレンダリングしたデータを開いておきます。tifデータとpsdデータの両方をPhotoshopで開きます。(⇒No.16-①レタッチ_オブジェクトバッファタグの設定/レンダリング)まずはpsdデータからtifデータへマルチパス・オブジェクトバッファを取り出してみましょう。

②マルチパス

下から「照明」「スペキュラ」「影」「グローバルイルミネーション」「アンビエントオクルージョン」「鏡面反射」「屈折」のレイヤーがあります。一番下の照明レイヤーがロックされていたら、ロックを外して名前を戻しましょう。7枚のマルチパスレイヤーを選択し、ctrlキー+Gで一つのグループにまとめます。グループ名を分かりやすいように、「マルチパス」へ変更しましょう。

③オブジェクトバッファ

レイヤー情報が表示されているタブの隣に、チャンネルというタブがあるのでクリックします。3Dデータで設定したオブジェクトバッファは、このチャンネルに選択範囲として保存されます。このままのデータを、背景画像のあるtifデータへ取り込んでも問題はないのですが、保存する際のデータ容量がかなり大きくなってしまうデメリットがあります。それを回避するための方法を見ていきましょう。

チャンネルのタブを表示させたまま、まず「オブジェクトバッファ1」のチャンネルをクリックします。その後、下の方にある「チャンネルを選択範囲として読み込む」ボタンを押しましょう。選択範囲を取りましたね。このままもう一度、レイヤーのタブをクリックします。下の方にある「新規 グループを作成」をクリックした後、「レイヤーマスクを追加」をクリックします。これで、1つのオブジェクトバッファチャンネルを、選択範囲として保存できました。あとはオブジェクトバッファが保存されている分だけ、この作業を繰り返します。しかし、パースを修正するたびに毎回この作業を行うのは、あまりにも非効率ですよね。このようなときは、Photoshopに備わっているアクション機能を使って、次回以降のオブジェクトバッファ取り出しをラクにしましょう。

④Photoshopアクションの設定

まずは、ウィンドウ/アクション を選択し、アクションパネルを表示します。アクションパネルの「新規アクションを作成」ボタンをクリックするか、アクションパネルメニューの「新規アクション」を選択します。アクション名を入力しましょう。今回はアクション名を「オブジェクトバッファの取り出し」としておきます。入力が終わったら「記録」ボタンをクリックします。アクションパネルの記録開始ボタンが赤丸に変わります。そのまま、先ほどと同じ作業を行います。20枚分の作業が完了したら、「再生 / 記録を中止」ボタンをクリックします。すると、アクションパネルの中に「オブジェクトバッファの取り出し」という項目が追加されます。次回以降は、この項目を選択した状態で「選択項目を再生」ボタンを押せば、自動で選択範囲を取り出してくれます。

⑤マルチパス・オブジェクトバッファデータの移動

「マルチパス」「オブジェクトバッファ」の2つのグループを選択し、右クリック⇒レイヤーを複製を押します。保存先のドキュメントを、背景画像が出力されているtifデータに変更し、OKボタンを押しましょう。これで、マルチパス・オブジェクトバッファデータの移動ができました。

⑥マルチパスのレイヤー設定

移動先のtifファイルを表示します。この時点で、レタッチ用フォルダを作成して別名で保存しましょう。マルチパスを順番に設定していきます。一度、マルチパスの全てのレイヤーを非表示にします。

照明レイヤーには、レンダリングした時の照明の強弱がレイヤー画像として保存されています。「通常」になっている重ね方を、「覆い焼きカラー」に変更します。照明が強く当たっているテーブルや壁面が明るくなりました。このままでは明るくなりすぎてしまうので、照明レイヤーの塗りを落として調節します。

スペキュラレイヤーには、マテリアルで設定したスペキュラの強弱がレイヤー画像として保存されています。重ね方を、「覆い焼きカラー」に変更します。金属のエッジやオブジェクトの一部が明るくなり、陰影感が増しました。こちらもこのままでは明るくなりすぎてしまうので、スペキュラレイヤーの塗りを落として調節します。

影レイヤーには、レンダリングした時の影の強弱がレイヤー画像として保存されています。重ね方は「乗算」のままにします。このままでは暗くなりすぎてしまうので、影レイヤーの塗りを落として調節します。天井に落ちた影の違和感が強いため、調節します。>影レイヤーにマスクをかけましょう。Bを押してブラシツールを選択し、ペンの不透明度を20%程度に落とします。カラーを黒にして先ほど追加したマスクをクリックしてから、天井の影が濃すぎるところを消していきます。

グローバルイルミネーションレイヤーには、照り返しなど複雑な照明効果を計算されたものがレイヤー画像として保存されています。重ね方は「覆い焼きリニア(加算)」のままにします。照り返しが強いところがハレーションを起こしてしまっているので、グローバルイルミネーションレイヤーの塗りを落として調節します。

アンビエントオクルージョンレイヤーは、今回レンダリング設定の時に数値の設定をしなかったためまた別の動画で触れていきます。鏡面反射レイヤーには、マテリアルで設定した鏡面反射の強弱がレイヤー画像として保存されています。重ね方は「覆い焼きリニア(加算)」のままにします。このレイヤーが入ることによって、マテリアルのツヤが増しました。レイヤーマスクをかけて一部のレイヤーを削り、陰影感を整えましょう。

屈折レイヤーには、ガラスなどに対する光の屈折を計算されたものがレイヤー画像として保存されています。重ね方は「覆い焼きリニア(加算)」のままにします。こちらも鏡面反射レイヤーと同じく、レイヤーマスクをかけて一部のレイヤーを削り、陰影感を整えましょう。一通りマルチパスレイヤーの調整が完了したところで、一つずつオン/オフをして確認していきます。照明レイヤーとスペキュラレイヤーが原因で、このあたりがハレーションを起こしています。レイヤーマスクをかけて調整しましょう。これで、マルチパスレイヤーを使った補正が完了しました。次の動画では、このレタッチデータの続きから仕上げの補正と画像合成を進めていきます。

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